『リング』シリーズの最終章と言われていました。 相変わらず分子生物学だ塩基配列だの細かい部分はぼんやりとしか把握できてない自覚はあるものの、全体像を把握した目線で前2作の色んなシーンを紐解く流れも面白かった。 馨は「ループ」内のタカヤマ、つまり『リング』『らせん』の高山竜司がこの世に蘇った姿だった。「ループ」からこの世への移行過程でリングウイルスもこの世へ来てしまったらしい。 「ループ」世界の人間だった馨こと高山。 リング . 私が今まで読んだ本の中で1番好き。, 「リング」「らせん」と続けての三部作。やはりここまで読み終えなければ完結しない。読んでよかった。決着付いた、というか”呪い”からの解放にはなった気がする。(これで私の命の制限時間が延びた訳だ…) 生死描写のリアリティが凄い。「死」を享受できる理由は「生」なんだな、と(´・_・`) 高校時代に暗唱できるくらい読みまくった。やっぱこれ凄いわ。 文庫本で安いですから螺旋の秘密に足をを踏み入れてしまった>>1317さんには午後のスタバでNASAが一読を勧める小説ですわ、いやはや・・, 『エス』を読む為に読み直し。 これで三部作は終わりのようだけれど、ホラーが苦手で読まず嫌いで来た作家さんだけに新しい分野開拓という意味で貴重な読書体験でした。, 小学生の頃、リングを初めて見た衝撃はかなりのもので、小説を手に取る機会があってもなかなか読めずにいた。 という感じのストーリー。 で、リングてシリーズ化しましたがそのPart3で「ループ」てあったの覚えてます? この作品が持つ新たな世界観が今までの世界を内包しているという感覚もなんともいえない興奮がある。 かつて大ヒットしたジャパニーズホラー、リング。長い髪を垂らし白装束をまというらめしや~とつぶやく典型的な女性の幽霊像も、今ではイコール貞子と呼ばれるくらいに世間に認知されていますね。, そんな日本中を震撼させたリングシリーズも、なんというか最近の独り歩きがすごいというか。気づいたら貞子3Dだとか貞子VS伽倻子だとか、すごいB級ホラーに成り下がっちゃってます。, もはやアメコミとかのノリですよね。そのうちホラー映画のキャラ集めてアヴェンジャーズみたいなものでも作るとか……?, コンテンツが続いていくというのは一人のリングファンとしては嬉しいことでもあるんですけども、でもなんだかなぁって気持ちもあります。, そうなんですよ、貞子やリングシリーズの魅力って、ホラーなのはもちろんその枠で収まりきらないミステリアスな部分にあるんですよね。, ということで今回は、貞子の正体や原作リングシリーズについて解説していこうと思います。, リング、らせんとバースデイに関しては映画化されていますが、リングシリーズの完結編にあたるループに関しては映像化はされていません。, ループが映像化されなかった理由としてはその内容による部分が大きいとは思うのですが、結局のところそれまでのリングシリーズとはまったく雰囲気が違うんですよね。, テレビや映画の映像作品のリングシリーズはいろいろと派生作品が多すぎてとっちらかっちゃってるんですが、原作リングシリーズは意外と刊行数が少ないんですよね。, ホラー作品として大ヒットした第一作目のリング。このリングはたしかにホラー作品ではある一方で、ミステリー要素も組み込まれた作品になっています。, これで助かった、と思ってからのラストの大どんでん返しによってリングという作品は名作となったのだと思います。, 第二作目のらせんではホラー要素は残しつつサスペンス色を強め、さらに医学的な要素を追加していきました。, それでもこのらせんまではまだホラー作品としてのカテゴリーから逸脱したものではありませんでした。, らせんまでのようにホラー作品であれば説明不要だった部分も、SFになったことで理屈をつけさらにそこから世界観が広がりました。, リングシリーズの一番の特徴はジャンルにの枠に縛られない懐の深さであり、それこそがリングシリーズのおもしろさに繋がっています。, リングという作品が大ヒットして、でもただのホラー作品で終わらないってのがすごい意欲的ですし、エンターテイメントという路線をぶっちぎっちゃってるんですよね。