恋にちょっぴり奥手な、アメリの日常のワンシーン。 ちょっとエッチな(注:やらしいの意)シーンも多いけど、それはフランス映画の特徴?そういえば、感動作『エール』も、家族で観る映画ではなかった … (adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({}); 一つ目は『自分の世界から外の世界に飛び出したい』という願望であり、二つ目は『ニノという人物に逢いたい』だ。, 一つ目の『自分の世界から外の世界に飛び出したい』の実現方法は、アメリが隣人たちに幸せになるきっかけを与えることだ。, 主人公のアメリを始め、父親のプーラン、写真集めをするニノ、外に出ない絵描きの老人レイモン、カフェで働くシュザンヌ、ジーナ、ジョルジェット、元ジーナの恋人ジョゼフ、食品店を経営するコリニョンとそこで働くリュシアンなど、一人として一筋縄ではいかない性格の持ち主だ。, アメリはこれらの人々に、その人にまつわるきっかけを与え、背中を押したり助けてあげようとする。, 必ずしも良いおこないばかりではないが、アメリにとっては達成感を優先し、行動を起こし続ける。, その根源的な思いは、『自分の周りにいる人たちを幸せにしてあげたい』という純粋な気持ちと愛情からだ。, 例えば、アメリはニノのことをひたすら探し、様々な障害を経ていくというようなストーリーもできたであろう。, このような、二つの目的を作ったことでただの恋愛物語ではなく、同時に隣人たちの奇妙な話が盛り込まれた、より密度の濃い物語になったというわけだ。, そして、隣人たちのストーリーとアメリ自身のストーリーを複雑に入り混じらせた構成のおかげで、アメリとその他の登場人物たちの関わりを強く感じる物語になっている。, 『アメリ』を見るとあなたもパッと見で分かると思うが、映画の世界が極端な色で彩られていることに気づく。, 背景の至る部分はもちろんのこと、服やアメリが使用する小道具に至るまで、映画の中で目で見えるもののほとんどには、ある二つの『色』が多く使われている。, 映画『アメリ』では、この二色をとにかく強調してあらゆるものがデザインがされていることが分かる。, これらをこの映画に当てはめて考えてみると『赤』は情熱、『緑』は安らぎなどが妥当そうである。, アメリは子供のころの教育と環境から、成長時代に少し問題を抱えてしまったため、空想の世界にこもるようになってしまった。, そして、そのせいで物事を『好き』か『嫌い』かという、どちらかと言えば両極端な考えを持ってしまっている。, また、アメリは『人』と『人』、『男』と『女』など、もともとが二つに隔てられているような世界観を好む傾向にある。, つまり、キャラクターたちの性格と、アメリが考える世界が二つに分けられているので、その表現手法として対になる『赤』と『緑』という二つの色に分けているわけだ。, そうすることによって、空想癖であるアメリが感じている世界観を、私たち観客にも感じてもらおうとしている。, アメリは、周りにいる人たちに幸せになってほしいと願い、その人にまつわるきっかけを与えようとする。, これは、『オペラント条件づけ』という実験で有名な、B・F スキナー(Burrhus Frederic Skinner)という心理学博士の言葉である。, B・F スキナー博士は、その発明内容や発言により、その時代の人にとってはあまり好意を持たれない人ではあったらしいが、それでも心理学への影響を及ぼした人物の一人である。, 詳細は省くが、スキナーの動物を使った実験では、ある課題を達成すると餌を得られるというもので、つまり課題を繰り返すことによってより餌を得ることができるということを理解できれば、それはポジティブな心理の強化へと繋がるというものである。, アメリは隣人たちに対し行動を起こすが、それはアメリ自身にとって一つの達成感となりポジティブな反応へと変わる。, そして、さらにポジティブな反応を求めようとすることで、そうした行動をまた誰かに対して繰り返すことをする。, とはいえ、現実の世界で生きる私たちと同じ、いくらポジティブな考え方を持っていたとしても常にポジティブな出来事になるとは限らない。