自分は最も早くてデビュー日or紅白に出場するのであればそのタイミングかなと思ってますが、病名がわかっていない以上それ以上は見当も... 乃木坂46の白石麻衣と生田絵梨花が 作曲:布袋寅泰 作詞︰岩里祐穂. tvドラマ「悪夢ちゃん」の主題歌. そしてどこまでもつづく空のもとで (かーなこぉー×8) 自由になりたい (うりゃおい×32) 1 2 and 3 4 5,Get Up,Stand Up,Free Your Soul. 「じぶん」という名の愛を知るために Out of these, the cookies that are categorized as necessary are stored on your browser as they are essential for the working of basic functionalities of the website. 勇気の声をふりしぼれ
↑↑ももクロ【サラバ、愛しき悲しみたちよ】はこちら↑↑ ももいろクローバーzが2012年、nhk紅 白の初出場を果たしました! 全力で、口パクに頼らず歌って踊る姿が最 高ですよね。 さて、そんなももクロのメンバーは5人 レッド・百田夏菜子(ももたかなこ) Oh-Ho Do it now, Ah-Ha Dig it, Dig it 山川啓介作詞の歌詞一覧ページです。歌詞検索サービス歌ネットに登録されている「山川啓介」作詞の歌詞の曲目一覧を掲載しています。哀愁夫人,愛のエンターテイナー,愛の子守唄,愛の神話,愛の休日,会うのは明日,青いイナズマ,青いスミレとスカーフ 歌ネットは無料の歌詞検索サービスです。 Oh-Ho Do it, Do it France, Belgium, Denmark, Sweden, Czech Republic, Estonia, Malta, Germany, Luxembourg, Greece, Finland, Slovakia, Latvia, Romania, Italy, Spain, Austria, Hungary, Lithuania, Bulgaria, Netherlands. そんなに早く終了すると悲しいです( ; ; ), ママ友との会話で旦那が工場勤務とか土方は嫌だよね〜って話題になりました。そのママ友には言っていないのですが旦那が土方仕事をしています。 80年代の見せ方で可愛く見せられる?? ルーブル美術館の来館者密度指標の開発(IEEE Pervasive Computing), 5. で、「さらば、愛しき悲しみたちよ」の歌詞をもうちょっと見てみると、至る所に2項対立が鏤められている事に気が付きます。(行くの/行かないの?、言いなよ/言えない‥‥みたいな)。 毎朝ゆっくりと新聞を読みながら、朝食にコーヒーとクロワッサン(cruasan)を取るひとときが何よりも幸せと感じる、地中海都市バルセロナ在住の建築家。, バルセロナ市役所やカタルーニュ州政府へ視察希望のかたは、先ずはコチラをご覧下さい。, 昨年末、ハーバード大学デザイン大学院(GSD)では、ハイライン(ニューヨークの歩行者空間プロジェクト)に関する展覧会を開催していました(2018年12月20日まで)。, 当ブログの読者の皆さんは既にご存知かとは思うのですが、一応、わたくしcruasan、欧米では歩行者に関するビックデータやAI分析、歩行者空間計画のスペシャリストということになっていて、いま現在、世界のどの都市でどんな歩行者空間計画が行われているかについては、それなりに把握しているつもりなんですね。そんな僕の目から見て、ニューヨークのハイラインはバルセロナのスーパーブロックと並ぶ「世界2大歩行者空間化プロジェクトと言っても過言ではないかな、、、」と、そう思っています。, そんな訳で、ニューヨークを訪れる際には必ず現場を歩き回り、街中の何処にどんな公共空間が立ち現れ、それらの空間が市民生活にどの様な影響を与えているのかを注意深く観察してきた訳なのですが、「ハイラインに関する展覧会がうちの近所で始まる!」と聞いたからには行かない訳にはいきません。, という訳で、この展覧会のオープニングセレモニー(11月14日)から、その後の連続レクチャーなど、なにかと足を運んではこのプロジェクトの新しい側面を発見したりして、ここ数週間は非常に楽しい毎日を送らせて頂いていました。, で、何回か訪れる内に、どうやら今回の展覧会の背景には「ハイラインがなにかしらの賞を受賞したらしい」ということが分かってきてですね、、、11月14日に行われたセレモニー(事実上、これがオープニング・セレモニーだったのですが)では、Field OperationsのJames Corner and Lisa Tziona Switkinやディーラー&スコフィディオ(Elizabeth Diller and Ric Scofidio)、そしてニューヨーク市役所の関係者の方々などが登壇者として招かれ、Diane Davisさん(現ハーバード大学デザイン大学院アーバン・プランニング&デザイン学科長)のオープニングスピーチで授賞式の幕が上がりました。で、何気なくその言葉を聞いていてビックリ!, 「えー、この賞は優れた公共空間デザインに対してハーバード大学が与えるもので、過去の受賞者にはバルセロナ市なんかがいます、、、」, 「え、え、あ、あれ、、、いま、バルセロナって言った???っていうか、この説明、、、どっかで聞いたことがあるような、、、ないような、、、」, この賞の正式名称は「Veronica Rudge Green Prize in Urban Design」と言うらしいのですが、これがなんと、我々が普段呼んでいる「バルセロナのアーバンデザイン賞」だということが発覚してしまったのです!, ←多分この記事を読んでる99%の方々は、いったい僕が何を言っているのか、さっぱり意味が分からないと思いますので、ちょっと解説をします。, 「バルセロナの専門家」と呼ばれる人達がバルセロナ関連の論文を書く際、その冒頭(イントロダクション)で良く引用するフレーズが幾つかあります。例えば、「(RIBAに関して)それまでは個人にしか与えられていなかった国立英国建築家協会賞(RIBA)が初めてバルセロナという都市に贈られた」だとか、「都市デザインと都市戦略の質という点において、我々(ロンドン)は多分、アムステルダムやバルセロナに20年は遅れている(リチャード・ロジャース)」みたいな。, その中で必ず引用されるのが、「バルセロナの公共空間計画は、1987年にハーバード大学から都市デザイン賞を授与された」っていうフレーズなんですね。, いままで我々はこの「ハーバード大学から贈られた賞」っていう箇所にはあまり注意を払ってこなかったんだけど、、、つまりは、「あー、そういう賞があるのねー」くらいにしか考えてなかったんだけど、今回のハイラインの件を通して、どうやらそれが「Veronica Rudge Green Prize in Urban Design」だということが判明してしまったのです!, ←いや、別にそんなことが分かったからって日本の読者の皆さんにはさっぱり関係無いかとは思うのですが、少なくとも、岡部明子さんと阿部大輔さんだけは興奮していることだろうと想像します(笑)。, さて、ここからが今日のメインテーマなのですが、今日のお題は一言でいうと「先週、新しい論文を発表しました!」です。その名も:, とあるジャーナルに投稿した論文をarXivにアップロードして発表しました(原著論文はコチラ)。, ←えっっと、多分、「arXivとはなにか?」という所から説明を始めた方が良いかと思うのですが、と言うのも、建築・都市計画・まちづくり系の研究者の方々にはあまり馴染みがないかも知れないからです。, arXivとは(一言でいえば)「掲載前の論文をみんなでシャアするサイト」、、、かな(もちろん合法。運営はコーネル大学)。コンピュータサイエンスやバイオロジー系、最近だとディープラーニングみたいに大変ホットな領域なんかだと、「誰が一番早く論文を出したか」っていう時間との戦いになってしまうことが多々あって、雑誌に投稿した後の「レビュー期間」というのは非常に「あたまの痛い期間」だと言わざるを得ないんですね。