評論家の立花隆さんは昨年暮れ、膀胱がんを手術した。その渾身の闘病ドキュメントは、月刊「文藝春秋」(5~7月号)に連載された。思想史から宇宙論まで幅広い評論を手がけてきた博覧強記の立花さんは、いま、真摯なまなざしでがんを見つめている。 2年前膀胱ガンが見つかった立花隆さん。がん細胞か正常細胞かは今でも専門家の勘に頼る。自分の中に生まれたガンとは一体何なのか?立花さんは世界中を旅して、つきとめ… 総合, ジャーナリストの立花隆氏は、一昨年、膀胱がんの手術を受けた。NHKは手術の様子や、その後の治療の過程を長期に渡って映像に記録してきた。その中で、立花氏は本質的な疑問に向き合い始めた。「人類はなぜ、がんという病を克服できないのか?」。立花氏は今、世界中の最前線の研究者たちを取材する中で、がんの正体を根源的な部分から見つめなおそうとしている。明らかになってきたのは、がんという病が、生命誕生の謎と深く結びついているという神秘的な事実だ。例えば、がんの原因とされている「がん遺伝子」は、同時に、生命の誕生から成長に至るまでに不可欠な遺伝子でもあることがわかってきた。さらに、がん細胞は生命40億年の進化の果てに得た様々な細胞の仕組みを利用して、増殖し転移することも明らかになりつつある。がんは、小さなほ乳類から恐竜まで、あらゆる生物に見つかる。実はがんは、私たちが多細胞生物として生まれたことで決定づけられた、宿命なのではないか。だとすれば、私たち人類は、がんとどのように向き合えばいいのか。ジャーナリストとして、そして一人のがん患者として、人類最大の病、がんの謎に挑む立花氏の思索の旅を追いながら、私たちとがんとの新たな向き合い方を探る。, ブラウザの設定でJavaScriptが無効となっています。ページを正しく表示していただくため、ブラウザの設定を有効に変更してください。. Copyright © CyberAgent, Inc. All Rights Reserved. 膀胱(ぼうこう)がんを患ったジャーナリストの立花隆氏。世界の最前線の研究者たちを取材し、がんの正体を根源的に見つめ直そうとしている。たとえば、がん遺伝子は生命誕生と成長に不可欠で、がん細胞は生命の進化の果てに得た細胞の仕組みを利用し、増殖、転移することも解明されつつある。がんは私たち多細胞生物の宿命なのか。なぜ、人類はがんを克服できないのか。人類最大の病の謎に挑む立花氏の思索の旅を追う。音楽:加古隆, 死ぬとき『私』は何を体験するのか、私の“心”は肉体が滅びた後どうなるのか…。23年前、死の間際に多くの人が見る「臨死体験」を徹底取材した作家・立花隆さん(74)は、がんを患い、死を間近に感じる中で、再び臨死体験の謎を追い求める旅に出た。脳科学の最前線を追い、人類永遠の謎に迫ろうとする立花さん。心とは、命とは、私とは何か。番組は立花さんの思索の旅を見つめ、誰もが避けられない「死」の意味について考える。語り:上田早苗, 身体の一部を機械に置き換え、脳が機械と直接つながったシステム・サイボーグ。SFの世界の話だと思われていたサイボーグが今、現実のものになろうとしている。そして今、サイボーグを実現可能にする技術として最も注目を集めるのが、脳の情報を利用する技術・神経工学だ。NHKでは、脳研究を中心に科学の最前線を取材してきた“知の巨人”立花隆さんとともに、この夏、サイボーグ技術の行方を見つめるため、世界各地での徹底取材を行った。音楽:池辺晋一郎. 構成/江口 敏 発行:2010年11月更新:2019年7月, 政治・経済から医療・宇宙まで、多彩な分野で評論活動を続け、「知の巨人」と言われる立花隆さんは、現在、東京大学病院で膀胱がんの治療を受けている。その東大病院放射線科准教授として放射線治療をリードし、緩和ケア診療部長を兼務しているのが、中川恵一さんである。おふたりにがんについて徹底対論していただいた。, たちばな たかし 1940年、長崎市生まれ。1964年、東京大学文学部仏文科卒業、文藝春秋に入社。その後、東京大学文学部哲学科に学士入学した後、ジャーナリストとしての活動を開始する。1974年、月刊『文藝春秋』に田中角栄首相失脚のきっかけとなった「田中角栄研究~その金脈と人脈」を発表し、ジャーナリストとして不動の地位を築く。現在は、政治・経済から生命・宇宙論まで、幅広い分野で評論家として活躍中。