, アメリも他ならぬ自分に対してだとそう上手くはいかないというのが、映画『アメリ』の特徴でもあり現実味を感じさせる部分でおもしろい。, 映画『アメリ』では、前章までに書いたように、冒頭からアメリをはじめ主要なキャラクターたちについてナレーションで語られていく。, しかし、説明だけならいざ知らず、その内容にはどうでもいい個人の性格までもが暴露されていく。, その理由はあなたも思っている通り、アメリ自身の性格と、隣人たちの性格、そしてアメリが彼らに起こす行動との関連性を明らかにするためである。, まず、前提としてこの映画『アメリ』は二つの目的を主軸にしながら、構成としては複数のシチュエーションが交錯するどちらかと言えば複雑な物語になっている。, つまり、アメリと関わる登場人物たちは逐一入れ変わることになるので、各登場人物たちの性格を最初からしっかり示して、最初から人物たちへの感情移入度を高めてもうおうとしているわけだ。, 人物たちの性格を明らかにしないままいきなり個々の話に入っていく場合、観客はおいてきぼりをくらう羽目になりやすい。, レイモンは、外に一切出ずに絵を描きながら暮らしている老人で、周囲からは骨が脆い『ガラス男』というあだ名で広まっている。, このレイモンの最初の説明はアメリの空想から始まっており、どちらかと言えばミステリアスな雰囲気を醸し出し、彼の素描についてはあまり映されない。, それにより、観客はレイモンに感情移入を持つことがない状態のままで、突如として「ブルトドーだ」というアメリへのセリフからレイモンの話に進んでいく。, そうしてレイモンとアメリ、レイモンとリュシアンという二つの関係性だけを経ていく中で、レイモンという人物の性格をだんだんと表していき、最終的にはアメリに大事なことを助言をするような立場へと変わっていく。, レイモンの最初の説明だけがミステリアスに、逆説的に言えば適当に作られている理由は、観客にレイモンの感情移入をさせるわけにはいかないからだ。, なぜなら、レイモンだけがアメリの『魔法』を見破れるキャラクターとして描かれることになるキーマンだからだ。, その上でレイモンのポイントとして捉えておきたいのは、レイモンが『外出しない』・『絵を描く』という二つの設定だ。, 外に出なければ他人との接触は避けられ、絵を描くことは抽象的な会話となり、彼の複雑性は減る。, 複雑性が減れば、レイモンというキャラクターに曖昧さを残すことができ、それはミステリアスな雰囲気を漂わせられる。, アルバムのいくつかのページには、同じ顔の人物の写真が数枚貼られていたというところだ。, アメリもレイモンも語りながら『一体誰なのだろう?』と思うが、結果的には何てことはないキャラクターだということがあとで分かる。, ただ、ここで重要なのはミステリアスな雰囲気を醸し出しているところがポイントなのだ。, その理由は、アメリがこの写真の人物に対し「死んで忘れ去られることを恐れている」と言ったことに起因する。, そしてアメリは、写真の人物が「写真としてこの世界に残りたい」という意味が込められているとも語る。, 観客は「この人物が誰なのか?」と考えることなく、何となく「ふ~ん」と信じてしまう状態になるからだ。, その理由は、ここまでの間に観客自身がアメリの空想の世界に引き込まれてしまっており、何も疑問に思わなくなってしまっているからである。, 物語として見たとき、対立する相手や邪魔をする者を置いた方が観客の心理に訴えかけることになり、より盛り上がるのは間違いない。, 食料品店のコリニョンに対して、コリニョンの家に様々ないたずらをするが、それはアメリと対立しているわけではない。, このように、映画『アメリ』には『対立』する相手が存在しないので、特にハラハラドキドキする『サスペンス』というものは起きない。, もちろん、アメリの内なる世界を見せる映画でもあるので、サスペンスなどなくて良いという考え方もあるだろう。, また、アメリについては誰かと揉めたり争えるようなキャラクターでないことは初めから伝えられており、観客もそのようなアメリを望んでいない。, したがって、映画『アメリ』を見れば、以外にもサスペンス的な展開は一切なく、安心した映画であることに気づく。