, 知られざる貞子の正体や、これまで散々ぼかしてきたループがどうSF作品なのかといったところがわかります。, ループではリングとらせんの世界は環境の変化などをシュミレートする仮想現実世界であることが明かされます。要はコンピューターの中の世界ってことですね。, ホラー作品であったリング・らせんからループでSF作品になったというのは、この世界観によって成り立っています。, これによってシリーズで重要な要素であった呪いのビデオだとかリングウイルスだとかも、死者の怨念だとかそういうものとはまったく違っていて仮想現実世界に起きた不具合という形で説明されることになります。, これすごいですよね、ホラー作品でこれをやるのってある意味で究極の禁じ手だと思いますし。すべてのホラー小説はこの手法で一気に陳腐なものになっちゃいますもん。, ループがリングシリーズとして映像化されていないのも、それまでのホラー作品としてのリングシリーズを否定するものになるからというのもありそうです。, ただ、わたしとしてはリングシリーズをループで完結させたのはホントにすごいと思っています。ただのホラー作品では終わらさなかった、いや終わることができなかったリングシリーズのラストとしてはこれ以上はないんじゃないのかなと。, 仮想現実世界における呪いのビデオだとかはコンピューターの不具合として、そこから貞子という存在の正体に繋がってきます。, 増殖を繰り返して仮想現実世界を埋め尽くしていく。原作リングシリーズでのらせん終了後、ループ開始時には仮想現実世界は増殖した貞子で埋め尽くされて仮想現実世界は停止してしまっています。, このあたりリングシリーズのホントにおもしろいところで、らせんでは呪いのビデオを見ることで感染するリングウイルスとして医学的な要素として扱っていたものを、ループではコンピューターウイルスとして扱っているんですよね。, 同じウイルスという要素を扱い方を変えることで見せ方を変える、連想させるというか昇華させていくところがもう見事としか言えません。, とはいえ、いくら仮想現実世界だからといってポンポン勝手に人が湧いてくるわけではなくて、あくまで現実世界をシュミレートするものなので人が増えるのも男女の性交によるという原則があります。, ではどういった方法で貞子が増殖していくかと言うと、まず一つが排卵日の女性が呪いのビデオを観ると妊娠してしまうというものがあります。, 呪いのビデオを観るとリングウイルスに感染することになりますが、このウイルスには貞子の遺伝子情報が入っていて排卵日の女性がリングウイルスに感染した場合は卵子に受精して妊娠していまいます。, そして受胎したその子供は貞子として生まれてくることになります。らせんではこの方法で貞子が復活しました。, 呪いのビデオでリングウイルスに感染させて妊娠させ貞子を増やしていくという方法は人々がビデオを観てくれなくなれば成り立たなくなります。排卵日にあたるかどうかも不確定ですしね。, そこでもう一つの増殖方法が存在するのですが、ここでもまた貞子の正体に大きく関わってくる部分があります。, 貞子は実は両性具有(睾丸性女性化症候群)であり本来であれば子供は産めないのだけれど、らせんで復活した貞子はパワーアップしていて自分一人で受精させ子供を作れるようになっています。, 貞子が貞子を妊娠しそれを出産するというサイクルによって貞子は増えていきます。貞子が貞子を産み、さらにまだその貞子が貞子を増やしていく。そうやって貞子が増え続けた結果、仮想現実世界は貞子で埋まり停止してしまったということです。, 映画リングの大ヒットから20年経ち、今でも貞子はその存在感を発揮してはいるもののこの先どこへ向かっていくんだろうという不安のようなものがあります。, 貞子VS伽椰子なんかはホラーというよりももはやパニック映画みたいになってきていますしね。シリーズが続いていくのは嬉しいですが、かけ離れたものに変わっていくのは少し寂しくもあります。, だからこそ、今だからこそ原作リングシリーズを読んでほしいなって思います。特に映画でしかリングシリーズを知らないって人にこそ。