2007年暮れ、膀胱がんの手術を受ける。近著に『天皇と東大 大日本帝国の生と死』(文藝春秋)『滅びゆく国家』(日経BP社)など多数, なかがわ けいいち 1960年東京生まれ。1985年東京大学医学部卒業、同年東京大学医学部放射線医学教室入局。1989年スイスPaul Sherrer Instituteに客員研究員として留学、1993年東京大学医学部放射線医学教室助手、1996年専任講師、2002年准教授。2003年東京大学医学部付属病院緩和ケア診療部長(兼任)。近著に『死を忘れた日本人』(朝日出版社)『がんのひみつ』(朝日出版社)など多数。厚生労働省「がんに関する普及啓発懇親会」座長、同「がん検診企業アクション」アドバイザリーボード議長、日本放射線腫瘍学会理事, 立花 本日は私が膀胱がんを治療している東京大学病院で、放射線治療を担当されている中川さんに、私の事務所まで来ていただき、私のがんも含めて、がん医療のさまざまな問題をお話しいただくわけですが、がん治療にはさまざまなケースがありますね。それからがんは苦しむというイメージがある。, 中川 基本的には、がんという病気は、適切な治療を行えば、最後まで普通の生活ができ、案外苦しまないものです。とくに高齢者で、積極的な治療をしないような場合はとりわけそうです。逆に、若いがん患者さんで、どんどん治療をする場合、ある薬が最初は効いていても、どこかで効かなくなる。次の薬しかない。そうやってA、B、Cという抗がん剤を次々に使っていく。これを繰り返していくと、薬に強いがん細胞が生き残っていくので、次第にがんの攻撃性が上がってきます。たくさん治療をした人のほうが、最後はつらい症状に苦しむことが多いように思います。, 中川 実は立花さんのCT(コンピュータ断層撮影)画像を見せていただきました。いまのところ再発兆候はまったくないと思います。ただ再発兆候がないというのは、がんがまだ検査でひっかかる大きさではない、という可能性もかなりあります。がんの大きさが1センチにならないと、がんの専門医としても、明確にがんだと診断できないのです。1センチ、2センチのがんが見つかったとき、過去にさかのぼって調べると、5ミリぐらいの段階で、「ああ、これががんだったんだ」とわかるのです。ですから、立花さんのがんにもそういうことがないとは言えない。, 中川 まだ少ないと思います。どちらかといえば、5ミリで見つかるのは偶然ですね。前立腺がんなどは、PSA(前立腺特異抗原)という腫瘍マーカーがありますから、PSA値が上がれば、生検を行います。前立腺がんの生検は、20カ所ぐらい、片っ端から針を刺して診断し、画像診断では見つからない小さながんも見つけるようにしています。ただ、あまり気にしなくてもいいがんもあります。80歳を過ぎた男性の4割に前立腺がんが存在しますし、60歳過ぎの女性は100パーセント、甲状腺がんを持っています。, 中川 なぜ60歳過ぎの女性に甲状腺がんがそれほどあるのか、まだよくわかっていませんが、少なくともほとんどの女性は、甲状腺がんがあっても、人生に何ら影響はありません。いわゆる天寿がんですね。前立腺がんにもそういう面はあります。 今年2月に厚生労働省の役人と韓国に行きました。韓国はいま、がん検診ブームで、がんに対する対策が非常によくできています。がん登録というものがあります。これはがん患者さんのすべての情報をデータベースとして管理し、がん対策に役立てていくものです。そのがん登録が韓国はほぼ100パーセント行われています。, 中川 まず病院ごとです。とくにがんの場合は、厚労省が決めた、がん診療連携拠点病院があり、そこで登録を行っています。それを都道府県でまとめて、最終的には国が管理するという形になっています。韓国では住民登録番号をベースにがん登録を行っていますから、日本とは大きく違います。 また、韓国では法律により、がん登録は個人情報保護法の範疇外と定められています。それに比べて、日本ではがん登録自体が法律違反だという見解を示している自治体もあります。ですから、個人情報保護法ができたことによって、がん登録をやめた自治体もあるほどです。韓国では、がん検診も盛んで、現在、検診率は53パーセントに達しています。, 中川 子宮頸がんは基本的に無料です。また、所得の上位50パーセントと下位50パーセントでは支払いが違い、下位50パーセントは無料でがん検診が受けられます。