あにまるちゅーぶは野生動物や犬、猫などのペットの生態や、捕食、かわいいYoutube動画などをまとめたサイトです。, 2017/8/20 若くて強いオスライオンに戦いを挑まれて負けてしまえば、ボスの座はすぐに奪われてしまう。, 百獣の王の世界は厳しいね‥。 タンザニアでの調査もたてがみの長さがオス同士の戦いでの強さを裏づけている。一年を通じて非常に暑い時期が続くにもかかわらず、より暗色のたてがみをもつ個体ほど多産であり、子孫も繁栄しやすい[98]。2、3頭のオスの連合体となるプライドでは、より大きいたてがみを持つオスのほうが積極的に交尾をせがまれるということがしばしばである[97]。, かつて生物学者たちは、たてがみの量が亜種の識別形態になると考えられており、基亜種や亜種ケープライオンのような亜種の同定に用いられた。しかし前述のようにたてがみの色や量は、外気温などによって影響を受ける[98]。例えばヨーロッパや北アメリカなど外界温度が低いところで飼育されているライオンはより多量なたてがみをもつ。つまりたてがみは下位区分を明らかにするための目印としては相応しくないということである[99][100]。一方で亜種インドライオンは、アフリカの個体群よりもたてがみが薄い傾向がある[50]。, セネガルやケニアの東ツアボ国立公園ではたてがみのないオスも報告されている。ティンババティ保護区のホワイトライオンの雄にも本来はたてがみがなかった。テストステロンがたてがみの成長と結びついているため、去勢されて生殖腺が除去されてテストステロンの生産も抑えられ、しばしばたてがみが非常に薄かったり生えなかったりする[101]。たてがみのない個体は近親交配をした個体にも見られることがある。そのような個体は繁殖力も貧弱なものになる[102]。, 多くのメスが首毛(ruff)を持っており、ある姿勢を取るとそれがはっきりわかる。その姿は特に古代の彫刻や絵画などにしばしば現れるが、時にそれは雄のたてがみと間違われていた。メスの首毛はたてがみとは異なるもので、耳の下から顎のラインにかけて生えているが、たてがみというほどの量はなく、オスのたてがみが耳を覆うように伸びてしばしば輪郭を隠してしまう一方で、メスのそれは気づかれないことも多い。, 洞窟画に描かれた、既に絶滅したホラアナライオン(学名 Panthera leo spelaea)にはたてがみがないか、わずかしかない姿をしているものばかりである。これは、彼らがたてがみがなかったことを示唆している[103]。, ホワイトライオンの風変わりなクリーム色の毛皮は、その劣性遺伝の故である[104]。亜種トランスヴァールライオンPanthera leo krugeriの変異であり、なかでも珍しい外貌をしている。 Scientific American 254: 68–76. Wood, The Guinness Book of Animal Facts and Feats. 気にしない気にしない。 子を保護する親の目的は、子を外敵から守って生残を高めたり、給餌して発育を促進することです。しかし、子(卵)を保護する魚類の多くで、保護中の親が自分の子を食べる卵食現象(フィリアルカニバリズム)が知られています。子を守るべき親が逆に子を食べてしまうこの現象は、かつては異常行動とされていましたが、現在では親の繁殖成功を高める適応的な繁殖戦略と理解されていて、子を食べることで得られる親の栄養利益を考慮したエネルギー基盤仮説で最もうまく説明されます。, たとえば、親の体のコンディションが悪く保護継続が困難な場合は、保護卵の一部を食べて、残りの保護を最後まで継続するエネルギーとします(部分卵食)。また、保護卵が少ない場合は、保護を完遂しても得られる利益(残せる子の数)が小さく、保護を続けるコスト(労力や時間)に見合わないため、親はすべての卵を食べて繁殖をやり直します(全卵食)。部分卵食も全卵食もこれまで多くの研究が行われ、検証されてきました。, かつては異常行動とまで言われたフィリアルカニバリズムの理解は飛躍的に進んできましたが、一部の魚類の全卵食行動には不可解な謎が残されていました。それは、保護を担当する雄親は卵を保護しながらでも(潜在的には)雌に求愛して卵を追加獲得できるので、卵が少ないという理由では全卵食する必要が無いという点です。ではなぜ雄は卵を食べてしまうのでしょうか?, 長崎大学の進化・行動生態学研究室では、潮間帯の潮溜まりで繁殖するイソギンポ科魚類ロウソクギンポ(学名:Rhabdoblennius nitidus)の繁殖戦略を15年にわたって研究してきました。本種の雄は繁殖期になると岩穴や貝の空き殻などの産卵巣を占有し、雌に求愛して次々に卵を産ませます(雌雄ともに複婚で複数回繁殖)。産卵後は雄親が単独で卵を孵化までの約1週間保護します。, このロウソクギンポの雄も産卵巣内の卵が少ないとすべての卵を食べて、繁殖をやり直す謎の行動を示します。この謎を解くきっかけとなったのが、雄性ホルモン・アンドロジェンに依存した雄の繁殖サイクルの発見です。