, わたしも映画のリングを観たあとに原作を読んだ人間ですが、原作を読んだあとの印象は映画を観たあとと全然違っていて、わたしにとってはリングシリーズは読書の面白さを教えてくれた作品の一つであり大事な作品です。, この記事を読んで少しでも興味が湧いたって人はぜひとも原作のリングシリーズを読んでほしいです。今更なんて思わないでね、たぶんこれからもリングシリーズは続いていきますから。, 関ジャニ∞ファンクラブが有効期限切れで失効!購入した支払い済のチケットはどうなる!?, 田中聖のライブ「TANAKA KOKI Presents Easter TOUR 2019」名古屋公演を観てきました!. 劇中に登場した時点では既に故人であったという設定だが、現世に未練や恨みを残し、見た者を呪い殺す「呪いのビデオ」を発端として災禍を巻き起こす。 手堅い配役もそれを後押しし、量産されるビックリドッキリホラーとは一線を画した仕上がりになっています。 そのクロユリ団地の監督は貞子で有名な「リング」の監督さんなんですね。 ’mŠó–]v‚Æ–¾‹L‚̏ãAƒ[ƒ‹‚𑗐M‚µ‚ĉº‚³‚¢B. 人間が癌化していく・・・生命のメカニズムとは? 闘え。武器は、肉体と意志の力-全人類がガン化するとき、アメリカの大地に神は舞い降りた。激しい光に、否応もなく魂をゆさぶられるかつてこのような物語が、あっただろうか。「すべての答えは、ここにある」。, リングはホラー、らせんはミステリー、ループはSF。均質性に対する警鐘。均質は安定性はあるようで、外的要因による影響が顕著になると均質故に、滅びの道に進む。竜司も馨も均質的でない多様の中にいる人間故、救いの道がある。パラレルワールドの解釈。リングは輪廻・再生。らせんは、DNAと似たような人間関係の繰り返し、ループは戻ってやり直しか・・。箍女と並行して読んだが、奇しくも、均質性をテーマにしてあったような。。。, ちなみに今、クロユリ団地ていうあっちゃん主演のホラー映画が公開されていますが 1998年 日本 監督:中田秀夫 出演:松嶋菜々子、真田広之、中谷美紀 ※ネタバレ注意. 鈴木 光司(すずき こうじ) 生まれ:1957年静岡県 経歴:慶應義塾大学文学部仏文科卒業。大学卒業後は専業主夫をしながら自宅で学習塾を開き、1人で全教科を教えながら小説を執筆する。デビュー作の「楽園」が日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞、次作「リング」でジャパニーズホラーブームの火付け役となった。その続編である「らせん」は第17回吉川英治文学新人賞を受賞、2013年には「エッジ」で米国のシャリ… リングとらせんが映画化できたのにループが出来ない理由 引用元: 映画好き名無し 2019/03/28(木) 08:45:52.46 ID:wCRuPDL40 なんやねん 3: 映画好き名無し 2019/03/28(木) 08:46: 『ループ』(鈴木光司) のみんなのレビュー・感想ページです(70レビュー)。作品紹介・あらすじ:闘え。武器は、肉体と意志の力-全人類がガン化するとき、アメリカの大地に神は舞い降りた。激しい光に、否応もなく魂をゆさぶられるかつてこのような物語が、あっただろうか。 ‚ð‚­‚¾‚³‚¢B‚Ü‚½AXV‚Ì’Ê’m‚ðŽó‚¯‚½‚¢•û‚àA‰º‚Ì—“‚©‚çAŒ–¼‚ɁuXV’Ê 山村 貞子(やまむら さだこ)は、鈴木光司の小説およびその映像化作品『リング』シリーズに登場する架空の人物。 超能力者。. 幕開けからずっと灰色だったこの物語に日が射した読後感は悪くないと思います。, リングシリーズ最終巻。 ネタバレはググればたくさん出てくるのでここでは載せませんが、改めて読んでみてもその完成度に驚かされます。 リングに至っては約30年前の書籍ですが、まったく古さを感じさせません(さすがにVHSのビデオテープには懐かしさを感じますが)。 生まれ:1957年静岡県経歴:慶應義塾大学文学部仏文科卒業。大学卒業後は専業主夫をしながら自宅で学習塾を開き、1人で全教科を教えながら小説を執筆する。デビュー作の「楽園」が日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞、次作「リング」でジャパニーズホラーブームの火付け役となった。その続編である「らせん」は第17回吉川英治文学新人賞を受賞、2013年には「エッジ」で米国のシャリー・ジャクスン賞を受賞している。父親をテーマにしたエッセーも多く発表している。 代表作:「リング」シリーズ、「仄暗い水の底から」(角川書店、1996年) <受賞作> 楽園(新潮社、1990年):ファンタジーノベル大賞優秀賞 らせん(角川書店、1995年):第17回吉川英治文学新人賞 エッジ(角川書店、2008年):2013年シャーリイ・ジャクスン賞(The Shirley Jackson Awards)長編部門, 「ループ」 発行:角川書店、1998年 ジャンル:小説 <どんな本?>リングシリーズ第3弾。人類を脅かす転移性ヒトガンウィルスの正体とは?, 二見馨(ふたみ かおる)は、10歳の少年ながらすでに数学や科学の才能を開花させており、ある日重力異常地帯と長寿村の位置が重なっていることに気付く。馨は、優秀な科学者である父・秀幸と、民俗学に精通する母・真知子にその発見を報告し、北米の砂漠地帯にある長寿村に3人で旅行しようと約束する。北米への旅行は、秀幸の仕事の都合で3年後に延びた。しかし、旅行の直前、秀幸がガンに侵されていることが判明する。馨が医大生になったころ、秀幸は度重なるガンの転移と手術により、見る影もなく衰弱していた。そして、秀幸と同様の転移性ガンが日本とアメリカを中心に蔓延していることが分かり、このガンを引き起こすウィルスは「転移性ヒトガンウィルス」と名付けられた。馨は、かつて秀幸が熱意を燃やしていた「ループ」プロジェクトのメンバーのほとんどが転移性ヒトガンウィルスに感染し死亡していることを知り、父が多くを語らない「ループ」の実態を知るべく動き出す。, たしか小学校高学年か中学生のときに読んだんだけど、あの頃はきちんと理解してなかったんだということが理解できたくらいに、新鮮な驚きと感動がありました(笑)当時はリングもらせんも映画を見ただけで満足していたから、この2作とループがカチッと繋がらなかったんですね。やっぱりシリーズものは最初から読まないと…。, 「リング」の発表が1991年、続く「らせん」の発表が1995年。そして「ループ」は1998年。前作から3年かかった大作です。 というのも、この3作はシリーズ化を前提として構成されていたのではなく、「らせん」も「ループ」もその前作を書き終えたときには作者の頭の中になかったんだそう。, …小説を書くことはひたすら祈り続ける作業であるような気がする。物語を意識的に徐々に構築していくのではない。頭上近くに浮遊する物語を腕力で強引に引きつけ、自分の身体を通して吐き出すのが、ぼくにとっての小説を書くという作業である。, 作者は、物語の舞台として漠然と決まっていたアメリカの砂漠地帯と、下調べのために読んだ科学書にあったクリストファー・ラングトンの記述の中で、偶然にも「ループ」という言葉に出会った。その言葉こそ、作者が頭の中にあった第3弾のタイトルだった…という、まるでフィクションのようなエピソードを語っています。頭の中にある大事なことがあると、それに関連する情報をキャッチしやすくなりますよね。鈴木氏は、そのレーダーの感度が異常値を示しているんじゃないかと(笑)多少粗削りに感じる部分はあるけど、まさに強引とも言えるパワーで読者を引き込むところはさすがです。, この作品で印象的なのは、圧倒的な迫力をもって描かれる大自然と、ループプロジェクトで扱う人工生命との対比です。, ループプロジェクトは、コンピュータ上の仮想空間にRNA情報という“生命”の種をまき、その世界や生命の進化を観察して分析し、そのデータを実際の科学分野だけでなく経済学や社会学などにも応用しようというものだった。すなわち、人工生命がループの世界を作り上げていたのである。ループの世界は、1990年頃までは実世界と同様に進化していた。しかし、突如ヤマムラサダコの呪いが発生し、蔓延したリングウィルスによって世界は均質化して滅亡した。アサカワやタカヤマは、ループ界の“人間”であった。, ※この「人工生命」という概念は、1980年代後半にクリストファー・ラングトン(Christopher Gale Langton, 1949-)が提唱したもの。彼が生み出した自己複製プログラムには「ループ」という名前が付けられました。, やっぱりこの展開は衝撃的だった!「リング」「らせん」と読み進めてすっかり登場人物に愛着をもっていたので、浅川と高山がバーチャル世界の住人だったなんて…!と少なからぬショックが(再読なのに)。安藤が息子を失って嘆き悲しんでいたのも、貞子を抱いちゃったことに気付いて腰を抜かしてたのも、全部バーチャル…なんかひどい…。で、この世界がもしバーチャルで、秀幸のような科学者たちに自分の一挙一動が観察されているとしたら…?こちらの運命をコントロールする“神”が存在するとしたら…?と考えてみると、タカヤマがとった行動も納得ですよね。つまり、「そちらの世界に連れていってくれ」と願い出ること。 このタカヤマの願いは聞き入れられました。ループ界での塩基配列情報から遺伝子を合成することにより、タカヤマと同じ遺伝子をもつ人間を人工授精で生み出すという方法で、タカヤマは「観察する側」の世界に生を受けた。これは極めて科学的で、実現しようと思えばできる。現実でも「死んであの世に…」とか「天国に行くか地獄に行くか」みたいな話がある。死ぬ前に「そちらの世界に連れていってくれ」と頼んだら、タカヤマのように違う世界で“合成”されるかもしれないと思うと、めちゃくちゃ面白い… 。最終的に、タカヤマはある方法でループの世界に戻されます。まさに生まれ変わり!ラストは全く記憶になかったんで、すっかり感動してしまいました(笑)2次元空間から3次元空間に生まれ、また2次元空間に戻される…よくある設定かもしれないけど、どちらの空間もみっちりと描かれているから、すごくワクワク感が強かったです。, SFも壮大だけど、同じくらい緻密かつ壮大に描かれているのが人間の営み、そして地球の自然です。, 馨は、ループプロジェクトで秀幸と共に働いていたある研究者を探して、アメリカのウェインスロックという場所に向かう。そこで、ループの一部の世界を“体験”することになる。頭部搭載型ディスプレイとグローブを装着し、ループの世界に入り込んだ馨は、はるか昔の部族の男となり、妻子と仲間と共に安住の地を求めて移動していく。しかし、水を探しに出かけたとき、銃を持った男たちに捕まり、妻子共々殺されてしまった。その後、ウェインスロックを離れて長寿の秘密がある場所に向かった馨は、過酷な自然の洗礼を受けることになる。, 前者はバーチャル、後者は実体験という違いはあるものの、どちらもビシビシと肉体の感覚に訴えてくるものがありました。なんかもう、うわー!って叫びたくなるくらいに、温かさとか痛みとか苦しみが襲いかかってきた。SFものなのに冷たい感じがしないのは、大きい大きい自然の中で生きている肉体という、体温を感じる部分がすごく多く含まれているからだと思います。, 生命や地球を圧倒的な迫力で描くことで、リングウィルスの恐ろしさが際立つ。このウィルスは、世界の多様性を破壊して均一化するものだからです。均一化された世界とは、例えば、無機質で画一的なデスクがずらっと並べられたオフィス。同じ形状のビルが立ち並ぶ色の無い街。みんな同じ服を着て、同じ生活を送る。そしてその人たちがみんな貞子だったら…。そんな世界が良いか悪いかは別として、わたしは美しくないし面白くないと思う。みんな同じなら、たぶん感情も愛情も生まれないし、生きる意味がない。, この作品はSFなんだけど、テクノロジーへの興奮よりも、この地球と生命に対する畏敬の念が大きくなりました。これもやっぱり、アメリカの大自然のパワーを吸い込んできた作者が、それを作品に吹き込んだからなんですかね。ラストは、頑張れタカヤマ!!この世界を救うんだ!!と本気で胸が熱くなりました(笑), SFも壮大、肉体感も激烈。こんな小説は出会ったことがない!「リング」「らせん」を読んでからのほうが感動増し増しなので、ぜひ3作順番どおりに読んでください!, ちなみにいうと、まったくホラー小説ではないので、映画の「リング」「リング2」あたりが好きな人にはかなり違和感があると思います。ほとんどSF小説ですのでご注意を…。.