と言うのも、論文がレビューされている間に、他のグループが同じ様なアイデアで論文を書いて、もっと良いジャーナルに掲載してしまったりだとか、自分達が提案している手法が既に他のグループによって実証されている事実を知らずに、ひたすら時間とお金を掛けて初期テストをしていた、、、なんてことが多々あるからです。, ←レビュー中の論文というのは他のジャーナルやウェブに掲載されることが殆どないので、いま現在、どこの誰がどんな論文を投稿してレビューされているのかなどを知ることは大変難しい状況だと言わざるを得ません。その様な状況を少しでも緩和しようという意図で提案されたのがarXivというシステムなんです。, ←(ここからは僕の勝手な見解なのですが)科学というのは基本的に「シャアの世界」だと僕は思っています。もちろん「競争」という側面もあるんだけど、それ以上に「既に分かっていること」、「分かっていないこと」を明確にした上で、先人達が築き上げてきた「分かっていること」の上にホンの少しだけ新しい知見を築き上げること、これが科学の基本コンセプトだと思うんですね。, ←だからこそ、いま現在、世界の何処で誰が何をやっているのか、どんなことが既に試されていて、どんなことが達成されているのか(もしくはいないのか)を知る事がこの上なく重要になってくるんです。逆に言うと、世界のどっかの誰かが既にやったこと、実証してしまったことをもう一度やる、、、というのは科学的には非常にナンセンスだと僕は思います(再現性を確認するという意味ではアリ)。, ←だからこそ学術論文においては「文献レビュー」という作業が必ず必要になってきてですね、、、それを行なった上で、「じゃあ、我々のチームはこういうアプローチでこういう問題を扱っていこう」という基本方針を決めることが出来るからなんですね。ただ、大変残念なことに最近はそこの部分をしっかりとやっていない学術論文を数多く見掛けます。僕に言わせればそれらは「論文」ではなく「感想文」だと思います。, ←感想文という形式はそれはそれで1つの非常に価値ある文章の形だとは思いますが、学術論文とは違います。, さて、その様な、長—い査読期間によって失われるであろう時間とお金のロスをなるべく避けようという目的のもと生み出されたのがarXivというシステムであり、投稿中の論文や投稿前の論文をアップすることによって、今この時点での科学的知見やアイデアを、「なるべくリアルタイムに近い感覚でみんなでシェアしよう」というコンセプトな訳です(注意:科学者と呼ばれる全ての人達がそうする訳ではありませんし、arXivについては賛否両論あります)。, と言う訳で(繰り返しになってしまいますが)今回発表した論文はarXivバーションであり、ジャーナルに最終的に掲載されたものではないことをここで断っておきます。, さて、今回発表した論文で僕達がやろうとしたこと=「リサーチ・クエスチョン」はなにかと言うと、それは「コンピュータの目には、建築家のデザイン的な特徴はどのように見えているのだろうか?」ということであり、「それら機械の目で見た時の建築家のデザインの特徴と人間の目(歴史家や批評家)との間には一体どのような違いがあるのだろうか?」ということに尽きます。, 良く言われるようにディープラーニングが引き起こしたブレークスルーというのは、画像に写り込んでいる物体を認識させる為の特徴量の抽出を「自動化した」ということだと思います。逆に言えばそれまでは全て人間が入力しなければならなかったということなのですが、例えば「この写真に写っているのは猫だよー」ということを機械に教える為には、猫の特徴である「猫には耳が2つあり、、、ヒゲがあり、、、毛で覆われていて、、、」みたいなことを1つ1つ挙げていき、それらを全て機械に教える必要があったんですね。, しかしですね、ディープラーニングにおいては、そのような特徴量を機械が勝手に認識して抽出し、学習しながら自分の知識に変えていくことになります。, 例えば、安藤(忠雄)さんの建築の特徴は(1)「打ち放しコンクリート」、(2)直方体や三角形など「厳格な幾何学を用いて」、、、みたいなことが挙げられるかと思うのですが、それらは全て「我々人間の目から見た安藤建築の特徴」なんですね。, ←当然ですよね、我々人間が人間の目で見て判断している訳ですから。そしてそこには常に我々の先入観や事前知識、視覚以外の五感に由来する感覚などが含まれています(そして建築ではそれらが非常に重要だとも考えられています)。それらを全て考慮した上で総合的に判断したものこそ、現在我々が知るところの「建築の歴史」となっている訳なんです(というか、僕はその様に理解しています)。, しかしですね、もしかしたら安藤建築の大量の写真をAIに見せてトレーニングしてみたら、彼ら(機械)は我々人間の目では気が付かなかった特徴や、我々の目には見えない「なにか」に注目することによって、「この建築は安藤建築だ」と認識するかもしれません。, ←この「かもしれません」というところがポイント。こういうのは実際にやってみないと分からないからです。もしかしたら機械はそういう判断をするかもしれないし、しないかもしれない。もっと言っちゃうと、これをやったからと言って、何かの役に立つのかどうなのかはサッパリ分かりません。, もしかしたら「やっても無駄」な場合だって多々あります。でも、分からないからやるんです。何かしらの発見があるかもしれないから挑戦するんです。, もし役に立つことが分かっていたり、お金儲けが出来ることが分かっているんだったら、それは我々アカデミックの分野にいる人間がやることではないと僕は考えています(個人的に思っているだけです)。そういうことは、他の領域にいらっしゃる方々がされれば良いことだと思うんですね(繰り返しますが、僕が個人的にそう思っているだけです)。, 我々アカデミックの分野にいる人間、大学の研究者というのは、「役に立つかどうか分からないこと」、「なんだかよく分からないけど直感が働くもの」、そういうことに取り組むのが我々の仕事だと僕は理解しています。だから僕はいつも言います。この様な研究は「やってみた系」だと。, という訳で、取り敢えずやってみることに。まずはデータを揃えなければならないので、プリツカー賞を受賞した建築家を中心に、35人くらいの建築家を選び出し、各々の建築家毎にサンプル写真をグーグルから取得、更に個人的に今まで撮り溜めた建築写真も含め、合計約20,000の写真を用意しました。それをトレーニングデータと評価データに分けて、いよいよ実験開始です!, 、、、と思った矢先、いきなり壁にぶち当たってしまいました。。。まあ、最初から分かっていたことではあったのですが、近代建築や現代建築の分類は思ったほど簡単ではありません。, 歴史的な建築っていうのは比較的簡単に機械に教え込むことが出来ます。何故なら(良く知られているように)柱や柱頭、窓などに「建築オーダー」と呼ばれる特徴的なデザインが施されているので、それらを機械に教えてやれば良いだけのことなんですね。, その一方で、近代建築や現代建築には基本的に装飾が付いていません(まあ、ある意味、装飾を排除することで発展してきたのが近代建築や現代建築だと言うことが出来るのですが)。また、往々にしてそれらの建築は四角い箱であることが多いし、なにより近代建築、現代建築の大きな特徴の1つである「空間」というのは「物体そのもの」と言うよりは、柱とか壁、天井といった幾つかの空間エレメントに囲まれた結果現れてくるものだと思うんですね。, もっと言っちゃうと、「写真に映り込んでいる物体」という観点で見た場合、「柱」や「壁」というエレメントは、建築である限りどの建築家がデザインしたものであろうと、そう大して変わらないはずです。柱は柱であり、壁は壁ですから。では何処に違いが現れてくるかというと、それら各エレメントの構成や光の取り入れ方、配置や材料なんかによって、その後に立ち現れてくる「空間」にデザイン的な差異が現れてくる訳ですよ。, ←つまりは画像認識技術を考慮した場合、一般的に用いられている「オブジェクト・ベースのアプローチ」では、うまくいかないんじゃないか、、、と、そう思う訳です。