, ただしこの場合、一歩間違えば何の印象にも残らないというレッテルを貼られる諸刃の剣でもある。, そうしたことからも、映画『アメリ』の秘訣は、複数の人物に焦点を当てた物語にしていることだ。, しかも、登場人物たちにちょっとクセのある性格と暮らしぶりを徹底させることと、物語の中で登場人物たちの話を交互に都度変えることで、サスペンスがなくとも緊張感を保とうとしているわけだ。, 物語の構成に工夫を凝らせば、敢えて対立する存在を描かなくてもドラマチックになるということに注目したい。, そして、食料品店のコリニョンに以前住んでいた人物を聞こうとすると、コリニョンの両親に聞いてほしいと言われ、両親の家まで行く。, コリニョンの両親はアメリを迎え入れ、以前住んでいた人物はブルドトーという名前であることが分かる。, その帰り、アメリは地下鉄のプラットホームに入ると、音楽が鳴っているのに気づき、それは目が不自由な老人がレコードで音を流していることに気づく。, ニノは証明写真機が設置してある床と機械の隙間に金具を差し、捨てられた写真を漁っていた。, アメリは、ニノがアメリには一瞥もくれていないことには気づかないまま、いきなり歩み寄ってくるニノに期待と不安を感じる。, ところが、ニノはそのままアメリの横を素通りして、本来ニノが見ていたアメリの後ろを歩いていく男を追いかける。, その光景を見ていたアメリはふと我に帰り、そのまま行ってしまうニノの後を付いていく。, その後、紆余曲折を経てアメリからアルバムを受け取ると、今度はニノがアメリを追いかけるようになっていく。, ニノは、証明写真機の周辺で集めた他人の証明写真を入れたアルバムを落とし、アメリはそれを拾う。, そして、アメリはニノが働いている店に赴き、そのままアルバムを返そうと思っていたが、その時はそこにおらず、遊園地でバイトをしていると聞き、向かう。, そうして、次の日にニノにすぐアルバムを返すと思いきや、ゲームの如くニノを遊園地で弄んだあと「わたしに、あなたは、会いたい、?」と写真に書いた言葉と共にアルバムをニノに残す。, ただ、この時アメリは場所と時間を告げなかったせいで、本当は簡単に出会えるはずの機会を失い、ニノの方からアメリを探し始めることになってしまう。, そして、ニノの方から「いつ?どこで?」という張り紙を駅などに貼ってあるのをアメリが見つけると、わざわざマスク・オブ・ゾロのコスプレをして写真を撮り、メッセージを残した写真を破って写真機の床下に捨てニノに拾ってもらおうという、また面倒なことをする。, このようにアメリとニノは『ガラスの靴』である『写真』を通じて、シンデレラに出てくる王子様のようにお互いを探し求めるわけである。, ニノは何も意図していないが、アメリの場合は完全にゲームであり、空想の世界で生きるアメリならではの出会い方だと言える。, こうして見ると『ガラスの靴』という手法は古典的でありながらも、出会いを遅らせることができるのであれば、ドラマチックな演出に最適であることが分かる。, 行動を起こせば隣人たちに喜んでもらえ、アメリにとってもそれが何よりの楽しみとして感じられたからだ。, もちろん、その行動が良かった場合もあれば、反対に本人にとっては意味不明な仕打ちにあった人もいる。, そうした結果、アメリの目論見はことごとく外れ、望んでいたニノとの出会いから遠ざかってしまう。, アメリは出会うべきチャンスを逃し、悲しみ、途方に暮れながらアパートに閉じこもり一人でお菓子を作る。, これが本当だったら良いなと空想にふけ、アメリの恋人になったニノが、足りなくなったバニラビーンズをコリニョンの店で買ってきてくれる。, そうしてニノは、お菓子を作っているアメリの後ろの壁まで忍び足で近づき、アメリを驚かそうと企んでいる。, しかし、アメリからの返事がないことが分かると「また来ます」と置き手紙をドアと床の隙間に置いて、またアメリから去って行ってしまう。, アメリは窓のカーテンをそっと開け、階下の道路に目を下ろしながら、ニノが去っていくのを見つめる。, アメリもその通りにして寝室に入ると、テレビの周りにろうそくがたくさん飾られてあるのを見つける。