このように卵を食べる習性を「卵食性」と言いますが、動物全体で見てもかなり珍しいものです。, シロワニの子宮は2つあるため、一度に最大2子を産み育てることができます。 シロワニは体長3mほどのサメで、灰色の背中と白い腹をしています。. まあそれでもサメはサメなので危険なのですが、比較的温厚な性格なのでダイバーがシロワニを見に近くまで行ったり一緒に泳いだりなんてことも可能です。, どちらかと言えば夜行性で、昼は岩陰などでじっとして夜に採食活動を行うことが多いです。 それからも母親の子宮内に産卵される卵を食べて成長し、親の体内から出て来る頃には1mにまで成長します。 子宮内にいる期間はなんと9~12か月にも及び、その間の食べ物はどうしているのかと言えば、なんとシロワニの子は子宮内で共食いをして育つのです。, 子宮の中で一番最初に産まれたシロワニの子は、他の胎児や卵を食べて栄養を得ます。 子宮内で産まれた仔魚は他の仔魚や卵を食べて育ち、生き残れるのは子宮内で最も強い1匹だけです。, 仔魚は9~12か月ほどを母親の子宮内で過ごし、その間に1万~2万個もの卵が子宮内で産卵されますが全て仔魚のエサとなります。 そのおかげで出産直後でも体長1mの立派なサメであり、簡単に捕食者に食べられることはありません。, 卵食性は一見すると共食いしているような残酷な習性に見えます。 サメの一部は卵胎生という繁殖形態で、卵を体の外に産まず体内で孵化させてから出産します。. しかし卵をそのまま産んだところで結局生き延びられる子の数は増えないどころか、全て食べられてしまう可能性すらあります。 シロワニもそんな卵胎生なのですが、シロワニの子は孵化した後も子宮内にしばらく留まるという卵胎生の中でも珍しい習性を持っています。 この特殊な繁殖形態のため、シロワニは2年に1度しか繁殖活動を行えません。. シロワニは体長3mほどのサメで、灰色の背中と白い腹をしています。 今回紹介する生き物はシロワニ!! ワニっていう名前がついているが、見た目通りの立派なサメだ。 なんとこのシロワニは生まれてくる前に母親の子宮内で 共食いをするという。 いや、どんだけーw 生まれる前から戦いは始まっている・・・ 第4回 子どもにミルクやスープを与えるサメがいた! 第3回 共食いも胎盤も! サメは「繁殖様式のデパート」 第2回 300匹を妊娠!ジンベエザメの繁殖の謎に迫る; 第1回 被害数は史上最多に、いま危険なサメが増えている? これだけ聞くとサメの胎生との違いがいまいち分かりにくいですが、卵胎生は原則として「母胎から栄養の提供を受けない」というのが特徴です。 卵胎生は硬骨魚類、爬虫類などで知られていますが、彼らは基本的に元からついている卵黄だけを使って成長し、母胎から産まれてきます。 シロワニは多数の子を犠牲にしても2匹の子を立派に育てる選択をしているのです。, ちなみにこのシロワニ、サメにしては大人しくあまり人間を襲うことはあまりないと言われています。 サメの生殖方法には卵を産んでその卵から子ザメが産まれる卵生と、母ザメがそのまま子ザメを出産する胎生に大きく分かれます。だいたいサメは4割が卵生で6割が胎生です。ここでは、多様なサメの生殖についてタイプ別に紹介していきます。 まず、卵生のものは、ネコザメ科、一部のテンジクザメ目、ほとんどのトラザメ科が相当し、海中に卵殻に守られた卵を産み落とす。卵殻の形は種によって非常に特徴的で、よく水族館などで展示されているネコザメの卵はまるでドリルのようだ。, ところで、普通の魚(硬骨魚類)なら、メスが産卵したところに、オスが精子を放出して海中で受精させることが多いわけだが、サメやエイなどの軟骨魚類は交接器を持っており、受精が母体内で起きる。