, 今回、道標になったのはアートの世界でやられていることだったのですが、、、というか正確に言えば、「アートの世界でやられている」というよりも、「コンピュータサイエンティスト達がアートに関してやっていること」なのですが。。。, 実はですね、アート(特に絵画に関しては)、機械によるアーティストの分類という試みが結構やられていて、それこそ「この絵画はピカソだ」とか、「これはルノアールだ」なんていうのは、既に世界中で色んな研究者が成果を発表していたりします。, しかしですね、ちょっと考えてみれば分かる様に、彼らがぶち当たったであろう難問も僕達が直面していることと本質的には同じなんですね。というのも、ピカソが描いた絵画には「ひまわり」が写ってることもあれば、ゴッホが描く絵画にも「ひまわり」が写っていたりするからです。つまりは画家の分類も「オブジェクト・ベースではうまくいかないんじゃないか、、、」ということが直ぐに分かる訳ですよ。, 絵画(アーティスト)に関する画像分類の世界では、その難問を「デザインスタイルにまでレベルを上げてやることによって解決」しています。分かりやすいところで言うと、ゴッホの筆使いなんかは非常に特徴的なので、その画像を大量に集めてきてAIにトレーニングさせてみる、、、とそんな感じです。ちょっと前に話題になったレンブラントのプロジェクトなんかでは、大量のレンブラントの画像を通して、レンブラントの画法(筆使い、構成、色使いなど)をAIに習得させていました。, これらは全て、「オブジェクト・ベース」ではなく、「スタイル・ベース」で機械をトレーニングして、それによって分類しています。, 「おおお、そうかー!じゃあ、そういう方向で考えてみようかな、、、」というのが、今回の論文の基本方針です。, ←まあ、とは言っても、建築の場合はそんなに簡単ではなく、まだまだ「道半ば」という感じです。今回の論文ではこの辺の考え方やコンセプト、そして実装して得られた「取り敢えずの結果(preliminary resultsと言います)」を纏めて論文にしました。使ってるアルゴリズムや計算式なんかは実際の論文を見てもらうとして、下記ではどんな感じで結果が出たかを簡単にご紹介しようと思います。, 今回、我々が得ることが出来た結果は大きく分けて2つ。1つ目はGrad camと言って、機械の目が建築デザインのどの辺りを見て、その写真の特徴を掴み出し他の建築家のデザインと差異化したかという部分です。その例がこちら:, 上の例はアルヴァ・アールトの図書館なのですが、AIはこの写真を0.39の確率でアールトだと判断しています。その次にゲーリー(0.28)が来て、その次に坂茂さん(0.21)、そしてチュミ(0.11)という順番になっています。, では、どうしてAIはこの画像をアールトだと判断したのか?ヒートマップの感度を見てみると、AIは天井の丸窓を見ていることが分かります。ゲーリーや坂さんの画像においても、AIは天井に注目していることが分かるんだけど、それはゲーリーや坂さんのデザインの特徴が天井の丸窓っぽいものを創り出しそう、、、もしくはそういう傾向がありそうだとAIが判断したからです。と、まあ、こんな感じで、最近のAIは「機械がどこを見ながら判断したのか」をヒートマップとして示してくれるというところまできています。, そしてこの論文で僕達が示したもう1つの結果(preliminary result)がこちらです:, 機械の目から見た時の建築デザインの分類(クラスタリング)なんですね。クラスタリングにはPCA(主成分分析)を使っているのですが、理屈としてはこんな感じ:何万枚という写真を使って我々がトレーニングしたAIは、「ノーマン・フォスターに特化」とか、「アルヴァロ・シザに特化」とか、インプットとして示された画像を分類出来るようにトレーニングしてあります。ディープラーニングで良く使われる指標であるaccurary(正確さ)は73%であり(つまりはどんな画像を放り込んでも、73%くらいの確率できちんと建築家を分類してくれる)、客観的に見てこの数字は非常に良い数字と言えるかと思います。, ちなみに一番成績が良かったのはチュミで90.4%、第2位はライト(87.7%)、第3位はカーン(87.6%)でした。, さて、我々はここで「アルゴリズム、アルゴリズム」と言っている訳なのですが、じゃあ一体、「そのアルゴリズム(モデル)とは具体的にはなんなのか?」と問われれば、それは結局「数字の羅列」なんですね。その数字の羅列が「シザ」に最適化された感じで並んでいたり、「フォスター」に最適化された形で並んでいたり、、、と、そんな感じのイメージを持って頂ければ大丈夫だと思います。, 各々の建築家に特化したモデルが「数字の羅列」で与えられているということは、定量化出来るということであり、比べられるということです。では、どういう風に比べるのか?「各々の建築家がどれくらい似ているのか、もしくは違っているのか」—これがクラスタリングという手法なのです。, で、上の図が「機械の目から見た時の建築家のクラスタリング」なのですが、ここには既に幾つか面白いグループ分けを見る事が出来ます。先ずは右下のグループ:フォスター、ロジャース、ピアノが1つのグループに囲まれているのが見えるかと思うのですが、この三人の作風は「テクノ建築」として知られています。, また、もう1つの例としては、左下の方に「ライトと普通の家」のグループがきちんとクラスタリング出来ていることに気が付きます。このグループもそれなりに納得が出来るクラスタリングだと思うのですが、というのもライトがプレーリーハウスというスタイルを確立し、それが合衆国の郊外型ハウジングのモデルになったことは良く知られた事実だからです。, と、まあ、こんな感じでこの図を見ていると、色々な想像力を掻き立てられるのですが、まあ、とにもかくにも僕達がこの論文で示したかったことは、「機械の目で見た時の建築デザインの分類の可能性」です。上述した様に、「機械の目」は視覚情報以外のものからはなんの影響も受けません。「鉄骨が出てきた背景には、他産業の影響があって云々」とか、「シザの建築はアールトの有機的な影響を受けていて云々」とか、そういうことは全く関係がないのです。, 建築史家や批評家の方々からすれば、「そんなの片手落ちじゃないか」と言われるかもしれませんし、それはそれでごもっともなご意見だとも思います。だから僕達は、今回我々が示した事がいままでに確立されてきた分析手法を覆すだとか、「それらに取って代わる」なんてことはこれっぽっちも思っていません。, そうではなく、視覚情報だけに頼った建築デザインの分類というのは、いままでの伝統的な分析手法とはまた違った可能性を我々に見せてくれるのではないか?そしてそれらは伝統的な分析手法と補完的な関係性が築けるのではないかと、そう思っています。, 何度でも繰り返しますが、我々がやっていることが社会の役に立つか、もしくはなんの役にも立たないのか、それは分かりません。 分からないからやるんです。いままで誰もやったことがないから挑戦してみるんです。その結果、なんの役にも立たないことが分かっても、「あー、そうか」と、そう思うだけです。その時はまた何度でもやり直せばいいだけの話。, と言う訳で、この研究路線はいま始まったばかりであり、これから数年掛けて色々な研究者の方々と協働することによって発展させていこうと、そう考えています。まあ、取り敢えずここに記念すべき世界初の試みが発表出来たという訳で、今週末はコーヒーとクロワッサンで乾杯しよう。, 当ブログの読者の皆さんは既にご存知だとは思うのですが、実は僕、2010年以来ずーーーーっと、ルーヴル美術館と緊密なコラボレーションを展開しておりまして、その結果がこちらだったりします↓↓↓, 地中海ブログ:博士の学位を頂きました:建築家である僕が、コンピュータ・サイエンス学部でPh.Dを取った理由, っていうことを書くと、「えーーー、cruasanって毎日カフェでコーヒーとか飲んで、適当にコメントする人じゃなかったの?」とか、「えーーー、cruasanって、モナリザとか見て「あー、きれいな絵だなー」とかいい加減なこと言ってる人じゃなかったの?」とかいう人達がたくさん出てくるんだけど、いま正にそう思ったそこのあなた、地獄に堕ちてください(笑)。, まあ、でも、当ブログの適当なコメント加減を見ていれば、そう言いたくなるのも分からないでもない、、、かな(笑)。