, 我々は以前から、全卵食の謎と同様に、雄が卵保護を始めると新たな卵を獲得しなくなる現象にも疑問を抱いていました。当初は、卵保護中の雄は保護行動に時間とエネルギーを費やすため、求愛する余裕が無くなっていると考えていました。しかし、実はそれだけではなく、雄は卵保護を始めてしばらくすると、求愛行動を促すアンドロジェンが低下して求愛できなくなり、卵が孵化するとホルモンが上昇して再び求愛できるようになる内分泌メカニズムを持っていたのです。この事実は目で見える動物行動を観察しているだけでは決して理解できなかったことで、これ以降の我々の動物行動のとらえ方を大きく変えるエポックメイキングな発見となりました。, 全卵食に話を戻すと、卵保護中の雄は追加配偶できず、これ以上卵を増やすことができないため全卵食していたと考えることができます。興味深い事実は、全卵食するとほとんどの雄は翌日には新たな卵を獲得していた点です。雄は卵が孵化するとアンドロジェンが上昇して求愛可能になりますが、全卵食後も速やかにアンドロジェンが上昇して求愛できるようになることが示唆されました。, 本研究では、巣内の卵の存在によって雄のアンドロジェン分泌が調節されていると考えて、人工産卵巣を用いて保護卵を除去・追加する野外操作実験を行いました。その結果、卵保護中の雄の卵を除去すると翌日には血中アンドロジェンレベルが上昇し、逆に卵を保護していない雄の空の巣穴に、別の雄が保護する卵を追加するとアンドロジェンレベルが低下していました。卵を追加された雄は産卵行動を経ることなく巣の中に卵が現れただけでアンドロジェンが低下していたことから、巣内の卵の存在が雄のアンドロジェン分泌を調節する鍵刺激だろうと考えられました。この結果から、雄はすべての卵を巣から取り除かなければ求愛を再開できないことがわかりました。, 卵食の進化を説明するエネルギー基盤仮説では、卵食の発生は親の体コンディションに依存すると考えられています。しかし、魚類の全卵食に関する過去の研究では、保護している雄親に給餌しても全卵食が抑制されない種が報告されています。ロウソクギンポの雄の体コンディション(肥満度)と卵食の程度(食卵数)の関係を調べたところ、卵塊の一部を食べて保護を継続する部分卵食ではコンディションの悪い雄がより多くの卵を食べていましたが、全卵食では雄のコンディションにかかわらず、すぐに全卵を食べることがわかりました。, さらに驚いたことに、全卵食中の雄は保護卵を食べるだけではなく、食べずに巣の外に吐き出していることも確認されました。これは雄の消化管内に収容可能な卵数が保護卵数に比べて明らかに多かったことから、食べきれない卵を捨てているのではないかと予想し、詳細なビデオ観察の末に確認できた事実です。これらの結果は、これまで全卵食行動とみなされてきた本種の卵食行動と、それに伴う卵除去行動が、栄養利益を期待する卵食ではなく子の存在を消すことを目的とした「子殺し」であることを強く示唆しました。, 動物の子殺しで一般によく知られているのはライオンの雄による子殺しでしょう。ライオンは1頭の雄と複数の雌とその子供でプライドと呼ばれる群れを形成していますが、しばしば他の雄に群れを乗っ取られます。この際に乗っ取り雄は元々群れにいた子ライオンを残らず殺してしまいます。この乗っ取り雄の子殺し行動は、子を失った雌の発情を促し、より速やかに交尾を受け入れさせて自分の子を残すための適応的な行動です。また、ネズミやヒヒなどの哺乳類では、乗っ取られた繁殖なわばり内の雌が性ホルモンの劇的な変化を伴って妊娠を中絶するブルース効果と呼ばれる現象が知られています。産まれてくる子が乗っ取り雄に殺される可能性が高いため、現在の子への保護(妊娠)を止める雌の適応的な行動とされています。, いずれも子殺しによって内分泌的に繁殖可能になる点はロウソクギンポのケースとよく似ていますが、ロウソクギンポは雄が自分自身の性ホルモン分泌を促すという点でこれまでにない新しいタイプの子殺しと言えるでしょう。, 本研究は、従来の理論では説明できなかった魚類の卵食行動の矛盾を、内分泌学的メカニズムを考慮した全く新しいアプローチによって解決することに成功しました。ただし、この子殺し仮説はエネルギー基盤仮説をはじめとする従来の仮説を否定するものではありません。なぜなら、全卵食するすべての種で性ホルモンに依存した繁殖サイクルがあるとは限らないからです。, これまでに、全卵食が確認されている他の種でもロウソクギンポと同様の繁殖サイクルを持つことがわかっているほか、卵の存在が保護雄の性ホルモン分泌を調節することがわかっている種もすでに報告されています。今後調査が進めば、他魚種の全卵食行動も子殺し仮説で説明されるようになると考えています。また、同様のメカニズムは他の分類群の子殺しや保護放棄などの現象を説明するヒントを与えるかもしれません。. Bauer, H., Packer, C., Funston, P.F., Henschel, P. & Nowell, K. 2016.