上位50パーセントは1割負担です(子宮頸がんは無料)。この1割負担は、日本の健康保険を意味します。韓国ではがん検診を健康保険で行っているのです。日本では人間ドックは基本的に個人負担ですね。 要するに、韓国では、がん予防の部分とがん治療の部分を、一元的にやっているわけです。これは重要なことです。私は今年で医師になって26年目になりますが、20年ぐらいは検診のことなど、まったく考えていませんでした。というのは、医師にとって予防というのは、基本的に病院で行う行為ではないからです。検診にしても、人間ドックにしても、健康保険証を使う医療行為ではないのです。ですから、多くの医師は検診について関心がありません。 がんは症状が出たとき、進行がんとなります。早期がんの段階で発見するためには、症状が出てから病院に行ってもダメで、自分が元気なときに、定期的に検査を受ける必要があります。がんを早期に発見するためには、がん検診は必須です。, 立花 ぼくの場合、東大に「老人ドック」ができたというので、試しに受けてみるという雑誌の企画で行きましたが、あの老人ドックのコースの中に、がん検診に相当するものは、どれくらい入っているんですか。, 中川 かなりあります。CTは肺炎なども見つけることができますが、がんも見つけることができます。ですから、CT検査にはがん検診の要素も入っています。, 立花 CTにもいろんなCTがありますね。解像度も違いますし、スパイラル式に撮るものもあります。そのやり方によって、がんの発見率も相当違うと思います。老人ドックでやるCTは、どの程度のグレードですか。, 立花 ぼくは膀胱がんで症状がまったく出なかったケースですが、膀胱に限らず、いろんながんで、1センチ程度だと、ほとんど症状は出ないんですか。, 中川 ですから、がんを早期に見つけるためには、症状が出るのを待ってはいけません。元気なときに定期的に検診を受けることです。私たちの身体には、毎日多数のがん細胞ができていて、その都度免疫細胞が殺していることを忘れてはなりません。, 立花 検診の場合、本当はがんではないけれども、がんという判定が出てしまうケースがありますよね。, 中川 臓器にもよりますが、がんでないのに、がんと診断する危険は、それほど多くはないです。怪しい場合は生検をしますからね。ただ、治療をしなくていいようなおとなしいがんを見つけてしまうリスクはあります。, 立花 CTだけでがんと判断することはなく、怪しい場合はその次のステップの検査を行うわけですね。, 中川 CTの画像で9分9厘がんだと判断することもありますが、判断がつかない場合もあります。肺がんの場合、原発性のがんか、他の臓器から転移したがんか、わからないケースがあります。そういうときは、病理医に判断を委ねます。, 自分を客観視する習性が、がん克服に導いてくれたのだと思います なかにし礼 × 鎌田 實 (後編), 人間を診ないロボット医師にいのちを預けるわけにはいかない なかにし礼 × 鎌田 實 (前編), 検査しないまま収監されていたら、帰らぬ人となっていたかも知れません 鈴木宗男 × 鎌田 實, 治ると思ってがんに対峙するのと ダメだと思って対峙するのとでは全然違う 与謝野 馨 × 鎌田 實, 神が私を見捨てないから 難治性乳がんにもへこたれない ゴスペルシンガー・KiKi(ゲーリー清美) × 鎌田 實, 原稿も旅行もゴルフもできるうちは好きなようにやって生きていきたい 作家・高橋三千綱 × 鎌田 實, 5年、10年と節目をつけ、少しドキドキしながら、娘を見守っていく 女優/タレント・麻木久仁子 × 鎌田 實, もっとガイドラインを上手に使いこなそう! 『患者さんのための乳がん診療ガイドライン』はより患者目線に, 切除不能または再発乳がんの脳転移にも効果が HER2陽性乳がん治療薬「ツカチニブ」をFDA承認, 5個以内の転移なら治癒の可能性も 乳がんのオリゴメタスタシスに対する体幹部定位放射線療法SBRT, 遺伝子情報をもとに効果の高い治療法を選択 膵がんにおける遺伝子変異に基づくゲノム医療とは. NHKスペシャル 立花隆「がん生と死の謎に挑む」 ... 癌を患ったら観念せよというのは早計ではないかと。 12 ... 学問のススメPodcast(2011.3.28)に立花隆が出ていたのできいてみたが、 核心に鋭く突っ込む往年の切れの良い語りは全く無く、 2年前膀胱ガンが見つかった立花隆さん。がん細胞か正常細胞かは今でも専門家の勘に頼る。自分の中に生まれたガンとは一体何なのか?立花さんは世界中を旅して、つきとめ…