, さて、上に書いたように今回はルーヴル美術館に「滞在」してきた訳なんですが、これはどういうことかと言うと、実は2016年から「ルーヴル美術館リサーチ・パートナー」という役職を頂戴しておりまして、その立場でお仕事をしてきたという訳なんですね。, そーなんです!なにを隠そうわたくしcruasan、実はルーヴル美術館の「中で働いてる人」っていう分類なんです!, 「ええええー、そんなこと可能なの?」とか思ったそこのあなた、はい、人間に不可能はありません(笑)。出来るかどうか、先ずはやってみればいいんです。可能かどうか、聞いてみればいいんです。で、もしダメだったら、それはその時に考えればいいだけの話。, という訳で2010年くらいから何ヶ月かに一度の割合でルーヴル美術館を訪れては館内に滞在しつつ、センサーのセッティングをしたり、位置を変えてみたり、はたまたフィールドワークをしたりということを繰り返してきたのですが、今回の滞在でふと気が付いたことがありました:, という訳で今回はズバリ、「ルーヴル美術館の舞台裏について、中の人しか知り得ない情報を書いてしまおう」と、そう考えています。題して、「ルーヴル美術館の舞台裏、潜入リポート」でーす!, パリが誇る世界一の美術館、ルーヴル美術館のシンボルと言えばガラスのピラミッド、その真下が美術館への入り口になっていることは多くの方々が知っている通りだと思うのですが、中で働いている我々スタッフの出入り口が何処にあるのかを知っている人はあまりいないのでは、、、と思います(っていうか、ルーヴルを訪れる日本人の99.9%は観光客なので、そんなこと知らなくても全く問題ないんですけどね)。, この柵を超えてスロープを下って行くと入口に辿り着きます(中に入るにはIDが必要)。, ちなみにこの鉄格子を挟んだ前の通りがフランス政府文化庁(みたいなの)になってて、ルーヴル美術館のアドミニストレーション関連部署は数年前までここの3階に入っていました。そしてもう一つの入り口がこちらです:, ガラスのピラミッドからナポレオン広場のアーチを潜ってSully翼へと抜けて行きます。, ↑↑↑ちょうど僕が滞在している期間中はSully翼の中庭にルイヴィトンがパリコレの舞台を作っている最中でした。このガラスの箱の中をモデルさん達が歩く、、、みたいな感じになるらしい。, で、ここを抜けるとカルチェラタン方面へと通じる裏道になっているんだけど、セーヌ川へ出る直前、左手側にひっそりと佇んでいるこの扉こそ、いま僕が働いているオフィスへの通用口となっているんですね。もちろん中へ入る為にはID(フランス警察からの許可書などに基づいたもの)が必要で、入口は厳重な警備がされている&上階へはエレベータでしか上がれない仕組みになっている為、観光客や一般の人達が入るのはほぼ不可能となっています。, ←この警備の厳重さ加減には正直ビックリしました。っていうか、かなりひいた(苦笑)。で、この入り口をはいって上階へ登ったところに展開しているのがこの風景:, じゃーん、本邦初公開のルーヴル美術館のオフィスでーす。とっても長—い廊下(笑)。丁度真ん中に位置しているエレベーターから見ても、行き止まりが霞んで見えそうな勢いです。, この長—い廊下の両側に天井の高—い部屋が幾つもくっ付いているのですが、ルーヴルってもともと王様の宮殿だったので、いまの時代の我々(平民)が慣れ親しんでいる部屋割りとはプロポーションが全く違ってですね、、、まあ、なんやかんやと不都合が出て来る訳ですよ。, 例えば、ルーヴル美術館は建物自体がユネスコの世界遺産に登録されている為に、部屋の中をいじることがほぼ不可能という状況だったりします。そうすると、壁や天井裏をいじることが出来ない為に、夏は暑いからといってエアコンとかが設置出来ない訳なんですね(苦笑)。, ←今年の夏は特に暑かったので、「夏場はどうだった?」って同僚に聞いたら、「仕事どころじゃなかった、、、」と、、、(笑)。そりゃ、そうだろうね!, さて、ルーヴル美術館で働いている我々スタッフには、専用のインフラが用意されていて、例えば、日々の食事なんかはどうしているかというと、ピラミッドの地下に社員食堂みたいなのがあったりするんですね。, ビュッフェ形式なんだけど、これが結構本格的で、こういうところを見ると、「さ、さすが美食の国、、、」とため息をあげざるをえません。で、最も驚くべきがその値段なんだけど、例えば今日のランチで僕が選んだのが、前菜(サラダ+生ハム)、メイン(魚のポワレ+ジャガイモのムース)+デザート(チーズの盛り合わせ)+カフェ+飲み物だったんだけど、そのお値段、なんと3ユーロ(350円)!えええええ、僕の朝食代(コーヒー+クロワッサン)より安い(笑)。, ←同僚に聞いたところ、フランスでは会社に社員食堂が併設されている場合、社員の昼食代の何パーセントかを会社が負担しなければならない、、、みたいな法律があるらしい。, ←さらに雇用形態(国家公務員、インターンなど)や役職(部長、平社員など)によって、各自が負担しなきゃならない割合が違ってくるらしい。もちろん下にいくほど安くなる仕組み。, ←これ、全部同僚に聞いた話。毎日みんなでランチしてたから、フランスの社会保障制度などの大変込み入った話なんかを色々と聞いてしまった。, ランチの話が出たので、今度は朝食のお話を。地下鉄を乗り継ぐこと30分、オフィスに着いてから僕が毎朝一番にやっていること、それが仕事前の一杯のコーヒーです。で、僕のお気に入りのカフェがこちら:, じゃーん!デノン翼の2階に入っているMollienカフェ。このカフェ、一般には毎日9:45分から開いてるんだけど(ルーヴルの開館時間と同じ)、午前中はテラス席は開放されていません(テラス席は12時からです)。, そんな中、ルーヴル職員という特権を活かして9:15分頃に職員専用口から入って、9:30分頃から誰もいないこちらのカフェのテラス席でエスプレッソを楽しむのが何よりの楽しみ。, この風景を眺めながら美味しいコーヒーを飲んでいると、「さあ、今日も頑張るぞ!」という気になります(ボストンでいつも飲んでるアレは、コーヒーじゃないな、、、ということを再確認。なんだかよく分からないけど、「黒い水」、、、かなw)。, ちなみに午後の休憩に僕が良く使っているのが、リシュリュー翼の2階に入ってるこちらのカフェです。, 先ほどのMollienカフェと丁度正反対に位置しているこちらのカフェは、ちょっと格式が高いっぽい(きちんとしたテーブルセットが並んでる室内のカフェ)なので、いつもは午後のコーヒー用に使ってたんだけど、先日たまたま日本からのお客さんと一緒にこちらでランチしてたら、その中の一人のかたが:, とか言われてて、、、もちろん僕は何も知らず、、、「え、アンジェリーナってなんですか?」って感じだったんだけど、どうやらモンブラン発祥のお店ということで日本ではかなり有名なんだとか。という訳で、良い機会だったので幾つか頼んでみることに:, で、食べてみた感じ、おおおおお、こ、これは、、、「大変美味しゅうございます!」ちなみに僕が試した中では、エクレアがとっても美味しかった。, 今回の滞在ではセンサーをちょっといじくってセッティングを少し変え、その上で館内全域にてフィールドワークを実施したんだけど、パソコンを片手に歩き回る僕の姿はかなり異様だったことと想像します。, げんに何人かの来館者の方には、「あ、あなた、一体なにやってるの?」と声を掛けられ、見回りのスタッフには散々怪しまれました(もちろん、IDを見せれば納得してもらえる訳なんですが)。, こんなに怪しまれながらも、僕はこんなことを一体何の為にやっているのかというと、それはズバリ、「館内を訪れる来館者の方々の美術鑑賞の環境を少しでも良くしよう」と、博物館内の環境データを必死になって集めている訳なんですね。, 逆にいうとこれは、ルーヴル美術館の来館者環境がそれほど悪化している、、、ということの裏返しでもあります。ルーヴル美術館に一度でも足を運んだことがあるかたはお解りだとは思うのですが、年間来場者数が800万人を超え、1日の来場者数が2万人を超える名実ともに世界No.1の博物館ですから、館内の混雑度といったら、我々の想像を遥かに超えている訳なんですよ。