「カエルの歌が聞こえてくるよ」の歌い出して知られる童謡『かえるの合唱』。原曲は、19世紀ドイツの童謡『Froschgesang(フロシュ・ゲサング)』。, 一般的に、作詞:岡本敏明、作曲:ドイツ民謡と表記されることが多い。原曲の作詞者については、ドイツ国歌やドイツの童謡『ぶんぶんぶん』、『かっこう』などで知られる19世紀ドイツの童謡作家ホフマン・フォン・ファラースレーベンであることが判明している。, 原曲『Froschgesang(フロシュ・ゲサング)』のドイツ語の歌詞は後述する。日本語版については、原曲と意味はほぼ同じなので、作詞というより訳詞になるだろう。, かえるのうたが およそ日本に住む人のほとんど100%(外国人の方々は除く)が知っていて、かつ歌えるであろう、「かえるの合唱」。実は結構「謎」が多いんですね。, そもそも、「実はドイツの歌である」ということ自体もそれほど知られていないのですが、他にも様々な疑問が結構、ネットで取り上げられているのです。, 2.歌詞の最後、「XXXX クワックワックワッ」の部分。「ゲロゲロ」とか「ケロケロ」とかあるけど、結局何が正解なの?, 日本の童謡はもともと、外国曲が非常に多いんですよね。(まあ五線譜自体が西洋のものですしね。当たり前と言えば当たり前ですが。), それにしても「ドイツの人がカエルの合唱を知らない」というのは、私も驚きでした。なるほどな、と。, そこで調べてみたところ、それぞれの謎に対する解答を得る事ができたので一応まとめておきます。, 1.そもそも、「かえるの合唱」なの?「かえるの歌」なの?→ 「かえるの合唱」が正解です。, 2.歌詞の最後、「XXXX クワックワックワッ」の部分。「ゲロゲロ」とか「ケロケロ」とかあるけど、結局何が正解なの?→ 正式な日本語歌詞は「ケケケケ」です。, 3.本場ドイツの人が「知らない」って言ってるらしいけど、本当にドイツの歌なの?→ (少なくとも日本に伝わった当時は)確かにドイツの歌として伝わっています。, 4.オリジナルのドイツ語版も、カエルをテーマにした歌だったの?→ 日本語の歌詞は、「元の歌詞を翻訳した上で、歌いやすくするために少し変えた」ものですから、YESです。, 5.なんで「本場でマイナーな歌」が、日本でこれだけ有名なの?→ 「音楽教育上、極めて優れた歌になる」と当時の教育者が判断し、歌いやすい日本語歌詞にした上で、積極的に音楽教育に取り入れたからです。, 6.「元のドイツ語歌詞」が結構ネットに出回ってるけど、あれが正解なの?→ ほぼ合ってます。なお「ケケケケ」の部分は、aに点々(ウムラウト)が付いた, が正解ですが、ウムラウトが文字化けするために「kae」と表記しているサイトが多いようです。, 1.そもそも、「かえるの合唱」なの?「かえるの歌」なの?→ 特に議論の余地もないかと思います。, そもそも歌詞が「かえるのうたが~」で始まっている上に、特に小さな子供にとっては「合唱」より「うた」のほうが言いやすかったため、「かえるのうた」が「通称」として広まっただけの事で、正式な邦題は「かえるの合唱」です。JASRACにも、それで登録されています。, 2.歌詞の最後、「XXXX クワックワックワッ」の部分。「ゲロゲロ」とか「ケロケロ」とかあるけど、結局何が正解なの?→ 元のドイツ語歌詞が「ケケケケ」に近い音であり、日本語の歌詞もそれに準じて「ケケケケ」と訳詞(※)されました。, 従って「唯一の正解」をどうしても求めるのであれば、「ケケケケ」が正解、という事になります。(※: 一般的な歌の本では「作詞:岡本敏明」と書いてある事が多いのですが、JASRACの登録上は「作詞」ではなく「訳詞」となっています。原文の意味に忠実な日本語の歌詞にしたよ、という意思の現れと思われます。), この曲の日本語歌詞を作った岡本敏明氏は、「とにかく子供が楽しく歌を歌う事こそが一番重要である」という考えだったために、「ケケケケ」が「ケロケロ」になっても「ゲロゲロ」になっても気にしなかったらしいです。