最先端のがん医療の本当の姿を知りたい。 撮影:板橋雄一 23日、実家に寄ることがあり、夜偶然にNHKで立花隆の癌に関するスペシャル番組を見た。 2007年に膀胱癌が発覚し、その年の暮れに手術を受けた立花は、その後癌に関する情報を世界中に求めていった。 「人類はなぜ、がんという病を克服できないのか? 2009年11月23日(月) 死ぬまで生きる力を持っている。人間は見な死ぬで生きられるのです。

スポーツ観戦が好きなのでそれを中心に見たテレビ番組のメモなど書いています。なお「テレビ録」カテゴリーのメモ内容については、僕の耳と目がキャッチできた内容を記録したものです、放送内容や事実と相違することも多々あることを予めご了承願います。, 2年前膀胱ガンが見つかった立花隆さん。がん細胞か正常細胞かは今でも専門家の勘に頼る。自分の中に生まれたガンとは一体何なのか?立花さんは世界中を旅して、つきとめようとした。私達はガンに対する認識を誤ってきたのではないか?立花さんは世界の研究者を取材。, 2年前、立花さんからの申し出でガンの状況を取材することになった。2007年東京大学で多発性の膀胱ガンが認められた。およそ2cmの細胞から徐々に増えてきたという。医師はどこまで深く侵攻しているかわからなかった。浸潤で5年生存。筋肉まで進むと、その先遠隔転移が発生し、手術では無理になり、5年生存率は25%に下がる。, 立花さんはすぐに手術。膀胱の正面が見えて、数十億個のガン細胞の塊が見えた。無事に手術で取り除けたが、目に見えない細胞が残っていて確実に転移するという。抗がん剤でないと効かない。, 立花さんは抗がん剤治療を続ける物理学者の戸塚洋二さんに話を聞く。戸塚さんは既に全身に転移していた。脳にまで転移しており、戸塚さんは科学者の目で自身のガンとの戦い・共生をブログに記録した。, 副作用の激しい抗がん剤。2回変更したが、ガンは減らなかった。アポトーシス(細胞死)が現われて、消化管に穴が開く状態になったという。, 立花さんは筑紫さんに話を聞こうとしていた矢先だった。「筑紫さんのヒヤリングをやってきたんです。」と涙。, 1971年ニクソン大統領の「ガン戦争宣言」で、ものすごい種類の抗がん剤が試された。しかし現在でも効果のあるガンは限られており、転移するとほとんど効かない。, 立花さんは何故二人の友を失うことになったのか。現在の研究状況を知りたいと考えて、第100回アメリカがん学会で研究者に尋ねていった。研究者は制圧までに50年か100年はかかるという。, 1982年以来ガンの研究に打ち込んできたワインバーグ教授に、なぜガンはこれほどしつこいのかを質問。, 教授「ガンになる理由は知るようになったが、37年たってもガンを治すことはさほど進歩していない。」, 教授は’生きていること自体がガンを生む’というもの。細胞のコピーミスが起きるとガン細胞になる。70・80でミスが起きないことが奇跡だという。, その理由は、点と線で行なわれる信号のやりとり。RAS(がん遺伝子)が異常を起こすと「増える」という情報が暴走し、増殖する。患者が亡くなった後も細胞は増殖し続ける。がん遺伝子は厖大にあって、全体像をひとりの人間が捉えるのは不可能だという。, 「分子標的薬」がこのパスウェイの異常信号を抑えようとした。しかしRASは他の異なる遺伝子を探す。こうして分子標的薬は効き目を失ってしまう。, 立花「ガンは防御法を次々と考えて、薬の裏をかく。ただものではないとわかってくる。」, 博士「HIF-1という遺伝子は、酸素が行き届かない真ん中あたりの低酸素領域で働く遺伝子だ。」, HIF-1は低酸素でも生き残れる能力を持ち、移動する能力を身につける。これが浸潤だという。, 博士「ガンは低酸素に順応する必要があり、この生き残ったガン細胞が放射線や抗がん剤でも生き残れる強力な細胞になる。」, このHIF-1を取り除ければ防げるのではないか?そこでランデルハンス教授の元を尋ねる。, しかしHIF-1が無いと細胞はバラバラになり死んでしまう。初期の細胞のときは低酸素状態で生きるもの。