例えばこちら:, 言わずと知れたモナリザなんだけど、この作品の前には朝から晩まで常に5重、6重の人垣が出来ていて、美術鑑賞なんてレベルのお話では全くない訳です。, ミロのビーナスの状況も酷いし、サモトラケのニケなんてもう「アイドルのコンサートか!」と思うくらいだったりします(苦笑)。この様な環境を少しでも改善する為、あらゆるところからビックデータを取得して解析してみたり、AIを使ってパターン抽出をしてみたりと、我々は日々模索している訳なんです。, で、実はここにはもう1つ大きな問題が潜んでいて、それが博物館や美術作品のメンテナンスをどうするか、、、という問題だったりするんですね。これだけ多くの来館者の方々が美術館に押し寄せてきてしまうと、個々の作品を修復するとか、少し劣化してきた壁の色を塗り替えるとか、その様な日々のメンテナンス作業さえ困難になってきてしまう訳です。, そこでルーヴルが去年あたりから導入したのが、各セクションを曜日ごとに閉鎖するっていうアイデアだったりするのですが、これはこれで厄介な問題を引き起こしつつあります。, 例えば、現在ルーヴル美術館では水曜日がエジプト部門、木曜日はフランス部門の一部を閉鎖しているのですが、つい先日も僕が展示室の椅子に座っていたら、僕が付けているバッチ(ID)を見た来館者のかたが:, 「あのー、ちょっとお伺いしたいんですが、せっかくナポレオンの部屋を見に来たのに、今日はお休みって、どういうことですか?」, さて、これら曜日ごとの閉鎖に加えて、ルーヴル美術館が館内全体でメンテナンスを行う日があります。それが毎週火曜日です。, その日ばかりは、いつもは混み合っているガラスのピラミッドの周りにも殆ど人がおらず、非常に穏やかな雰囲気に包まれているんですね。そんななか、館内はどうなっているかというと、実は館内スタッフの動きが一番慌ただしくなるのが火曜日だったりします。, なぜなら週に1日しかないこの日を使って1週間の汚れを落としたり、壊れた箇所を修繕したり、はたまた作品の修復をしたりと、普段はおっとりしているスタッフの皆さんも、この日ばかりは真剣そのものだったりするからです。, かくいう僕も、来館者の皆さんがいないこの日のうちにやらなければならないこと、この日じゃなきゃ出来ないことが山ほどあり、火曜日ばかりは朝からゆっくりとコーヒーを飲んでる場合じゃあなかったりします。, こんな天地がひっくり返るほど大忙しの火曜日なのですが、我々スタッフにとって一番幸せで、「ここで働いていて良かった」と、そう思える瞬間を迎えられるのも火曜日だったりします。その理由がこちらです:, そう、誰もいない博物館。美術作品を独り占め出来る時間、、、我々スタッフにとってこれほど嬉しいひと時はありません。普段は来館者で溢れ返ってるイタリア・ギャラリーも火曜日だけはこんな風景が広がっています:, この回廊はもともと、王様の息子たちが狩りの練習などをして遊んでいた回廊だったらしいのですが、いまではレオナルド・ダ・ヴィンチやラファエロなど、ルーヴル美術館の中でも超人気スポットとなっています。普段はお祭り騒ぎのサモトラケのニケも火曜日だけはこんな感じ:, 誰もいません。ガラスのピラミッドのデザインと共に、この美術館の改修を担当したI.M.ペイ氏は、「サモトラケのニケという作品を空間的にどうドラマチックに持っていくか、フォーカスしていくかに最も心を注いだ」と、後にそう語っています。まさにその真意が垣間見える瞬間です。, 普段は来館者の姿で視線が遮られてしまうダル・ギャラリーからサモトラケのニケを見通してみます。, 荘厳な大階段の頂上に、あたかも天上界からの光が指すかのような、そんな演出が大成功しているように見受けられます。そして今度はこちらです:, ルーヴル美術館で1,2を争う人気作品、ミロのビーナスです。ピラミッドから入ってSully翼を抜けエジプト部門のスフィンクス、そしてそこから続くギリシャ彫刻部門は館内でも最も混雑する回廊として知られていて、そのクライマックスにあるのがこのミロのビーナスだったりするんですね(上の写真)。それが火曜日にはこうなります:, 静寂が支配する空間です。「美術鑑賞ってこういう風にするべきなんだよなー」という当たり前のことを思い出させてくれます。そして来館者の姿がないからこそ、ミロのビーナスのベストショットを見つけることも出来ちゃったりします:, 来館者がいては絶対に撮れない一枚、アテネ象を始めとする数々のギリシャ彫刻の隙間から、あちら側にミロのビーナスを見通すパースペクティブです。, モナリザです。ルーヴルの代名詞といっても過言ではないモナリザの部屋は、人垣が5重、6重に出来てしまっていて、絵画を鑑賞する、しないどころの話ではありません。, 多分、この瞬間、僕は世界で一番幸せなひと時を過ごしている人間、、、とそう言うことが出来るかもしれません。モナリザを独り占めしているのですから。, 昨日まではあんなに小さかった絵画が、いまはこんなに近くにあります。そして写真ではなく本物をこんなに間近で見られる幸運。筆使いの1つ1つまで、はっきりと見分けられるほど、近くに寄ってじっくりと鑑賞できる喜び。, 芸術鑑賞とは、一人一人が作品と真に向かい合う時間のことを指すのだと、今回の滞在ではっきりと再確認することが出来ました。そして僕たちがやっていること、日々格闘していることは、一人でも多くの来館者の方々に、このような素晴らしい美術体験、博物館体験をしてもらい、一人でも多くの方に美術や芸術を通して心豊かになってもらうこと、幸せになってもらうことなのです。, 07/07/2019-07/09/2019、ルーヴル美術館で開催された「ビックデータと美術館」と題する国際ワークショップで基調講演をしてきました。「AI、ビックデータ、美術館」というキーワードで世界的な潮流を作り出していこうという意図のもと企画された今回の国際ワークショップ、ルーヴルを始め、地元からはソルボンヌやマルセイユ大学、英国からUCLなど、この分野で頭角を現し始めているリサーチャーが集まっていました。, パリ滞在は半年ぶりな上に、ノートルダムの大火災後初のパリ訪問だったので、とりあえず大聖堂がどんな感じになっているのか、真っ先に観に行きました。これが現在の姿です:, 大型クレーンなんかも何台も動いていて、かなり大規模に修復工事が進められています。もうちょっと近づいてみます:, 伝統的な石造りの様式と、繊細な線で構成されている足場などが相まって、これはこれで良い感じのデザインじゃないのかなー、、、とか思ったりして。, ただ、今回の火災の為に、現在は内部は立ち入り禁止でした。ここの内部空間はパリ建築の中でも必見なので、それだけは非常に残念!, そこから歩いてカンファレンスが行われるルーヴル美術館へ。朝8時くらいに館内へ入って、終わって出てみたらもう20時だった(涙)。, だた、パリにおけるこの時期の20時ってまだまだ明るくて、日本の夕方っぽいので夜はまだまだこれから、、、っていう感じかな。ガラスのピラミッドも夕日に照らされて、幻想的ですらあります。, そこから歩いて15-20minくらいのところにあるポンピドゥー・センターへ。個人的には、ここからの眺めが一番好きかな:, 今回ルーヴルが取ってくれたホテルが、パンテオンの近くで、「な、なんでかなー?」とか思ったら、2日目のミーティングがどうやらソルボンヌ大学(パンテオン・ソルボンヌ)であるからだということが判明。, 歴史ある大学だけあって、構内のデザインも歴史を感じさせます。そして今回のパリ滞在で僕が一番驚いたのがこちらです:, じゃーん、言わずと知れたジャン・ヌーベルのカルティエ財団なのですが、なんとなんと、来週から始まる「樹木の展覧会」の為に、樹木が至るところに植えられて、それが街路の樹木と相まって、まるで建築が消えているかのような、そんな幻想的な風景がここには立ち現れています。, これは、、、ちょっと面白いぞー。もともとこの建築のエッセンスは、ガラスとガラスの間に建築を置くことによって、その存在を消す、、、みたいなところにあると思うのですが、内部に樹木を植えることによって、それがファサードに映り込み、さらにその映り込みが街路の樹木のものなのか、内部のものなのか、そのインタラクションによって建築が一段と消えている、、、と、そういうことが出来るかと思います。