, そこにはレイモンの顔がアップで映り、レイモンはテレビ越しにアメリに話しかけ始めた。, レイモンはアメリの全てを悟っていたかのように「チャンスを逃すな、彼を捕まるんだ」とアメリを励ます。, という、最後の一連の流れは観客の感情移入度が最も高まり、また観客自身が救われるシーンでもある。, しかし、この映画では自分から願うだけでは幸せにはなれず、それはアメリも同様で、自分の幸せをもらえる人物が必要なのだ。, また、二人の恋の行方を見守っていたのは、アメリが空想の世界に存在させていた他ならぬレイモンだったことを忘れてはいけない。, 映画『アメリ』は、ちょっと変わった、でも純粋な女性が他人のために何をするか、どう行動しようとするかという恋愛物語だ。, そして、アメリのまわりにいる登場人物たちはひとりひとりが個性的なキャラクターであるため、一つ一つのシーンとシークエンスが絶妙なさじ加減で混ざり合い、それはまるでフルコース料理のように堪能できる。, 大人の味付けによりで酸いも甘いも苦味みすらも感じるが、見事な調和を感じさせてくれる。, おそらく監督(脚本)、編集は、この映画作りについて相当頭を悩ませたのだろうと思える。, しかし、そんな悩みを打ち消すかのように、『アメリ』は見事に成功した映画になったと言える。. また「アメリ」の映画の映像は、色鮮やかで、全体的に黄色がかかっているのが特徴的。 現実目にするパリの姿とは違います。 こういった視覚的効果もあって、映画「アメリ」は、現在のパリのおとぎ話のようにさえ感じられます。 Audreay Tatou staring Amélie is a gorveous French actress and Matthieux Kassovitz staring Gino is great as well. フリーランスのブロガーです。個人ブログ【うたかたサプリ】を運営/「あなたの毎日を楽しくする」がコンセプトの雑記ブログ。趣味は旅行と映画鑑賞。, 「脱毛」に関する記事をまとめたカテゴリーになります。脱毛は高いお金がかかるのでなるべく損をしない選択肢を提示します。, 「眉毛」についての記事をまとめたカテゴリーになります。脱色方法や整え方。自分が実際にしている方法をわかりやすく写真付きで解説しています。, 「ピアス」についての記事をまとめたカテゴリーになります。耳たぶ・軟骨など実体験を元に記事を作成しました。, 「Wi-Fi」に関する記事を集めたカテゴリーです。自分にあったWi-fiを探して3回目のポケットWi-fi。今使っているのは「どんなときもWi-fi」です。, 「YouTube」に関してのブログ記事をまとめたカテゴリーになります。暇なときは大体YouTubeを聞き流ししているくらいのYouTube好きです。好きなYouTuberさんを広めるために記事を書いています。, 「旅行」に関する記事をまとめたカテゴリーです。旅行が趣味で年中色んなところに行きます。たくさんの思い出をログにまとめます。, 心臓に障害があると勘違いした父親は、学校に登校させずアメリの周りから子供たちを遠ざけてしまう。やがてアメリは母親を事故で亡くし、孤独の中で想像力の豊かな、しかし. ひと昔前に公開されたのにも関わらず、今もなお独特の世界観で女子を魅了している映画「アメリ」。
Her father, Raphael, an ex-Army doctor, mistakenly believes she is suff ering from a heart condition. 『アメリ』とは、2001年に公開されたフランス映画。監督は『エイリアン4』のジャン=ピエール・ジュネ。アメリ役は『ダ・ヴィンチコード』出演のオドレイ・トトゥ、相手役のニノは『アサシン』に出演したマチュー・カソヴィッツである。22歳のアメリはアパートで一人暮らししながらカフェで働く。ある日、40年前に自分の部屋に住んでいた男のタイムカプセルを偶然見つけ、男に返してあげるという挑戦に成功。その後、スピード写真の撮影機の前で不思議な青年ニノに出会う。2001年カルロヴィヴァリ国際映画祭グランプリ受賞。