細胞が育つには必要不可欠。酸素を必要とする生物が進化の過程で獲得した遺伝子でもあった。, 教授「HIF-1は海と陸を行き来した動物には極めて重要なもので、進化の中でもずっと保存してきたと考えられる。」, がんは進化で獲得した遺伝子を多数使用しているのだ。細胞の移動に使われる遺伝子が、がんの転移にも使われている。, 3万年前の恐竜にもガン細胞が発見され、あらゆる生物のガンには同じ遺伝子が使われていることがわかってる。, しかしポラード教授が発見したのは、マクロファージがガン細胞を手助けしているということだった。, 裏切りを行なうマクロファージ。しかしマクロファージは本来の機能を果たしているに過ぎないという。それは傷口を治すときの働きだ。マクロファージは傷口を修復するために集まり、移動や成長を促す物質を放出する。, 同じことがガン細胞でも行なわれ、マクロファージに導かれるようにガン細胞が移動・増殖するという。, 白血病細胞では、正常細胞が白血病細胞に栄養を与えている。ガン細胞と正常細胞の深いかかわりは、副作用となって現われる。, 立花「ガンは半分自分で半分エイリアンのようなもの。エイリアンを攻撃しようと思って自分自身を攻撃してしまう。治そうとして自分を攻撃するようなもので、生命とはなんだ?といったことを考えさせられる。, 「ガン幹細胞説」に注目。スタンフォード大学のマイケルクラーク博士がその研究の第一人者。ガン細胞を分類したところ、ガン幹細胞を注入したラットはがん細胞が出来たが、その他の細胞を注入してもがん細胞はできなかった。抗がん剤は「ガン幹細胞」には効かない。そればかりか耐性のあるガン幹細胞ができてしまう。, そのガン幹細胞は、生命の根源である「幹細胞」に極めてよく似ていることがわかった。ガン幹細胞を攻撃することは幹細胞を攻撃することになる可能性が高い。, IPS細胞の中にはがん細胞化するものがあり、正常細胞とがん細胞は紙一重だという。命を再生するIPS細胞と命を落とすがん細胞が極めて似ている。, 山中教授「再生することが出来ない人間が選択した進化が、がんを生殖能力ができるまで起こさないことだったのでは?」, 立花「3分の一がガンで死ぬ。ガンは細胞の病気であり、DNAの病気。生命維持・存続の仕組みそのものにガンの起因するものがある。」, 立花さんは講演を依頼されて、「ガンが転移しても頑張らずに抗がん剤は使用しないだろう。」と発言。「65歳、このままいっても、QOLを下げてまで生きているメリットは無いと思う。」, ガン患者として最期の日々をどう過ごすか?立花さんは鳥取県の小さな病院を訪ねた。病床は19床。ほとんどは往診で診ていると言う徳永先生に同行する。, 自宅で病床に臥す患者さんと、死ぬ場所はどこがいいのかを聞く。死は日常の傍にある。と語る徳永さん。, 徳永「体内の何かが’死’について、その人に教えているような気がする。そういうのを持っていてもやっていける力が人間にはある。」, この日は胃がんを患っている谷口さんを診る。意識が混濁した状態から戻った状態だった。痛みの緩和ケアを中心に励まし、語りかける。翌日谷口さんは娘の誕生日を1日早く祝う。家族に囲まれて。その翌日谷口さんは亡くなった。, 徳永「’死’とはすごいもの、’命’はすごいものなんだなあ。わからないから凄いんだな。」, 立花さん「私が生きている間に人類が医学的にガンを克服することはないだろう。死が迫ってもジタバタすることはないだろう。そうであればガン患者はどこかで折り合いを付けることが必要。徳永さんのところで学んだのは、人間死ぬ力を持っていること。ジタバタしないで生きることが、ガンを克服するということではないか。」. ○ 抗がん剤の開発……巨額の投資、現れては消えた”特効薬”、つきまとう副作用。 ○ がん遺伝子解読への道 がんと生命切れない糸 ○ 治癒の道はあるのか? 巨大装置で挑む。 ○ がん戦争宣言(1971年ニクソン大統領)…未だにがんは解明されていない。 NHKスペシャル 立花隆 思索ドキュメント がん 生と死の謎に挑む. ジャーナリストの立花隆氏は、一昨年、膀胱がんの手術を受けた。NHKは手術の様子や、その後の治療の過程を長期に渡って映像に記録してきた。その中で、立花氏は本質的な疑問に向き合い始めた。「人類はなぜ、がんという病を克服できないのか? それが立花隆 .