, 今月号の「建築雑誌」に「まちづくりにおけるAIの可能性:建築家にとって科学とは何か?」と題した記事を書かせて頂きました。, AIブームの真っ只中、連日メディアを賑わせているAI(人工知能)なのですが、僕がいるMITは世界的に見てもAIの中心地であり、AIに関するテクノロジーが次々に生み出される聖地の一つと見做されています。, つい先月も、AIに関する新しい研究所を創設するという発表をしたばかりで、今後10年間でIBMが260億円相当の投資をするそうです(興味のあるかたはこちらのリンクをどうぞ)。でも、僕がもっと驚いたのは、IBM側からこの話を持って来てそれをまとめたのが、友達(MITで僕が初めて知り合ったアメリカ人で、それ以来最も親しい友人の一人)のお母さんだったことかな(笑)。創設記念講演会&パーティーに行ったら、「cruasan君—」みたいに声を掛けられて、「あー、A君のお母さんじゃないですかー。お久しぶりですー。」って立ち話をしてたら、どうやら彼女が今回のキーパーソンだったことが判明(驚)。「そ、そっかー、そういうこともあるかなー」っていう嘘のような本当の話ww, そんなこんなでうちのラボにもそれこそ毎日のようにAI目的の来客が絶えなくって、その度に「AIとまちづくり」というテーマでお話をさせて頂いているのですが、最近「ハッ」と気が付いたことがあります。それは、「世間一般のAIのイメージが二極化していること」なんですね。特に建築や都市計画に携わっている人に限って言うと、AI=(1) 自動運転、(2) 碁、(3) AIに職を奪われる悲観論、みたいな感じで綺麗に分かれると思います。で、もう少し勉強している人になってくると、ここにBIMみたいなのが入ってくる、、、という感じでしょうか。, 別に僕はこの状況を批判しようとか、それが悪いと言ってる訳では全然なくて、逆にデータサイエンスからかなり遠いところにいる建築や都市計画、都市デザインの方々がAIやIoTに興味を示してくれるだけでも、それはそれでかなり嬉しい状況だとは思うんだけど、AIやIoTの可能性はずっと幅広くて、もっともっと色んなことが出来る、、、と、そうも思っています。, 今回僕が書かせて頂いた記事は、その様な可能性を抽象的な議論ではなく、具体的に進んでいるプロジェクトとして出来るだけ分かりやすく日本の方々にお伝えしようと思い書いてみました。そしてその発刊と同時に、MITで僕が関わっている、AIを駆使した「まちづくり系のプロジェクト」の一つ、Treepediaのデモを神戸市を事例に作ってみたというオマケ付きですw, このプロジェクトの本質は、「都市の何処にどれだけの緑や植栽が存在しているかという情報をビックデータとして収集、分析すること」です。, 今更言うまでもないことですが、都市におけるグリーンインフラというのは、生活の質を測る非常に重要な要素の一つとなっています。ゆえに何処の都市でも「緑被率」みたいなデータを持ってはいるのですが、伝統的にこのようなデータは市役所の方々や調査員の方々が紙と鉛筆を持って都市内を歩き回り、手作業で地道に一つづつ木の位置を確認していく、、、という手法が用いられてきたんですね。もしくは空から都市を捉えた航空写真を使って、「あ、この辺は緑が多いな」とか確認するのが典型的な手法だと思います。, しかしですね、人の手に頼っていると、手間暇が掛かり過ぎる上に、サンプル数が非常に限られてきてしまいます。反対に、航空写真は空から撮った写真なので、我々が都市を実際に歩いて感じる印象とは全く違った風景データとなってしまいがちなんですね。いま必要とされているのは、歩行者目線で見える風景を、ビックデータとして収集する技術であり、その為に我々が編み出したのが、AIを使ったデータ収集法なのです。, この技術がどうなっているかを簡略的に説明すると、まずはOpen Street MapからStreet Networkを土台に調査区域を区切ります。そのエリアからStreet Networkに沿って撮られた写真(Google Street Viewにアップされている写真)を収集します(テクニカルに言うと、だいたい何処の都市もGoogle Street Viewでカバーされているので、都市部だったら大抵のところからは写真を持ってこれる状況となっています)。また、Google Street Viewの良いところは、Google Carに搭載したカメラで写真を収集しているので、カメラの位置がほぼ歩行者目線だというところです。それらの写真を収集しつつ、今度はニューラルネットに「その写真に一体何が写っているのか?」を教え込みます。, 最近のコンピュータというのは非常に面白くて、彼らは一度教えると、そのあとは勝に学習して賢くなっていくんですね。例えば、「この写真に写ってるのは車だよ」とか、「これは空だよ」とか教えてやる訳です。その上で、そういうサンプルを何千枚と見せてやる。そうすると、認識率がどんどんと上がっていって、最終的には写真に写っているものをきちんと判別出来る様になる訳です。, 我々の場合は、「この写真に写っているのは「木だよ」」と教えてやる訳です。その上で、先ほどネットから入手した都市の写真を放り込んでやると、位置情報付きの都市の緑被率マップが自動的に出来上がると、そういう仕組みになっています。, もちろん実際はこんなに単純ではないし、現場ではもっと泥臭いことをやっていたり、色々と違うコードを試したりしているのですが、基本的な方向性はこんな感じかなー。で、出来上がった生データがこちら:, オレンジ色の線に見えるところが、今回のデータ解析に使った写真が撮影されたポイントです。街路に沿って何万という撮影ポイントが帯を成し、それが街路を形成しているのが見て取れます。, Google street viewは写真データを常にアップデートする為に、年間を通してカメラ搭載車両(Google Car)を走らせています。故に、都市によって写真が撮影された時期が違ったりするんですね。ということは、例えば1月に撮った写真を使った場合と、7月に撮った写真を使った場合とでは、緑被率にバイアスが掛かってきてしまいます。1月は7月に比べて葉っぱが少ないですからね。それを確認する為に、「何月に取られた写真をどれくらい使ったか?」という結果も自動的に出るようにしました:, この手法の良いところは、世界各国の都市間での緑被率が科学的に比較出来る点にあります。また、AIにやらせているので、一度設定すれば、あとは勝手にやってくれたりします(とは言っても、まだまだ手間暇は掛かりますが、、、将来的には全自動洗濯機のように、全て自動化する方向で我々は動いています)。 これがこのプロジェクトの概略であり、建築雑誌の短い記事には書き切れなかった追加情報です。, さて、こんな感じでMITではAI全盛期を迎えているのですが、そんな環境にどっぷりと浸かっている僕が最近思うことが以下の2点;, 1つ目は、今後の建築・都市計画界隈とAIやIoTをめぐる環境について。これはもう、きっぱりと二極化すると思うのですが、AI(人工知能)やデータサイエンスを使える研究室、企業、もしくは建築事務所と、それらが全く使えない・導入出来ないところとでは圧倒的な差が出てくるだろうということです。, 何度でも書きますが、AIやIoT全盛期における我々建築家の一番の問題点は、建築家はデータを扱うことやコードを書くことが苦手な職種だということに尽きます(地中海ブログ:博士の学位を頂きました:建築家である僕が、コンピュータ・サイエンス学部でPh.Dを取った理由)。こう書くと、「じゃあ、外注すればいいじゃないか」という声が聞こえてきそうなのですが、データというのは自分の手で触って分析しているうちに、「あー、こうなっているのか」とか「あー、こういう可能性もあるんだな」と、段々と分かってくるものなので、その過程を外注したり、そこだけコンピュータサイエンス学部の人達とコラボしても、それは片手落ちにしかなりません。, その間に立てる人材が世界的に見ても圧倒的に不足していて、これから20年くらいは、そういう人材に世界の投資が圧倒的に集中する状況となって来るだろうし、もう既にその兆候は見え始めています(日本ではどうなっているのか知りません)。