, 「アメリ」(原題: Le Fabuleux Destin d'Amélie Poulain, 「アメリ・プーランの素晴らしい運命」)は、2001年4月に公開されたフランス映画である。パリのモンマルトルを舞台に、主人公アメリ・プーランの少し奇妙な日常と恋愛物語が繰り広げられる。フランスで国民的大ヒットを記録し、2001年カルロヴィヴァリ国際映画祭グランプリを受賞した。ストーリーだけでなく、セットや登場人物のファッションにもこだわりが溢れており、可愛らしい魅力で女性に人気が高い映画である。また、ジャン=ピエール・ジュネ監督ならではのユーモアや登場人物たちの独特のキャラクターが面白く、根強い人気が続いている。アメリは、モンマルトルのカフェ「ドュ・ムーラン」で働いていて、作戦を立てて周囲の人にちょっとした幸せをプレゼントするのが楽しみだった。そんなある日、捨てられた証明写真の収集を趣味とするニノに出逢って一目惚れをするが、不器用なアメリはなかなか直接会う勇気が持てない。骨がもろい病気を抱える「ガラス男」のレイモンに勇気をもらったアメリは回りくどい作戦を立てるのをやめ、現実に立ち向かう。, 元教師である母親アマンディーヌと、冷淡な性格の元軍医である父親ラファエルに育てられたアメリ。冷淡な父親ラファエルとの関係は希薄であり、父親に触れられるのは月に一度の検診の時だけだった。触れられることに慣れていないアメリは、検診の度に心臓が大きく鼓動を打った。アメリの心音を聞いた父親は、アメリの心臓が悪いのだと勘違いして学校に登校させず、アメリは他の子どもたちと遊ぶ機会を失ってしまう。勉強は、母親のアマンディーヌに厳しく教えられていた。遊び相手は、アメリ自身の空想の中の住人だけである。そしてある日、母親アマンディーヌは、大聖堂寺院から落下してきた自殺者に衝突して亡くなってしまう。このような子供時代を送ったためか、アメリは想像力豊かな反面、コミュニケーション不全な子へと育っていく。, 22歳になると、アメリは実家を出てアパートで一人暮らしを始めた。元サーカス団員が経営するモンマルトルのカフェ「ドゥ・ムーラン」で働く。オーナーのマダム・シュザンヌ、従業員のジーナやジョルジェット、売れない小説家イポルトや嫉妬深いジョゼフ等、個性豊かな面々に囲まれて平和ながらも穏やかな日々を送っている。アメリはクレーム・ブリュレの表面をスプーンで割ることや、サン・マルタン運河で石の水切りをすること等が好きで、そのような自分なりのひそかな楽しみもあった。ある日、ダイアナ妃の事故死のニュースに驚いたアメリは、香水瓶の蓋を落としてしまう。そして、香水瓶の蓋が転がってぶつかった先のタイルの中から小さな箱を見つけた。中に入っていたのは、誰かが子供時代に隠した宝物だった。スポーツ選手の白黒のブロマイドや古びたおもちゃ等、ずいぶん年季のはいった宝物である。誰のものか調べて持ち主に返してあげようと思い立ったアメリは、アパートの管理人のマドレーヌ・ウォラスからある男の子が40年前にこの部屋に住んでいたという情報を聞き出す。, アメリは食料品店のコリニョンの両親から40年前に住んでいたのは「ドミニク・ブルドトー」という人物であると知らされる。「ドミニク・ブルドトー」という名前の街の住人を、次々と尋ねるが探している本人は見つからない。ある日、アメリと同じアパートの住人であるレイモン・デュファイエルに、「ブルドトー」ではなく「ブルトドー」だと教えられる。レイモンは、骨がガラスのようにもろく、何かを握っただけで骨が崩れてしまう病気を患っているため「ガラス男」と呼ばれていた。彼はアメリにシナモン入りのホットワインをくれ、自分が描いたルノワールの絵の模写を見せてくれた。こうして、二人は仲良くなる。周囲の人の協力によって持ち主のブルトドーを探し出したアメリは、街の公衆電話に宝箱を置き、ブルトドーが通りかかった瞬間を狙って公衆電話を鳴らして宝箱に気づかせるという作戦を決行した。運良く、大人になったブルトドー本人に箱を返すことに成功したアメリは「初めて世界と調和が取れた気がした」と感じる。この頃から、アメリは人に幸せを与えることに喜びを見出すようになった。