さいわい2㎝の粘膜下層で止まっていたため手術で除去した。 ○ 世界でがん征圧にかけた資金は数十兆円。それでも死者は増え続けている。 がんの病を解明したい思いで取材に協力した。, ○日本のガン死者数は33万人、世界のがん死者数は800万人。 ○ がんと生きるとは?, ○ 急性白血病 ○悪性リンパ腫 ○精巣(睾丸)腫瘍 ○繊毛がん 以上 せいぜい「延命か緩和」の範囲と言われています。, 主治医から伝えられたことは、がんというのは、一目で見て分からない。 昨日のの「癌患者と家族の闘病記」と一緒に今、癌と向き合われている方に5年前の情報ですが、参考になる立花隆さんの思索ドキメントをご紹介します。, 2007年12月、立花隆さんは「多発性膀胱がん」を発症。 がんはしぶとすぎるほどしぶとい病気なのです。, すべてのがん患者ががんという病気と人生の残り時間の過ごし方について折り合いをつけなければなりません。, 私の場合、残り時間の過ごし方は,いたずらにがんと闘う治療をするのではなく、 いたずらに頑張ってQOL(生活の質)を下げることではないと思う 撮影:板橋雄一 政治・経済から医療・宇宙まで、多彩な分野で評論活動を続け、「知の巨人」と言われる立花隆さんは、現在、東京大学病院で膀胱がんの治療を受けている。その東大病院放射線科准教授として放射線治療をリードし、緩和ケア診療部長を兼務しているのが、中川恵一さんである。 患者としてがんとどう立ち向かうべきなのか? 癌とは何か?それは生命が生まれた時からある自分自身であり、エイリアンである。そう彼は言います。親友であった筑紫哲也や数々の友人が癌で世を去り、彼自身も膀胱癌を疾患し、治療を余儀なくされる中で、「知の巨人」が遂に起った。昨夜のnhkの特集です。 午後10時00分~11時13分

構成/江口敏 発行:2008年11月更新:2019年7月, 評論家の立花隆さんは昨年暮れ、膀胱がんを手術した。その渾身の闘病ドキュメントは、月刊「文藝春秋」(5~7月号)に連載された。思想史から宇宙論まで幅広い評論を手がけてきた博覧強記の立花さんは、いま、真摯なまなざしでがんを見つめている。その立花さんが、「がん哲学外来」を開設し、行き場を失ったがん患者さんと真剣に向き合っている順天堂大学教授で病理・腫瘍学者の樋野興夫さんに、がんとその周縁について鋭く迫った――。, たちばな たかし 1940年、長崎市生まれ。1964年、東京大学文学部仏文科卒業、文藝春秋に入社。その後、東京大学文学部哲学科に学士入学した後、ペンネーム「立花隆」でジャーナリストとしての活動を開始する。1974年、月刊「文藝春秋」に田中角栄首相失脚のきっかけとなった「田中角栄研究~その金脈と人脈」を発表し、ジャーナリストとして不動の地位を築く。現在は、政治・経済から生命・宇宙論まで、幅広い分野で評論家として活躍中。昨年暮れ、膀胱がんの手術を受け、月刊「文藝春秋」(5~7月号)にその同時進行ドキュメントを連載した。近著に『天皇と東大 大日本帝国の生と死』(文藝春秋)『滅びゆく国家』(日経BP社)『ぼくの血となり肉となった500冊そして血にも肉にもならなかった100冊』(文藝春秋)など, ひの おきお 1954年、島根県生まれ。順天堂大学医学部病理・腫瘍学教授、順天堂大学大学院医学研究科環境と人間専攻分子病理病態学教授、医学博士。米国アインシュタイン医科大学肝臓研究センター、米国フォクスチェースがんセンター、癌研実験病理部長を経て、現職。順天堂大学医学部付属順天堂医院に2005年に「アスベスト・中皮腫外来」、2008年に「がん哲学外来」を開設した。主な著書に『われ21世紀の新渡戸とならん』『われOrigin of Fireたらん―がん哲学余話』『がん哲学』など, 立花 樋野さんは順天堂大学病院で「がん哲学外来」を開き、がん患者の苦しみや悩みに関する相談に応じていますが、そもそも「がん哲学」という概念はどこから発想したのですか。, 樋野 若き日に出会った人物が東大法学部の南原繁の弟子で、私は若い頃から南原繁に関心を持っていました。南原繁の「政治哲学」の提唱にならい、「科学としてのがん学」を学びながら「がん学に哲学的な考え方を取り入れていく領域がある」との立場に立ち、「がん哲学」という言葉を造ったわけです。, 立花 南原繁がルーツですか。がんと哲学はおよそ無縁に思われますが、そこに南原繁が絡んでいるとは面白い。, 樋野 私は順天堂大学に来る前、癌研究会に居りました。1960年代の癌研所長に吉田富三という人がいます。NHKのディレクターだった吉田直哉さんのお父さんです。吉田富三からは「がん細胞に起こることは、人間社会にも必ず起こる」という考え方を学びました。 「がん哲学」という発想は、吉田富三から大きな影響を受けていると思います。, 立花 きょうここへ来る途中、国立がん研究センターの総長だった杉村隆さんの『自らがん患者となって』という本を読みながら来ました。この本の出版元が哲学書房。きょうは「がん哲学」に縁があると(笑)。, 樋野 杉村先生には、今もいろいろ大事な核心的ポイントを学んでいます。先週も最近の流行であるがんの Stem cell(幹細胞)の言葉が既に1952年の吉田富三の論文の中にあることを教えて頂きました。, 立花 その本に書かれていましたが、国立がん研究センターの歴代総長は、ほとんどががんで亡くなっているそうですね。, 樋野 そうですね。とにかく現代は2人に1人ががんになる時代ですからね。今では、生きるということががん化への道ですよ。私たちの身体は37度の体温にインキュベートされていますから、必ずDNAが傷つきます。だから、がんは避けられないのです。生きることががん化への道であり、がんにならない唯一の方法は死ぬことです(笑)。, 樋野 2回以上分裂する細胞にはがんが起きるのです。分裂する能力のない細胞からはがんは起きません。外からどんな刺激を与えたとしても、死んだ細胞はがんになりません。, 立花 僕も自分ががんになる前から、がんに興味を持ち、いろんな本を読みましたが、読めば読むほど奥が深いと思いますね。, 樋野 なぜこの地上にがんが存在するのか、誰も説明できません。私たちが説明できるのは、WHYではなくHOW、いかにしてがんが存在しているかという点です。, 樋野 がん細胞の大きな特徴はトランスフォーメーション、顔かたちが変わること。そしてインモータライゼーション、永遠性。最初からインモータライズな細胞はがんになりません。順番が狂って、最初に顔かたちが悪くなったものが、永遠に生きる。これががん細胞です。ただ、最初の段階のがんは、まだアンテナ型であり、依存性が強く、それほど怖くありません。, 樋野 ホルモンなどに依存するアンテナ型です。乳がんでも前立腺がんでも同じですが、最初のうちは周辺の情報に依存するアンテナ型です。それがいつしか羅針盤型になり、自分の意志で動き始める。そのアンテナ型から羅針盤型に移行するステップがあるはずですが、まだよく解明されていません。, 樋野 あとから考えれば、遺伝子の異常が付加されているということです。転移を起こさなかったものが転移する。浸潤しなかったものが浸潤する。そこにはそれに付随する遺伝子の異常が加味されているということです。だから、がんの進行は多段階的なんです。, 立花 うーん、僕は最初「がん哲学」と聞いたとき、患者の生き方に関する問題だとイメージしましたが、がんそのものを哲学的にとらえるという視点もあるわけですね。, 樋野 「がん哲学」の考え方をひと言で言えば、先ほど述べましたように「がん細胞に起こることは、人間社会にも必ず起こる」ということです。がん細胞というミクロの世界を研究すれば、人間社会というマクロの世界もわかってきますね。がん細胞の研究をすれば、どうしたら世界平和を実現できるかも具象的にわかってくるものです。また、「がん哲学」は「生物学の法則」と「人間学の法則」をプラスしたものですから、その視野は広々としたものです。, 立花 たとえば、人間の身体にがん細胞ができるということを、人間社会に当てはめると、どういうことになりますか。, 樋野 人間の細胞がなぜがん化するのか、そのメカニズムは、人間社会で1人の人間がどうしてぐれて悪くなるのか、どうすればそれを立ち直らせることができるかということに、示唆を与えてくれます。また、私たちの身体には「がん遺伝子」がある一方、「がん抑制遺伝子」もあります。