(むしろ岡本氏は、このような歌詞の変化は「生真面目に楽譜を見ながら歌った」結果ではなく、「生活の中で自然と、楽しく歌い継いだ」結果であるとして喜んでいたのではないか、との話も。), 3.本場ドイツの人が「知らない」って言ってるらしいけど、本当にドイツの歌なの?→ この歌を岡本敏明氏に教えたのはスイス人のWerner Zimmermann氏(カナ表記は人によって違うので割愛)だそうですが、その際にはラインラント地方の歌として伝えられたようです。(一番初期の楽譜には、現在のような「ドイツ民謡」ではなく、「ラインラントの歌」と明記されていた事から、それが分かります。)そしてラインラントとはドイツ西部のライン川沿いの地域ですから、「ドイツの歌」というのは正解です。, もし「ドイツの人」にこの歌を知っているか聞くのなら、ベルリンやミュンヘンの人ではなく、フランクフルトやボンあたりの人に聞けば知っている確率が高くなるのではないでしょうか。, 4.本当にカエルをテーマにした歌だったの?→ オリジナルのドイツ語歌詞は6.に書きますが、間違いなく「カエルがテーマの歌」です。作詞者は、ドイツ国家を作詞したアウグスト・ハインリヒ・ホフマンであると判明しているそうです。, 「ドイツ人に尋ねてみたら”聞いた覚えはあるけど、カエルの歌じゃなかった気がする”という感想を述べた」, という記述もネット上にはありますが、個人的な覚え違いか、「別歌詞バージョンの歌」であった可能性が高いと思われます。(曲自体は本当に出所が不明の古いメロディのようですので、他の詞を当てた歌があってもおかしくないな、と。日本でも、「きらきら星」とか結構、複数の歌詞バージョンがある曲は多いですから。), 5.なんで「本場でマイナーな歌」が、日本でこれだけ有名になったの?→ 戦前、日本の音楽教育、特に合唱の教育を日本に広めようとしていた音楽教育者の岡本敏明氏が、Werner Zimmermann氏からこの歌を聞かされて「歌、とりわけ合唱の大事な基礎を自然に学べる非常に優れた歌である」と考え、音楽の教科書に掲載したのが日本に広まった理由です。, 「子供向けの簡単な歌である事は分かるけど、”合唱の勉強”になるか?」と疑問に思う所ですが・・・実はこの歌、当初は輪唱する事を前提とした、小学校4年生向けの合唱用教材としてに教科書に掲載されたのだそうです。今では「乳幼児が一番最初に覚える、日本で一番簡単な歌」みたいな位置づけの「かえるの合唱」ですが、最初の位置づけは合唱(輪唱)用教材だったのですね。, 実際、この日本語の歌詞は、元のドイツ語の歌詞からあえて少し中身を減らす事で「1つの音符に1つの仮名だけが当たる」状態になるように工夫されているのですが、それは「とにかく歌いやすい」「輪唱した時に、和音が綺麗に聞こえる」事をねらったものだそうです。, 1つの音符に複数の仮名が入っていると、子供たちが歌った時にはガチャガチャした感じになりますからね。, 6.「元のドイツ語歌詞」が結構ネットに出回ってるけど、あれが正解なの?→ 今、ネットを検索するとほとんどのサイトでは以下のドイツ語歌詞が掲載されています。, hören wir den Frosch gesang;quak quak quak quak,kae kae kae kae kae kae kae kaekquak quak quak.---, まずnächtelang に関しては、nächteは英語のnight、lang は英語のlongで、別の単語です。従って、間にスペースが必要なはず。, Frosch gesang は、スペース無しの1語とすると英語で「Frog song」(かえるの歌)となる一方、スペースを入れると「Frog singing」(かえるが歌うところ)となります。従って、スペース無しの 「Froschgesang」が正しいでしょう。, それから、「ケケケケ」の部分。上述したとおり、実際は全編通じてaに点々(ウムラウト)が付いた、「kä」です。, 文字化け対応として「kä」を 「kae」と表記するのはともかく、最後だけ「kaek」となっているのは誤りではないかと。