アメリは、実家の庭のドワーフ人形を父親に内緒で世界旅行させ写真を家に送ったり、戦場へ行ったまま帰らない夫の手紙を待ち続けるマドレーヌには、捏造した夫の返事を送り幸せな気持ちにさせたりした。ジョルジェットとジョゼフの恋のキューピットになったのもアメリである。また、盲目の老人に街の様子を楽しそうに言葉で伝えながら道案内をしたり、時には意地悪な八百屋のコリニョンをこらしめたりもする。これらをアメリが仕組んだことだということは誰も気づかないが、アメリはそれでも幸せだったのだ。, ある日、アメリに気になる男性が現れた。捨てられた他人の証明写真を収集する趣味を持つニノである。証明写真機の前でしゃがみこむニノを目にしたアメリは、一目惚れをし大きく心臓を高鳴らせた。ニノは、突然何かに気づいて走り出し、その際に証明写真のコレクションアルバムを落としてしまう。アメリは、落としたアルバムを返そうと走って追いかけたが結局、追いつかなかった。ニノの置き忘れた証明写真のアルバムを手に入れたアメリは、様々な作戦を立てて返そうとする。しかし、ストレートにアプローチする勇気のないアメリは、謎のメッセージを作って送ったり遠回しにヒントを与えたりすることしか出来ない。公衆電話にニノを呼び出して電話口でヒントを与え、遊園地の中の舗道に矢印を書く等し望遠鏡まで導いて、ニノがその望遠鏡を覗くとアルバムが見つかるという仕掛けを作る等の奮闘の末、ついに、アルバムを返すことは出来た。その中に、怪盗の仮面をかぶったアメリ自身の写真を入れておいた。しかし、まだ直接会って話す勇気が出ない。ガラス男のレイモンは、直接的なアプローチが出来ないアメリを心配し、ルノワールの模写の中の女性にアメリを投影しながら、「他人の幸せを考えるのはいいが、自分の人生に向き合えているのか」と助言した。, ニノは、アルバムに入っていた送り主の写真を頼りにアメリを探し回った。そして「ドゥ・ムーラン」にニノを呼び出すことに成功したアメリは、ニノにアルバムに入れたアメリの写真を見せられ「君だ」と言われるが緊張のあまり首を振って否定してしまう。困ったアメリは、ジーナに頼んで自分の住所を書いたメモをニノの上着のポケットに入れてもらう。こらしめたはずのコリニョンはまたリュシアンをいじめ始め、せっかく結ばれたジョルジェットとジョジェフは仲違いしてしまう等、少し上手くいかなくなったアメリに追い打ちをかけるように、ニノとジーナが一緒に出掛けたことをジョゼフに知らされる。しかし、ジーナは帰り道にニノと話をし、アメリにふさわしい男性かどうかをことわざクイズで試しただけだった。ジーナの家の家訓には「ことわざを知っている人に悪い人はいない」とあるからだ。, そして、ようやくニノはアメリのアパートに辿り着く。アメリは、部屋に同居人である「ガラス男」のレイモンからビデオメッセージが設置されていることに気づいた。ビデオには「おまえの骨はガラスのようにもろくない。思い切って人生にぶつかっても大丈夫だ。もし、おまえがこのチャンスを逃したら、時は過ぎ、おまえの心はわしの骨のように、すっかり乾いてもろくなってしまう。さあ、彼の元へ行きなさい」と話すレイモンが映っていた。一度は、部屋に入れることを拒んだものの、レイモンの言葉に背中を押されたアメリはついにドアを開け、自分からニノの首筋や顔にキスをする。直接、現実と対峙することを恐れていたアメリだったが、勇気を出したアメリはニノと結ばれた。, アメリ・プーランは、1973年9月3日18時28分32秒に受精し、9カ月後に誕生した。冷淡な父親のラファエルと、神経質な母アマンディーヌに育てられる。軍医である父親に心臓病と勘違いされたことで、学校に行かない子供時代を送ったため、空想の世界に逃避するようになり、想像力豊かな反面、コミュニケーションが不得意な女性に成長した。好きなことは、豆袋に手を突っ込むこと、クレーム・ブリュレの表面をスプーンで割ること、石で水切りをすること。1人暮らしを始め、モンマルトルのカフェ「ドゥ・ムーラン」で働くようになる。ある日、ダイアナ妃の交通事故死のニュースに驚き香水瓶の蓋を床に落としてしまったが、フタが転がった先のタイルの裏に箱を発見する。箱は、この部屋の昔の住人であった少年が隠したらしく、おもちゃやブロマイドが入っていた。