その点で、むしろ、「我々」に近い。卵生のものは、母体から切り離された卵殻の中で子どもが育つのだから、当然のごとく卵黄依存型だ。子どものお腹からつながった外卵黄嚢という袋(ヨークサック)に大量の卵黄を持っており、孵化するまでその栄養で成長する。, これは、卵が母体内にとどまりつつも、栄養的には卵殻の中の卵黄に依存して成長するタイプだ。いわゆる「卵胎生」のイメージに一番近い。サメの中の様々な分類群で、このやり方をとる種がおり、実はジンベエザメもそうだと今のところ想定されている。「台湾の写真」にあった300個体もの胎仔も、2つある子宮に分かれてぎっしり入っていた。ヨークサックの大きさが違うものが混ざってていたため、一度にではなく順を踏んで、連続的に排卵・受精が続いたと考えられている。, 考えてみたら、これまでぼくがサメの繁殖として理解していた、卵生と卵胎生というのは、ここまでで尽くされてしまう。しかし、実際には、サメは母体内で胎仔を保育するものがとても多いというわけだから、まだまだ先があるのだ。, ところで、ジンベエザメの子宮ってなんだろう? 「魚に子宮とは?」と違和感を抱いた。, 「サメの子宮というのは、もともと卵を輸送する輸卵管(ゆらんかん)の一部が変化したものです。硬骨魚類にも輸卵管はあるんですが、子宮とは言いません。胎生のサメに対して子どもを身ごもる場所として子宮と呼んでいて、サメの場合も、卵殻を排出するサメに対しては、子宮とはあまり言わず、やはり単に輸卵管です」, 人間を含む哺乳類にも輸卵管があり、子宮がある。ただし、進化の歴史の中で、サメとはかなり古い時代に分岐しているわけで、それぞれ独自に輸卵管を子宮に発展させたのだろうと想像がつく。, 2016年7月8日(金)から10月2日(日)まで、東京上野の国立科学博物館で「海のハンター展」が開催され、佐藤圭一さんが作成したホホジロザメの全身標本も展示されます。開館時間、休館日ほか、詳細は公式ホームページをご覧ください。, Q:おたふく風邪のワクチン認可は史上最速といわれていますが、その期間は次のうちどれでしょう。, こちらはバックヤードで飼育中のトラザメ。成魚でも最大50センチほどと小柄で愛嬌のある顔立ちをしている。, トラザメの仔魚と外卵黄嚢(ヨークサック)。中には栄養となる卵黄がたっぷり入っている。(写真提供:佐藤圭一), 佐藤さんの実験室。繁殖生理の研究には、解剖や組織の分析などは欠かせない。ほかではなかなか入手できないサンプルがたくさん保管されている。. このところ「サメに襲われた」というニュースをよく耳にする。2015年には日本でも目撃情報が相次いだ。だが、「怖い」というイメージのほかに、サメについて知る機会はとても少ない。そこで、頂点に君臨する海のハンターの素顔に迫るべく、世界屈指の研究所を率いる佐藤圭一先生の研究室に行ってみた!(文=川端裕人、写真=飯野亮一(丸正印刷)), 沖縄美ら海水族館は、日本のみならずアジアから多くの観光客が訪れる世界的な飼育展示施設だ。, 水族館を管理運営している沖縄美ら島財団は、総合研究センターなる組織を持っており、その中の動物研究室は、まさに日本のサメ研究の中心地である。, 「ちょっと異例なほど、うちはサメの研究者が多いんです。動物研究室にも、5人くらいサメに関わっている研究者がいますし、それと水族館の側にも研究者がいて、衛星タグを使ってジンベエザメを追いかけるような研究をやっています。我々の方は、ホルモンを調べたり、組織を調べたり、ですね。まあ、サメの生物体から生態まで、網羅するような研究室って、世界的にもあまりないです」, 外から見ると水族館にくっついてる研究施設のように見えつつ、その実、独立した研究機関であり、サメ研究では世界をリードしている。