天然樹脂の化石である「琥珀」の中で虫が発見されるのは珍しいことではありません。固まる前の樹脂に虫が閉じ込められてしまった場合に、とても良い状態のまま死骸が内部に保存されることがあるのです。, しかし、今回昆虫が見つかったのはなんと、美しい輝きを放つ「オパール」の中。この前代未聞の出来事に、専門家たちは驚きの声を上げています。, アメリカ昆虫学界によって運営されているウェブサイト「Entomology Today」の記事の中で、宝石学者のブライアン・バーガー氏が、インドネシアのジャワ島旅行の際に購入したオパールの写真をシェアしています。しかしそれは、単なるありふれたオパールではありません。玉虫色に光るそのオパールの中には、特徴的なポーズのまま固まった昆虫が紛れ込んでいたのです。その前脚は大きく広げられ、下顎は大きく開かれたままです。, その貴重なサンプルは、非営利団体である米国宝石学会(GIA)によって鑑定され、正真正銘本物のオパールであることが確認されています。しかし、この昆虫はどのようにしてオパールの中に閉じ込められたのでしょう?バーガー氏によれば、そのプロセスは不運な昆虫が「琥珀」に閉じ込められる場合と全く同じものである可能性があるとのことです。, 木の中には、虫や葉などを動けなくする粘着性の樹液を発するものがあります。そして虫などがその中に閉じ込められてしまうと、樹液はそのまま「コーパル」と呼ばれるものに変化します。そして、コーパルは長い間地下の熱と圧力を受け続けることで重合反応を起こし、固い「琥珀」になるのです。, バーガー氏いわく、今回発見されたオパールは、こうしたプロセスを経て琥珀が昆虫を閉じ込めた後に、それが「オパール化」したことが考えられるとのことです。, オパール化は、溶解したケイ酸塩が水などの液体によってヒビや空洞に流し込まれることによって起こります。通常発掘されるインドネシア産のオパールは、火山活動のプロセスによって形成されるものであるため、今回発見されたものは、琥珀にケイ酸を含む高温の液体が流れ込むことでオパール化したものであると考えられるのです。, しかしバーガー氏は、これがあくまも可能性の1つであることを強調しています。この謎に包まれたオパールは、まだ詳細な分析がされておらず、バーガー氏はその年代や起源などを特定するために、他の分野の専門家と協力して調査を進めることを望んでいます。, 「虫入りの琥珀がオパール化したのでは」ということですが、オパールは地中で数千〜数百万年かけて形成されるものです。一体どうやって虫が入り込んだというのでしょうか。まだまだ地球には、人知の及ばないことがたくさんあるようです。. 2016/9/7 ©Copyright2020 カラッツ Gem Magazine.All Rights Reserved. 6月6日付けの学術誌「Gondwana Research」に発表された論文によれば、このひな鳥は、約6500万年前の白亜紀末に恐竜とともに絶滅したエナンティオルニス類に属するという。今回の発見は、歯を持つこの古代の鳥について、そして、現代の鳥類とどのように違うのかについて、決定的な情報をもたらすものだ。, また、ひな鳥の化石は、これまでにミャンマー産の琥珀から発見された化石のなかでは最も状態がよい。ミャンマー北部のフーコン渓谷は琥珀の産地であり、そのなかには白亜紀(1億4550万年前~6550万年前)の動植物が世界で最も多く閉じ込められていると考えられている。今回の研究はナショナル ジオグラフィック協会エクスペディションズ・カウンシルも支援している。(参考記事:「勃起したザトウムシの化石、ペニスで新しい科に?」、「白亜紀の琥珀に、受精中の花を発見」), 羽毛の生え方から、研究チームはこのひなが生後わずか数日~数週間で樹脂に覆われ、文字通り、時が止まったのではないかと推測している。約7.5センチの琥珀の中に体の半分近くが保存されており、頭、翼、皮膚、羽毛、爪の生えた足を肉眼ではっきり確認できる。羽毛は白、茶、ダークグレーで、研究チームはビルマ語で琥珀色をしたタイワンヒバリを意味する「ベロン(Belone)」というニックネームを付けた。, 研究チームには、2016年12月、琥珀の中から恐竜の尾を発見したメンバーもいる。こちらは羽毛を持つ獣脚類の恐竜で、羽毛の構造を調べた結果、飛行は不可能だったのではないかと判断された。一方、それ以前に琥珀の中から発見されたエナンティオルニス類の翼は、現代の鳥類の風切羽(かざきりばね)と酷似していることがわかっている。(参考記事:「世界初、恐竜のしっぽが琥珀の中に見つかる」), 新たに発見されたエナンティオルニス類のひなは、風切羽は完全に生えそろっているものの、それ以外の羽毛は薄く、明確な羽軸のない獣脚類の羽毛に似ている。(参考記事:「恐竜時代の鳥の翼、琥珀の中でありのまま保存」), 生まれたばかりのひなに風切羽があるという事実は、エナンティオルニス類は生まれたときから飛行能力を持ち、現代の鳥類ほど親に依存していなかったという説を裏付けている。(参考記事:「恐竜から鳥へ 羽はどうやってできたのか?」), しかし、早い自立は代償を伴った。攻撃を受けやすい状態が長く続くことになったと、研究チームは指摘している。その証拠に、エナンティオルニス類はひなの化石が数多く発見されている(白亜紀の鳥類でひなの化石が確認されているのはエナンティオルニス類のみ)。, この化石は2014年、中国騰衝にある琥珀博物館の館長グァン・チェン氏がミャンマーで購入したものだ。チェン氏は当初、謎の「トカゲの爪」が閉じ込められた琥珀があると聞かされていた。今回の研究の共同リーダーで、中国地質大学のリダ・シン氏に見てもらうと、エナンティオルニス類の足の爪であることがわかった。シン氏らが琥珀の画像分析を行ったところ、分厚い琥珀の層と炭化した植物、粘土が入った泡の下には、さらに驚くべきものが隠されていた。, 「CTスキャンを行うまで、両足と羽毛しかない(と思っていました)。画像を見たときは本当に驚きました」とシン氏は振り返る。, 「驚きはこれだけでは終わりませんでした」と言うのは、シン氏とともに研究を率いたカナダ、ロイヤル・サスカチュワン博物館のライアン・マッケラー氏。「羽毛の構造を調べていると、体の各部位をつなぐ透明な皮膚が見えたのです」(参考記事:「羽毛恐竜に鳥のような翼を発見、始祖鳥以前」), 「ベロン」は現在、琥珀博物館に展示されており、その後6月24日から7月末まで、上海自然博物館で特別展が行われる予定だ。, Q:おたふく風邪のワクチン認可は史上最速といわれていますが、その期間は次のうちどれでしょう。, 小さな琥珀(約7.5センチ)に閉じ込められた9900万年前のひな鳥。CTスキャンで調べた結果、ミャンマー産の琥珀の中から発見されたものとしては、最も完全な状態を維持した化石であることがわかった。(PHOTOGRAPH BY MING BAI, CHINESE ACADEMY OF SCIENCES), 琥珀に閉じ込められていたひな鳥の復元図。恐竜とともに絶滅した、歯を持つ鳥エナンティオルニス類に属する。(ILLUSTRATION BY CHUNG-TAT CHEUNG), 羽毛の状態からこのひな鳥は最初の換羽期、すなわち生後わずか数日~数週間で琥珀に葬られたと推測されている。(PHOTOGRAPH BY MING BAI, CHINESE ACADEMY OF SCIENCES), 翼の羽毛は、現代の鳥類と異なり、生まれたときから飛行能力があったことを示唆している。(PHOTOGRAPH BY MING BAI, CHINESE ACADEMY OF SCIENCES), この琥珀の発見者は当初、「謎の」トカゲの爪を見つけたと考えていた。調査の結果、恐竜と同じ時代を生きた鳥の足だと判明した。(PHOTOGRAPH BY MING BAI, CHINESE ACADEMY OF SCIENCES), 皮膚などの軟組織まで保存されていたため、すでに絶滅した古代の鳥類について新たな情報を得ることができた。(PHOTOGRAPH BY MING BAI, CHINESE ACADEMY OF SCIENCES). パワーストーンのご紹介, 琥珀に触ったときの感触。なんとも言えない不思議な感じがします。 Point インドネシア産のオパールの中に「虫の化石」が発見される 樹脂の化石である宝石「琥珀」の中に虫が見つかることは珍しくないが、オパールの中にこれが見つかったのは前代未聞の出来事 この宝石は、琥珀が虫を閉じ込めた後に「オパール化」したものであることが考えられる どの色も美しいですが、私は個人的にコニャックアンバーが一番好きです♪, 何でもそうですが、希少価値が高いものはお値段も高くなります。数が少ないので当然ですよね。 琥珀にはいろんな不純物が内包されています。その中で”虫”を取り込んだ琥珀があります。 性的な美と社会的な美の違い, 「冬に病気になりやすい理由」が示される。 ヒトの免疫系に季節のリズムがあったから?, 3種類も新種のペンギンが誕生! 科学者が1種類だと思っていたものが実は別々のペンギンだった, 新型コロナ終息後、「マスクの副作用」により他の病気のパンデミックが起こる可能性あり。, 人間を襲ったハンセン病が「チンパンジー」にも感染、 人間の感染では見られない珍しい遺伝子型の菌. 当然ですが石っぽさはなく、ものすごく軽いです。それになんだかギュッとつまむとグミみないにプニュッとなりそうな感触があります。