また一部サイトでは、前半部分(nächte、等)についてはウムラウトを使用しているのに後半だけ「kae kae」にしたりしています。これは誤解のモトなので表記を統一頂きたいところです。, なお「kä」の発音は、あまり唇などにちからを入れない「ケー」となります。そうなると、「ケケケケ・・・」の部分はスタッカート風に「ケッケッケッケッ・・・」と歌うのではなく、テヌート風に「ケーケーケーケー・・・」と歌うのがオリジナル方式、と言えそうです。, この辺のほとんどの事実については、2015年に玉川大学の朝日 公哉(あさひ こうや)先生が論文で述べられているのでそちらを参照されるのが良いでしょう。. Ganze Sommernächte lang, hören wir den Froschgesang; quak quak quak quak, kä_kä_kä_kä_kä_kä_kä_kä quak quak quak. きこえてくるよ 長い夏の夜には カエルの歌が聞こえてくる クァック クァック クァック クァック quak quak quak quak, kä_kä_kä_kä_kä_kä_kä_kä 「かえるのうたが きこえてくるよ・・・」 およそ日本に住む人のほとんど100%(外国人の方々は除く)が知っていて、かつ歌えるであろう、「かえるの合唱」。実は結構「謎」が多いんですね。そもそも、「実はド こちらは【クリープハイプ】の メンバー情報や歌詞の意味など 全てのまとめページになります。 ※随時更新中 クリープハイプってどんなバンド? 現在に至るまで もともとはボーカルの尾崎世界観さんが17歳のとき... アルバム『死ぬまで一生愛されてると思ってたよ』の収録曲 「火まつり」について、歌詞の意味を 徹底解釈していきます。 尾崎さんとカオナシさんが交互に歌ってますね。ベースコーラスのカオナシさんの歌唱力にも注目の1曲です... クリープハイプ11枚目のシングル 『イト』のカップリング曲 「月の逆襲」について歌詞の意味を 解説していきたいと思います。 楽曲名「月の逆襲」とは 「逆襲」とは 攻撃されて守勢に立っていた... アルバム『吹き零れる程のI、哀、愛』の収録曲 「マルコ」についてMVと歌詞の意味を 解説していきたいと思います。 楽曲名「マルコ」とは 「マルコ」とは 尾崎さんの実家で飼っている犬の名前。 だそうです... アルバム 『泣きたくなるほど嬉しい日々に』の収録曲 「金魚(とその糞)」について 歌詞の意味を徹底的に 解説していきたいと思います。 楽曲名「金魚(とその糞)」とは 「金魚」の持つ意味としては... アルバム『泣きたくなるほど嬉しい日々に』 の収録曲で 恋愛ドキュメント『REA(L)OVE』の 主題歌として、書き下ろされた 「クリープハイプ/一生のお願い」 について、歌詞の意味を 解釈していき... アルバム『吹き零れる程のI、哀、愛』の収録曲 「NE-TAXI〔ネータクシー〕」について歌詞の意味を 解説していきたいと思います。 楽曲名「NE-TAXI」とは 「NE-TAXI」を日本語... 【クリープハイプ】の「モノマネ」について、歌詞の意味を徹底的に考察および解説していきたいと思います。 読みどころ ✔ 失恋を歌う女性目線の歌詞 ✔ 尾崎さんの比喩表現の巧み '... ユニバーサルシグマに移籍することを発表後、再びクリープハイプの出発点となった「寝癖」についてMVと歌詞の意味を解釈・解説していきたいと思います。 この曲はクリープハイプのメンバーもバンドの財産になる歌と賞しています。 ... アルバム 『泣きたくなるほど嬉しい日々に』の収録曲 「おばけでいいからはやくきて」について MVと歌詞の意味を徹底的に 解説していきたいと思います。 子供に向けた メッセージ性の強い歌詞になってい... 『一つになれないなら、 せめて二つだけでいよう』収録曲 「大丈夫」について歌詞の意味を 解説していきたいと思います。 