, 2つ目は、リベラルアーツに代表される基礎教養が益々重要になってくるだろうという点です。僕は2011, 2014年とMITに滞在する機会を得たのですが、その時はIoT全盛期でした。どこもかしこもIoT、つまりはセンサーだったんですね。まあ、僕の目から見ればIoTというのは、全てのモノをデータ化する技術であり、そこから得られたビックデータを解析する技術がAIやディープラーニングだったりするのですが。。。, で、今回(2017年)来てビックリしたのは、あれから3年も経ってないのに、MITの学内の雰囲気がガラッと変わっていたことでした。いまでは右を見ても左を見てもAIだらけです。, このように技術というのはものすごいスピードで変わっていきます。MITの凄いところは、そんな目まぐるしく変わりゆく技術だけを教えるのではなく、その環境に対応する為の教育を何十年も前から行っている点なんですね。そしてその教育方針こそが、MITを世界最高峰の工学系大学にしているエッセンスだと僕は思うのですが、この話をし出すと長くなるのでまた今度。今回は問題を少し簡略化して、そんな環境の中において建築家である僕が「なぜ今日まで生き残ってこれたのか?」と問うてみることにします。, それはですね、うわべの技術を追い掛けるだけではなく、「その時々の技術革新に合わせた適切な設問を作り出すことが出来ているから」だと、僕は勝手に自己分析しています。そして「そういう設問を、案外みんな作れないんだなー」ということに最近気が付きました。, それは僕のプロフェッショナルキャリアの最初期に、大変質の高い論客たちと、それこそ夜が更けるまで散々議論出来たこと、バルセロナという公共空間の中で、都市問題を「体験として」自分の中に蓄積できたことが大きいかな、、、と、そう思います。, この辺りのことやMITのリベラルアーツ教育については、以前のインタビュー記事に掲載されているので、興味のある方はこちらをどうぞ(下記は抜粋です):, 「僕がバルセロナに行った2001年というのは、イグナシが立ち上げたプログラムや彼の影響力が非常に強く残っていて、バルセロナがヨーロッパの知のハブとして機能している時期でした。いまとなっては大御所になってしまった、サスキア・サッセン(Saskia Sassen)やデヴィット・ハーベイ(David Harvey)、ジョン・アーリ(John Urry)などは頻繁に来ていましたし、マニュエル・カステル(Manuel Castells)はバークレーからバルセロナに戻って来ている時期でした(地中海ブログ:サスキア・サッセン(Saskia Sassen)のインタビュー記事:グローバルシティというアイデアは何処から来たのか?)。マスタークラスの同級生には、のちに『俗都市化—ありふれた景観 グローバルな場所(昭和堂)』を出版することになるフランチェスク・ムニョス(Francesc Muñoz)がいましたし、「ジェントリフィケーション」という聞き慣れない現象を熱く語っていたニール・スミス(Neil Smith)とは、夏のあいだ頻繁に飲みに行っていました。, MITの教育方針を見ていると、単に科学技術の知識を詰め込むというよりは、それらを使う人間や社会への問いの方に力を入れている感じがしてなりません。つまり、単に街角にセンサーを取り付けて終わりというのではなく、我々の社会の基盤となっている人間への根源的な問いを通して、我々の創造力・想像力の可能性と限界を模索しているかのようなのです。技術ありきではなく、先ずはそこを深く掘り下げているからこそ、科学技術の限界とその可能性への探求といったアプローチが出てくるのではないでしょうか。」, 先週木曜日(08/17/2017)、観光客で溢れるバルセロナの中心街ランブラス通りにワゴン車が突っ込み、死者13人、負傷者100人以上を出す大惨事が起こってしまいました。その数時間後、今度はバルセロナから車で1時間ほど南下したところにあるリゾート地、カンブリス市(Cambrils)にて同様の事案が発生し、警察は5人の容疑者を射殺。また、バルセロナから内陸へ車で1時間ほど行ったところにあるビック市(Vic)にて関連すると思われるワゴン車が見付かっており、警察は今回の事件を周到に準備されたテロと断定し捜査を進めています。今回の事件は、2004年に191人が犠牲となってしまったマドリードの列車爆破テロ以降、スペインで最悪の犠牲者を出す結果となってしまいました(地中海ブログ:東さんの「SNS直接民主制」とかマニュエル・カステル(Manuel Castells)のMovilizacionとか)。, 事件の詳細については日本でも各種メディアが取り上げているので、そちらを見て頂くこととして、当ブログではそこには出てこない情報や、僕の観点から見た今回の事件の背景などを少しメモ代わりに書き留めておこうと思います。, 先ず僕がこの第一報を聞いたのは、ボストン現地時間の木曜日のお昼頃のこと、TwitterにLa Vanguardia紙の緊急ツイートが流れてきた時でした。その時はMITの研究室にいて、とあるプロジェクトのミーティング中だったのですが、この事件の異常性に直ぐに気が付き、そのミーティング中もずっとEl Pais紙とLa Vanguardia紙のホームページを眺めていたんですね。, その時点では(つまりは事件発生から30分後)、La Vanguardia紙は「テロリストによるもの」という報道をし、El Pais紙は「テロかどうかはいまだ不明」としていました。個人的に(そして多くのスペイン在住の知識人達もそうしていると思うのですが)、新聞記事の質としてはEl Pais紙の方が他のどの新聞よりも圧倒的に上な為、El Pais紙の報道状況を見た上で、その事件の詳細を判断する様にしています。, 事件当初の報道では、犠牲者は2人であり負傷者も少数という感じだったのですが、時間が経つにつれ、その数がどんどんと増えていき、最終的に13人にまで膨れ上がりました。また事件の動画が次々とアップされるに従い、今回の事件がかなり大規模であることなどが分かってきたんですね(日本とは違い、スペインでは死者や負傷者などもモザイクを入れることなく新聞社のサイトにアップされます)。またこの時点では、「ボケリア市場で銃撃戦があった」だとか、「犯人は人質をとって近くのバルに立てこもり中」だとか、とくかく様々な憶測や情報が錯綜していた状況でした。, これらを一番最初に耳にした時、僕が思ったことは、「何かおかしいな」という違和感でした。というのも、「なぜこの時期にテロ?しかもランブラスで?」と思ったからです。, 実はバルセロナでは先々週から空港のセキュリティ会社が断続的なストを敢行していて、先週の月曜日からはそのストが24時間体制で行われていたんですね。当然バルセロナ空港は大混乱に陥り、その緊急対策としてスペイン警察が多数補助に入っているという状況でした。つまりは「通常よりも多くの警察がバルセロナ近郊に待機している」という状況だった訳です。勿論、このことはテロリスト達も承知していた訳で、「そんな状況でテロなんてやるかな?」と思ったんですね。, 空港がストをしている関係で、街中(特にランブラスなど)には通常よりも多くの観光客が集まりやすい、、、ということは確かに言えるかもしれなくて、そうするとテロリスト達にとっては好都合(より多くの人を殺傷することがテロの目的の一つだとするならば)だったかもしれないけれど、ランブラス大通りには通常モードでも十分過ぎるほどの観光客が集まっているので、そこに少しぐらい観光客が増えたとしても、そんなに影響力は変わらないんじゃないか、、、と思います。, それよりも、バルセロナ近郊に通常よりも多くの警察が配置されているということの危険性の方が、彼らにとってはより重要なのではないか、、、つまりはそんな状況の中で、「なぜ彼らは今この時期にテロをしなければならなかったのか?」、別の言葉で言うならば、「彼らには今テロを実行しなければならない、何か別の理由があったのではないか?」、というのが、僕が最初に感じた違和感でした。, そしてもう一点。なぜ犯人達はランブラスを狙ったのか?