交感神経がある一方、副交感神経もあります。つまり、私たちの身体の中には、相対するものが共存しています。その姿は同心円ではなく、2つの中心を持つ楕円形で、緊張感の上に上手にバランスを保っているわけです。 がんも共生ではなく共存ですよ。これを人間社会に当てはめれば、平和の極意は緊張の上にバランスを保つ共存関係を築くことだと言えるわけです。, 立花 がんのメカニズムから世界平和を説くことができるとは思わなかった(笑)。授業でもそういう講義をするのですか。, 樋野 やります。私は順天堂大学で「がん哲学」という授業のコマを2つ持っていますからね。また、こんど講演で「日本肝臓論」というテーマで話をします。, 樋野 肝臓は正常なときには分裂せず静止状態ですね。つまり、順調な時には、ごちゃごちゃ言わない。しかし、イザというときには再生能力抜群で、3分の2を切っても2週間で元どおりになる。そして異物に対して寛容性を持つ。だから肝移植が容易にできる。また、解毒代謝作用がある。さらに血中を流れているタンパクの80パーセントは肝臓で造られていると言われています。日本も肝臓のような国になれば、世界から尊敬される、という話です(笑)。がん、臓器、生命現象は世界共通語ですから、がんや臓器や生命現象にたとえて平和の話をすれば、難しい話も具象化され、人種を超えて、思想を超えて世界に通じるのです。 たとえば虫垂。正常なときには何の意味もないように見えます。しかし、そこに炎症が起き虫垂炎になると、身体全体が痛み、虫垂の存在を知ります。国際情勢も同じですよ。どんな小さな国でも、そこに問題が起きれば、世界中に影響が及ぶ。, 立花 グルジア共和国の問題がロシアとアメリカの新たな冷戦につながりかねないというのは、虫垂が身体全体に痛みを及ぼしているようなものですか。, 樋野 そういうことです。人間の身体は60兆の細胞から成り立っていますが、1個の細胞を地球の大きさにたとえると、染色体が国の大きさになり、遺伝子が町の大きさになり、塩基が1人の人間の大きさになります。塩基1個の異常で細胞はがん化します。ということは、1人の人間の異常で地球ががん化し得るということです。また、遺伝子治療で1つの塩基を治すことによって細胞を救うことができますから、1人の人間で地球が救えるということもできます。だから1人の人間の力をあなどるな、というのが発がん病理の立場です(笑)。, 立花 恐れ入りました。これまで、そういう形でがんを語った人はいないんじゃないですか。, 樋野 いないかもしれません。ただ、吉田富三は「がん哲学」とは言わなかったけれども、顕微鏡を通して哲学、思想を語る人物でしたね。私がそんなことを考えられるのは、病理学が専門で忙しくないからです。いつも「暇げな風貌」をしていますから(笑)。臨床医は忙しすぎますから、そんなことを考える暇はないでしょうね。, 自分を客観視する習性が、がん克服に導いてくれたのだと思います なかにし礼 × 鎌田 實 (後編), 人間を診ないロボット医師にいのちを預けるわけにはいかない なかにし礼 × 鎌田 實 (前編), 検査しないまま収監されていたら、帰らぬ人となっていたかも知れません 鈴木宗男 × 鎌田 實, 治ると思ってがんに対峙するのと ダメだと思って対峙するのとでは全然違う 与謝野 馨 × 鎌田 實, 神が私を見捨てないから 難治性乳がんにもへこたれない ゴスペルシンガー・KiKi(ゲーリー清美) × 鎌田 實, 原稿も旅行もゴルフもできるうちは好きなようにやって生きていきたい 作家・高橋三千綱 × 鎌田 實, 5年、10年と節目をつけ、少しドキドキしながら、娘を見守っていく 女優/タレント・麻木久仁子 × 鎌田 實, もっとガイドラインを上手に使いこなそう! 『患者さんのための乳がん診療ガイドライン』はより患者目線に, 切除不能または再発乳がんの脳転移にも効果が HER2陽性乳がん治療薬「ツカチニブ」をFDA承認, 5個以内の転移なら治癒の可能性も 乳がんのオリゴメタスタシスに対する体幹部定位放射線療法SBRT, 遺伝子情報をもとに効果の高い治療法を選択 膵がんにおける遺伝子変異に基づくゲノム医療とは.