楽曲名「大丈夫」とは 「大丈夫」とは あぶなげがなく安心できるさま... 「クリープハイプ」のシングル 『もうすぐ着くから待っててね』の表題曲かつ アルバム 『泣きたくなるほど嬉しい日々に』の収録曲の 「陽」について MVと歌詞の意味を徹底的に 解説していきたいと思いま... 【クリープハイプ/社会の窓】歌詞の意味を徹底解釈!PVで女性が号泣している理由とは!?, もう切ないとは言わせない》歌詞の意味とMVを徹底解釈!恋人の大切さに気付いた主人公の誓いとは!?. hören wir den Froschgesang; 「かえるの唄」とは. ・歌詞が、「かえるのうたが~」で始まる ・ 特に小さな子供にとっては「合唱」より 「うた」の方が言いやすい. クヮ クヮ クヮ クヮ Ganze Sommernächte lang, なぁなぁあんたさ、そうあんたですよ ちょっとでいいから聞いてくれよ 任された この悪役ってやつも なかなか因果な商売でして, 一つ、先ず憎まれなくちゃ駄目 一つ、次に欲張らなくちゃ駄目 「謀られた」「濡れ衣だ」って 一つ、こんな女々しさ出しちゃ駄目, 大体最後はこうやって ひらひら踊ればいいんでしょう 大体最後はこうやって ハチの巣にされればいいんでしょう, なぁなぁあんたさ伺いますけど かえるを茹でたことはあるかい アンダンテくらいでアルデンテすれば, 「なんちゃって」で済む冗談で 済まないから針千本だよ アンダンテに棲む妖怪さん すまないけどあんたが飲んでよ, なぁなぁ姫様そうあんたですよ キスで呪いを解いてやれよ 任された この悪役ってやつも 蛙は相手にできないよ, 任された この悪役 から悪役という立場を主人公は望んでいなかったことがわかります。, 「決められた通りに悪いことをして、正義の味方にボコボコにされれば良いんでしょ?」と、かなり皮肉な物言いをしています。, 物語における悪役は悪さをしたあとに、正義の味方に退治されるっていう、お決まりの結末がありますもんね。, ゆっくりと進行する危機や環境変化に対応することの大切さ、難しさを戒めるたとえ話の一種。, カエルを熱湯の中に入れると驚いて飛び出しますが、常温の水に入れて徐々に熱すると、カエルはその温度変化に慣れていき、生命の危機と気づかないうちにゆであがって死んでしまうという話です。, 「かえるの唄」の「かえる」は このゆでガエル理論から きていることが解釈できます。, 脳MUSIC 脳LIFEの管理人。「楽曲考察」という側面から音楽の楽しみ方を共有したくサイトを設立。日課は最新の音楽ニュースを追いかけること。. クヮクヮクヮ, 注:この部分は、「ケロケロケロケロ」、「ゲゲゲゲゲゲゲゲ」、「ゲロゲロゲロゲロ」などとも歌われる。. ケケケケ ケケケケ(注) ケーケーケーケーケーケーケーケー パッと思いつくのに童謡の歌がありますよね。 しかし、あれとは全く関係がなさそうです。 「かえる」は文字通り、あの動物です。 この楽曲名が歌詞の内容と. といった理由から、 「かえるのうた」が「通称」として広まったため です。 2.歌詞の最後、「XXXX クワックワックワッ」の部分。 クァック クァック クァック, 『かえるの合唱』の作詞者については明らかになったが、メロディのルーツについては未だ判明していない。, 私見では、中央ヨーロッパから東ヨーロッパを中心に広まっていた民謡・フォークダンスの一部のように思われる。, バッハ、チャイコフスキー、スメタナの楽曲にも似た旋律が登場する。詳しい解説は以下のリンクを参照されたい。, 『かえるの合唱』原曲『Froschgesang』は、1930年にスイスの教育者ツィンメルマン博士によって日本へ伝えられた。, 玉川学園(東京都町田市)でツィンメルマン博士が授業を行った際、合唱指導で使われた『かえるの合唱』原曲を聞いて、作曲家の岡本 敏明が日本語に翻訳した。, 『かえるの合唱』原曲が日本へもたらされた経緯については、こちらのページ「玉川学園・岡本敏明とツィンメルマン博士」の解説を適宜参照されたい。. quak quak quak.