箱を持ち主に返すことを決意したアメリは、八百屋のコリニョンの両親から「ドミニク・ブルドトー」という人物の宝物であるという情報を聞く。情報を頼りに3人のドミニク・ブルドトーを訪ねたが、なかなか本人は見つからない。同じアパートに住むガラス男のレイモンから、「ブルドトー」ではなく「ブルトドー」だということを教えてもらい、本人にたどり着くことが出来た。アメリは直接渡すことはせず、電話ボックスに箱を置きブルトドーが通りすがる瞬間に離れたところから電話をかけ、電話ボックス内にブルトドーを誘導し、箱を見つけさせることに成功する。ブルトドーの喜ぶ姿を見て、他人を幸せにする行為に喜びを見出すようになった。その後、妻の死から自分の世界に引きこもるようになってしまった父、八百屋の店主のコリニョンに意地悪ばかり言われているリュシアン、愛人とともに南米に逃げてしまった後交通事故死した夫を思い続けているマドレーヌ等、街の人に幸せを与える行為を続けた。駅のスピード写真機に捨てられた証明写真を収集する癖のあるニノに一目惚れしてしまう。ニノが落としていった証明写真のアルバムを返そうと、あらゆる作戦を立てて行動するも、奥手なアメリは自分の姿を見せることを拒んでしまう。ニノとの縁が切れてしまいそうになるが、ガラス男のレイモンから「彼の元へ、行きなさい」というビデオメッセージを贈られ、勇気づけられたアメリはニノを部屋に迎え入れる。こうして、二人は恋人として結ばれることとなる。女優オドレイ・トトゥが演じた。主演映画『エステサロン/ヴィーナス・ビューティ』がフランスでヒットした。『アメリ』出演後は『ダヴィンチ・コード』のソフィー役を演じたことで有名である。, ニノ・カンカンポワは、スピード写真機で捨てられた証明写真を収集することが趣味。昔は、人の笑い声を録音したり、足跡を収集したりしていたという過去があり、特殊な趣味を持つ男である。少年時代はクラスメイトにいじめられていた。孤独を感じていたニノは、アメリが兄を求めていたのと同じように妹を求めていた。夜警やサンタのコスプレをするアルバイトを経験している。現在は、アダルトグッズのショップで働き、水曜日は遊園地のアトラクションで骸骨役のアルバイトをしている。ニノは、いたるところの証明写真機に写真を残していた男を目撃して追いかけるが、その時、証明写真のコレクションのアルバムを落としてしまう。アルバムを拾ったアメリからモンマルトル公園に来るようにとメッセージが届き、公園の地面に描かれた矢印を辿って、行きついた先の双眼鏡をのぞくと、アメリがアルバムをニノのバッグにしまっていた。様々なメッセージやヒントを送ってくるアメリのことが気になりはじめ、アメリからの指示通りに行動するが、アメリはなかなか面と向かって会ってくれない。アメリの同僚であるジーナからアメリの自宅の場所を聞いて、家を訪れるがアメリは出てこなかった。一度は帰ろうとしたものの、また引き返したニノは、ちょうどニノを探しに出ようとしていたアメリと玄関でばったり会った。俳優・映画監督として活躍するマチュー・カソヴィッツが演じた。父親は映画監督ペテ・カソヴィッツである。1990年頃から長編映画を撮り始め、1995年にはフランスのスラムに住む若者を描いた映画『憎しみ』が大ヒット。セザール賞、カンヌ国際映画祭監督賞を受賞した。, ひとめぼれにもレシピがある。 材料は顔見知りの二人、互いの好意を絡ませてよく混ぜる。一丁上がり, J'Y SUIS JAMAIS ALLE(行ったことがない)/Yann Tiersen(ヤン・ティエルセン), LES JOURS TRISTES(INSTRUMENTAL)悲しい日々/Yann Tiersen(ヤン・ティエルセン), LA VALSE D'AMELIE( アメリのワルツ)/Yann Tiersen(ヤン・ティエルセン), COMPTINE D'UN AUTRE ETE:L'APRES MIDI(過ぎし夏の歌:午後)/Yann Tiersen(ヤン・ティエルセン), L'AUTRE VALSE 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