中心的なテーマは、サメの繁殖生理。4億年前には地球上に存在していたというサメが、どのような繁殖の仕方を開発してきたのか、その多様性を佐藤さんは、「繁殖様式のデパート」と呼んだ。, 「すべてとは言いませんが、あらゆる子どもの産み方がサメっていうグループの中には見られるんですね。こんな生物群は多分ほかにないと思いますね。やっぱり一番サメの繁殖で興味深いのは、親が子宮の中にいる子どもに対して、保育することです。その上、保育の仕方がすごく多様なんですよ」, 一昔前の知識なら、サメは卵生のものと胎生のものが両方いる、くらいでおしまいだった。胎生といっても、哺乳類とは違い、母体の中で守られつつも、卵殻の中で卵黄に依存して成長して、大きくなってから母体の外に出る「卵胎生」というものだろうと思われていた。しかし、世紀の変わり目から2010年代にかけて研究が大いに進み、むしろ、完全に卵黄に依存するタイプは少数派で、多くの場合、母体からなんらかの形で栄養を受け取っていることが分かってきたのだそうだ。おまけにそのバリエーションがものすごいのだという。, このあたり、知識をアップデートするためにも、佐藤さんに解説してもらいつつまとめていく。, 本誌でも「海のハンター」シリーズとして、2016年6月号で「イタチザメに会いたい」を、7月号で「ホホジロザメ 有名だけど、謎だらけ」を、8月号で「大海原の王者 ヨゴレはどこへ?」を特集しています。あわせてご覧ください。, Q:おたふく風邪のワクチン認可は史上最速といわれていますが、その期間は次のうちどれでしょう。. サメの一部は卵胎生という繁殖形態で、卵を体の外に産まず体内で孵化させてから出産します。 サメなのにワニと名前が付いているのはその昔サメがワニと呼ばれていた名残です。, シロワニは子が共食いをするワニとして有名です。 狩りの際には集団で連携して獲物を襲います。, 10月頃に繁殖期を迎え、交尾すると子宮内に産卵します。 また孵化した後も成長するまでは脆弱な存在であり、成熟するまで大きくなれる個体の数はそう多くありません。 いわゆる「卵胎生」のイメージに一番近い。サメの中の様々な分類群で、このやり方をとる種がおり、実はジンベエザメもそうだと今のところ想定されている。「台湾の写真」にあった300個体もの胎仔も、2つある子宮に分かれてぎっしり入っていた。 十分に育った仔魚は出産されると独立して生活を始めます。, 子宮は2つあるので、一度に2匹の仔魚を育てることができます。 シロワニの特徴. シロワニは子が共食いをするワニとして有名です。. 胎内のサメは卵をたくさん食べるため、子供のサメはお腹がぷっくりと膨れ上がる。 なかには衝撃的な方式もある。シロワニと呼ばれるサメは、未受精卵だけでなく、胎内で育っている兄弟のサメを食べる。母親のお腹の中でいわば”共食い”を行うのだ。 サメなのにワニと名前が付いているのはその昔サメがワニと呼ばれていた名残です。. マンボウなんて3億個の卵を産むのに成熟するまで生きていられるのは数匹しかいません。, シロワニは脆弱な卵~幼生の期間を安全な子宮内で保護し、立派に成長させてから出産しているのです。 シロワニは母サメが自分の胎内に産卵し、子ザメが孵化後に母体から生まれてくる卵胎生という繁殖形態をとります。 ただ、シロワニの場合は普通の卵胎生ではなく、 胎仔は他の卵や自分の兄弟姉妹を食べて大きくなる そうです。 卵生の動物で一度に産めるのが二匹だけと聞くと少なく思えますが、これはとても合理的な繁殖形態です。, 通常卵生の動物は卵を沢山産みますが、卵の状態はとても弱くその多くは捕食者に食べられます。