確かにランブラスはバルセロナの観光名所の一つであり、上述した通り、特別イベントの有無に関わらず、常時「歩行者でごった返している」ということを考えると、テロの標的としてはこの上ないとは思います。しかし、それだったらサグラダファミリアの方が効果的なのでは、、、とか思ったりする訳です。メディアの見出し的にも「バルセロナのランブラス大通りでテロ」よりも、「サグラダファミリアでテロ」の方がインパクトがありますからね。, 更に不可解だったのは、その後犯人達が逃げたルートが、北ではなく南だったという点について。事件発生から数時間後には犯行グループの一人が使用した車が、バルセロナ郊外のSant Just Desvern(ボフィールのWalden7の前あたり)で見つかっています。ここから分かることは、犯人グループは南へ逃げようとしていたという事実です。普通、バルセロナでテロなどを起こしたら、逃げ道としては南ではなく北を選ぶのが妥当なんじゃないかなー。確かにアンダルシアからモロッコへという道もあるだろうけど、フランス国境を経てヨーロッパへという経路の方が逃げ延びる可能性があるのでは、、、とか思うんですね。, これら3点が僕がこの事件を聞いた時に瞬時に感じた違和感でした。そしてそれらの違和感は、今日(日曜日)のEl Pais紙とLa Vanguardia紙を通した報道を見るに付け、色々と腑に落ちる状況となってきています。, 先ず今回の事件の主犯格は、な、なんと、Ripollのイマーム(イスラム教の指導者の意味)だという報道がされています。カタルーニャ、もしくはスペインの歴史を少しでもかじったことがある人なら、「Ripollのイマームかー」と言う感じでしょうか。。。, 彼の表の顔は、近所にも評判が良いごくごく普通のイマーム。しかしその裏の顔は、イスラム過激派に属していた人物だったそうです。その彼が、地元の若者数名を洗脳し、テロリストへと仕立て上げていったのでは、、、、というのが現在の警察の見方です。今日の新聞にはそれら若者の家族のインタビュー記事などが掲載されていたのですが、家族は全く何も知らなかったこと、そんな仕草さえも全く見せなかったことなどが強調されています。, そしてそのイマームは度々南の方に旅行に行っていたらしく、カタルーニャとバレンシアの国境付近に位置する人口1万人弱の小さな村、アルカナー村の一角にあるアパートを1年ほど前から占拠していて、そこが今回のテロリスト達のアジトだったということが分かってきました(テロが起こるまで、そこを占拠しているのが一体誰なのかは誰も知らなかったし、そんなことは村の住民も気にもしていなかったそうです)。彼らはそこを爆弾などを作る実験室として使っていたそうなのですが、実は今週水曜日の夜にそのアパートが原因不明のガス爆発により吹っ飛んでいて、2人が死亡、1人が重傷を負っています。死亡した内の1人が、上述したリポイのイマームだと見られていて、警察がいまDNA鑑定などをしている真っ最中です。また、このイマームはブルッセルなどにも度々旅行に行ってることなどから、そこにも何らかの繋がりがあるのではと見られています。, ここまで分かってくると、冒頭で僕が感じた「違和感」にもかなりのヒントが示された気がします。, 先ず、「警察がウヨウヨしているこの時期に、なぜテロリスト達はテロを実行しなければならかったのか?」, それは、水曜日の夜の時点で、主犯格の男(つまりはリポイのイマーム)が不意の事故により死んでしまったからです。この事故はテロで使うはずだった爆弾を作っていて誤って爆発したと見られています。この事故によりリーダーを失ってしまったこと、そして時間が経てば経つほど、その爆発の詳細を警察が調べることにより、一年前から着々と準備していたテロとの繋がりがバレてしまうのでは、、、という焦り。, 上述した様に今回のテロは前々から周到に準備されたものだったことは間違い無いのですが、それが直前になって、「そうせざるを得なかった」という事情がどうもある様に思えるんですね。つまり彼らはいまこの時点でテロを起こさずにはいられず、それが計画性のない現場のドタバタ感に現れていると読むことが出来るのです。, そしてこのことが2点目の疑問にも答えを与えてくれます。「なぜ犯行グループはサグラダファミリアを狙わなかったのか?」。現時点で報道されている記事を読むと、犯行グループは「サグラダファミリアを当初からテロの標的にしていた」らしいのですが、水曜日に起きた事故によって彼らは仕掛けるはずだった爆弾を失っています。それが最終的にサグラダファミリアでの爆撃がなかった理由だということが分かってきました。, そして最後の疑問、「なぜ彼らは北ではなく南へ逃げたのか?」について。それには2つの可能性があって、1つ目は彼らの本拠地が南にあったからという点、もう1つは(上述した様に)「彼らの犯行はよく考えられたものではなく、行き当たりばったり感満載」だという点です。, 先ずバルセロナから市内を通らずに逃げる為には山側の環状線か海岸沿いの環状線を通って高速に乗るしかありません。しかし今回の事件が起こってからの警察の動きは素晴らしく、既に両環状線は封鎖されていました。, ランブラスを迷走した犯人はその後ワゴン車を乗り捨て、近所をたまたま走っていた車を止めて運転手を殺害し車を奪い逃走。Diagonal大通りを北上したのですが、そこを検問していた地元警察に尋問され掛かったところを強引に突破。近郊の町(Sant Just Desvern)で車を乗り捨て逃走しています。つまり犯人はDiagonalから南へ、もしくは内陸部へ逃げようと計ったのですが、この逃走ルートは果たして最適だったのか?という疑問です。これも「事前にあまり計画されず、行き当たりばったりで行われた」と考えれば合点がいきます。, 今回のテロでは、100名以上にも及ぶ被害者・負傷者が出てしまい、上述した様に2004年のマドリード以来の大惨事になってしまった訳なのですが、それでも様々な幸運が重なり、それは最小限に食い止められた、、、と言うことが出来るかと思います。当初の予定通り、サグラダファミリアが爆破されていれば、もっと多くの犠牲者が出ていたことは容易に想像出来ますし、今回の事件に爆弾が使われなかったことも不幸中の幸いだったと言えます。, それにも増して素晴らしかったのは、カタルーニャ警察とスペイン警察の迅速な対応です。また、日本では全く報道されていないし、その存在さえ知られていませんが、バスクの警察、Ertzaintzaが今回の事件に多大なる貢献をしてくれたことが大変大きかったと思われます。バスク警察のテロに対する知識と経験は確実にワールドクラスです(地中海ブログ:速報:バスク地方の独立を目指す民族組織ETAがテロ活動を永久に停止すると発表)。なんせ、長年ETAと戦ってきた実績がありますからね。そのバスク警察との連携により、今回の事件がかなり早い段階で解決できたことは強調してもし過ぎることはありません。, これが現時点で分かっていること、そして日本では報道されていない今回の事件の背景です。, 昨日(土曜日)、スペイン国王夫妻がバルセロナを訪れ、テロ現場や負傷者を訪問している姿が映し出されていました。また、今日(日曜日)はサグラダファミリアでミサが行われ、来週土曜日には「我々はテロには屈しない」という意味合いの、「なにも恐れない(No tinc por)」を合言葉に、市内を練り歩く大行進が予定されています。, そう、これがバルセロナの強さであり、バルセロナの底力なのです。 バルセロナの1日も早い復興を心から願っています。, 今回の事件でランブラスで犠牲になってしまった観光客は世界35カ国から来ていて、それ自体がバルセロナという街が如何にコスモポリタンな都市に成長したかと言うことを表していると思うのですが、その一方で、地元ではカタルーニャ州政府がカタラン人の犠牲者をスペイン人の犠牲者と別枠でカウントしていることが問題となっています。これはつまり、「カタルーニャは独立国家だ」と言いたいんでしょうが、この様な緊急事態に政治を持ち出すのはどうかな、、、と個人的には思います。もう一つちなみに、上述の空港のストですが、セキュリティ会社は「今回のテロで、早く家に帰りたい被害者の方々もいるだろうことを考えると、我々はストなどしている場合ではなくなった」という理由から、空港は通常モードに戻っています。, 追記2: