1992年に始まった「YOSAKOIソーラン祭り」は、2017年で26回を迎えた。北海道札幌市で毎年6月に、嗚子(なるこ)という楽器を手にして、「ソーラン節」を取り入れた曲で踊る祭りである。北海道大学の学生の発案で、高知の「よさこい祭り」を参考にして創られたものであり、鳴子を持ち「ソーラン節」が入っていれば、衣装や曲などは自由である。現在の開催期間は6月上旬から中旬の5日間で、水曜日に始まり日曜日に終わる。第1回は10チーム、約1000人の参加であったが、ここ数年は270チーム前後、約2万7000人が参加する。この祭りをきっかけにして、全国で多くの「よさこい系」祭りが誕生している。「よさこい系」祭りとは、原則として嗚子を持ち、地元の民謡などを取り入れて踊る祭りをいう。踊り子たちは地元の祭りだけでなく、他地域の「よさこい系」祭りにも遠征する。鳴子と民謡というルール以外、あとは何でもいいという、極めて自由度の高い祭りで、自分たちでゼロから創る“創作踊り”である。これを数十人から100人を超える人々が1チームを構成して、複数の会場を移動して踊る。, また、国内だけでなく海外においても、ガーナやブラジルなどで「よさこい」の踊りの祭りが開催されており、その他の国で踊りの活動をしている人々もいる。「YOSAKOIソーラン祭り」では、札幌市を中心に道内外はもちろん、海外からも、これまで中国、シンガポール、オーストラリアなどから参加があり、17年は台湾とロシアが参加した。本家の高知では、高知市を中心に県内外から参加するが、これまで海外チームの参加はなかった。しかし、高知県が16年から、海外で「よさこい」の踊りの活動をしている外国人や日本人を「よさこいアンバサダー」と認定し、高知の「よさこい祭り」に招待することとした。17年にはヨーロッパ連合チームが本祭に初出場した。スウェーデン、イギリス、オランダ、ポーランド、スペイン、フィンランド、リトアニア、ブルガリア、スイスからの参加者で、これにサポート役として日本が加わった20人で踊った。, 「YOSAKOIソーラン祭り」の踊り子は他チームとの差異化を求めて、地域性(ローカリティー)を表現した踊りをすることが多い。他のどこにもないものは、その“地域”である。この祭りには「ソーラン節」を取り入れるというルールがあるために、漁業に関する表現が多く見られる。内陸部である札幌市のチームも、振り付けに網を投げたり引いたりする仕種(しぐさ)や波を表現する動きを取り入れている。その他、地元の歴史や伝説などを基にした踊りや音楽、衣装や小道具(嗚子や旗など)で地域性を表した踊りをする。全体的にスピード感のある激しい踊りが多い。, グローバル化が進む現在、グローバル化は「空間の消滅」といわれることもある。しかし、人々のアイデンティティーの確立にはローカルな固有性が必要であり、ローカルはグローバルの影響力に対抗するものとして重要である。札幌市のチームの場合、回を重ねていくごとに、表現するものに苦労するようになる。札幌は明治以降の新しい都市で、その歴史性には限界がある。何とかテーマを見つけながら続けているチームもあれば、漁業というテーマで演じ切るチームもある。忠実に自分たちの地域性に基づいた踊りを創作しても、あるいは、漁場ではないものの「ソーラン節」ということで拡大して漁業性を“演出する”踊りになっても、どちらにもアイデンティティーは確立されて、オリジナリティーのある踊りになっている。, 一般チームは、従来の地縁や血縁、社縁などにとらわれない人々が集まって形成される。各チームには踊りの“型”ができており、それに同調した人たちが集まってくる。ただし、中心となるのが地域住民、あるいは大学生というチームもある。人数や資金の不足で参加を断念するチームが出てくる一方で、チーム同士で組んで新しいチームを作ったり、片方に吸収されたりする動きもある。時代に合わせて新たな集団形成がなされ、参加したい、続けたいという意思があれば、それを成しうる多様な受け皿がある。, ここ数年、祭りの参加人数がほぼ同じで変動がない。それは、「祭り」として定着してきたともいえるが、最近では地域チームや一般チームは踊り子の集まりが悪くなっている。迫力ある踊りをするのに必要だといわれる100人を切るチームも多い。特に地域チームの問題点は、地域住民中心だと年齢が高くなるにつれて踊れなくなる人が出てくることである。また、家庭の事情(結婚や出産・育児、親の介護)や転勤など仕事の都合で離れていくこともある。参加条件で地域を限定してはいないが、他地域からの希望者や、あるいは若い踊り子が常に都合よく入ってくるわけではない。また、市町村合併で地域の範囲や呼び方が変わったりすると、“地域”としての求心力が急激に低下する場合もある。, 一方、大学生たちは、こういった問題とはほぼ無縁で、チームには常に20歳前後の若者が存在して、毎年踊り子は補充されている。100人を超すチームも多く、学生チームが祭り全体の参加人数を保ってくれている。学生チームは、メンバーは必ず流動するが、サークルとして大学から認められている場合が多く、その活動のなかで、“型”は伝わっていく。, 「YOSAKOIソーラン祭り」は大学生が始めた祭りということで、北海道内の学生チームの参加はもちろん、道外の学生チームの参加も多く、特にこの10年ほどは関東の大学の参加が増加している。学生チームは人材に困らず、時間が比較的あるために練習時間も取れ、費用さえ準備できれば遠征にも行きやすい。大学生はさまざまな地方から集まってきており、それぞれの出身地の「よさこい系」の祭りに仲間とともに参加して盛り上げ、郷土文化の発展に貢献もしている。また、大学生たちは自分のチームだけでなく、大学の垣根を越えた合同チームも作っている。合同チームとして、北海道学生合同チーム「北人(きたびと)」、東京学生合同チーム「東京学生 生っ粋(きっすい)」、関東学生合同チーム「おどりんちゅ」がある。学生チームは持続可能性が高く、今や、祭りの大きな牽引(けんいん)力となっている。, 物事は始めるよりも、続ける方が難しい。新しいスタイルの祭りと言われた「YOSAKOIソーラン祭り」は2017年には26回目を迎え、その歴史も四半世紀を超えた。回を重ねるごとにチームは毎年の踊りのテーマに苦労し、人員は大学生頼みのところもある。ただ踊り子たちは苦労しながらもさまざまな工夫をして踊りを創作し続けている。従来、芸能(踊り)は、その地域における伝統性や正当性が重要であり、それが価値の拠(よ)りどころであった。しかし、演出されたものであっても、その型が継承されていけば、それがやがて伝統性や正当性を持つことにもつながる。このようにして、踊り子たちはそのチームのみならず、「YOSAKOIソーラン祭り」という祭り全体を支え、継承している。また、他地域に遠征することで、「よさこい系」祭り全体を支え、継承させているのである。, 1992年に高知県のよさこい祭りと北海道のソーラン節を組み合わせた「YOSAKOIソーラン祭り」が始まって以降、全国各地に広まり、年間200カ所以上で開かれる国民的イベントになった。よさこいを通して、現代日本の祭りとは何かを考える。. ことわざでいう「古きを知り新しきを知る」というのはまさにこういったことなんだろうなーと、よさこいの演舞を見てると感じてしまいます!, 14歳でストリートダンスに興味を持ち、その後ストリートダンスを始める。ヒップホップが好き。, ダンスの情報ならダンスニュースメディア Dews(デュース)。ダンサー情報やダンス動画、ダンスミュージック、ダンスイベントバトル、コンテスト、オーディション情報をいち早く配信します。また、Dewsでは広告出稿を募集しております。広告出稿以外(タイアップ企画、WEBプロデュース等々)も随時受け付けております。お気軽にお問い合わせください。. 1992年に始まった「YOSAKOIソーラン祭り」は、2017年で26回を迎えた。北海道札幌市で毎年6月に、嗚子(なるこ)という楽器を手にして、「ソーラン節」を取り入れた曲で踊る祭りである。北海道大学の学生の発案で、高知の「よさこい祭り」を参考にして創られたものであり、鳴子を持ち「ソーラン節」が入っていれば、衣装や曲などは自由である。現在の開催期間は6月上旬から中旬の5日間で、水曜日に始まり日曜日に終わ … 普通の「ソーラン節」と「よさこいソーラン節」は違いについて解説いたします。 東京よさこいカンパニーでは高知出身の扇谷ちさとを会長・中平公士を代表として、「ドリーム夜さ来い祭り」を拠点祭りとして東京・首都圏全域また各地で開催される催事に精力的に出場しています。また他よさこいチームの振り付け指導、祭りのプロデュース活動も行っております。 それを踏まえた上でクオリティの高い激選よさこい動画を5つご紹介いたしますのでぜひご覧ください。, 「ソーラン節」、「よさこいソーラン節」といった言葉は皆さんも耳にしたことが一度はあると思います。 華やかさと、踊り子のシンクロ率がとても高いチームで、つい引き込まれてしまうような魅力度の高い演舞をする方々です。, 早稲田大学のよさこいチーム”早稲田大学東京花火”の演舞です。「高知系のチーム」と自らも語っていて、男振り・女振り・鳴子の音色を重視する等伝統的なよさこいマナーの部分にも寄り添っていて、動画の演舞内でも使用されている女振りに用いられる扇子の振り付けは優雅さを際立たせ、オリジナリティも併せ持ったスタイルになっています。, 東京のよさこいチーム”百物語”です。 毎年9月に東京都江東区の都立木場公園で開催される大江戸ソーラン祭りは、東京のよさこい祭りとして知られ、北は北海道から南は福岡まで全国各地のよさこいチームが出場。東京の秋を彩る踊りの祭典で … 「よさこい」は伝統的な部分と、現代的なアイデアの部分が今まさに融合した革新的なカルチャーへと進化しているように思いました。 有名なところでは、1999年のTBS系のテレビドラマ『3年B組金八先生第5シリーズ』の中で文化祭の行事で南中ソーラン発表するシーンもあり、これが全国的な認知度を広めたとも言われています。, 先ほどご紹介した「ソーラン節」は北海道発祥の民謡がルーツにある踊りでしたが、「よさこい」は高知県発祥の民謡『よさこい節』をアレンジして制作された曲『よさこい鳴子踊り』に合わせて披露された踊りが元になっています。鳴子を持ち、日本舞踊の振り付けを受け継いだような形のスタイルが当時は主流でしたが、『よさこい鳴子踊り』の作曲家である武政英策さんが楽曲のアレンジを自由化したことで、現在ではそれぞれの団体やチームによってそのスタイルは異なるといった傾向にあります。, こうして考えてみるとルーツは異なるため、一見この「ソーラン節」と「よさこい」は関係が薄いように感じますが、毎年6月の上旬に北海道札幌市で行われる「YOSAKOIソーラン祭り」は、北海道大学出身の長谷川岳さん(現・参議院議員)が高知県の「よさこい祭り」と北海道の「ソーラン節」を融合させ、誕生しました。この北海道の「YOSAKOIソーラン祭り」は高知の「よさこい祭り」に匹敵する大規模なよさこいのお祭りです。この規模から考えても、現在日本各地で親しまれるよさこいの踊りは、ルーツは別でありながら「ソーラン節」と「よさこい」の両方の特徴を受け継いでいるともいえるでしょう。, よさこいのチームは日本全国に沢山あり、各地のよさこい祭りの規模も拡大していることから、よさこいのシーンも群雄割拠で、オリジナリティあふれるチームが点在しています。, 高知「よさこい祭り」の最高位賞である”大賞”を何度も受賞しているチーム”ほにや”の演舞です。まさに正統派のよさこいを真正面から魅せられているような感覚に陥る、見応え・インパクトが物凄いチームです。, 東京・表参道を拠点とするよさこいチーム”天空しなと屋 しん”の演舞です。 よさこいソーラン祭り歴史と開催結果-札幌大通公園を中心に行われる北海道の初夏の一大イベント。2019年第28回yosakoiソーラン祭り 6月5日(水)~9日(日)開催! この二つはなんとなく同じもののように解釈している人も少なくないと思いますが、今回はこの「ソーラン節」、「よさこいソーラン節」の違いをご紹介した上で、よさこいソーラン節のカッコいい動画をお送りしていきたいと思います!, ソーラン節とは、元々北海道の民謡(ニシン漁の唄)として親しまれていました。1993年に民謡歌手の伊藤多喜雄さんが稚内市立稚内南中学校の生徒のためにロック調にアレンジしたソーラン節をプロデュースし、これに踊りを交えたものが後に「南中ソーラン」と呼ばれる踊りになりました。 yosakoiソーラン祭りの参加チーム一覧です。チームの頭文字やmapからも探す事ができます。今年の参加チームの他に過去の参加チームもご紹介しております。