All Rights Reserved. ドストエフスキーが「芸術上の完璧であって、現代、ヨーロッパの文学中、なに一つこれに比肩することのできないような作品である」、トーマス・マンは「このような見事な小説、少しの無駄もなく一気に読ませる書物、全体の構造も細部の仕上げも一点非の打ちどころのない作品」と絶賛したトルストイの代表作。, モスクワ駅へ母を迎えに行った青年士官ヴロンスキーは、母と同じ車室に乗り合せていたアンナ・カレーニナの美貌に心を奪われる。アンナも又、俗物官僚の典型である夫カレーニンとの愛のない日々の倦怠から、ヴロンスキーの若々しい情熱に強く惹かれ、二人は激しい恋におちてゆく。文豪トルストイが、そのモラル、宗教、哲学のすべてを注ぎ込んで完成した不朽の名作の第一部。, レフ・ニコラエヴィチ・トルストイ(1828年9月9日 – 1910年11月20日), 帝政ロシアの小説家、思想家。フョードル・ドストエフスキー、イワン・ツルゲーネフと並び、19世紀ロシア文学を代表する文豪と目されている。代表作に『戦争と平和』『アンナ・カレーニナ』『復活』など。文学のみならず、政治・社会にも大きな影響を与えた。, アンナ・カレーニナのストーリー(あらすじ)を結末・ラストまで簡単に紹介しています。この先の内容は、ネタバレを含んでいるため注意してご覧ください。, 主な舞台は1870年代のロシア。政府高官カレーニンの妻である美貌のアンナは、兄夫婦の諍いを仲裁するためにやってきたモスクワで若い貴族の将校ヴロンスキーと出逢い、互いに惹かれ合う。, 地方の純朴な地主リョーヴィンはアンナの兄嫁の妹キティに求婚するが、ヴロンスキーとの結婚を期待するキティに断られてしまう。失意のリョーヴィンは領地に戻り、農地の経営改善に熱心に取り組む。ところがキティはヴロンスキーに無視され、それがきっかけで病を患ってしまう。, アンナは夫と幼い一人息子の待つペテルブルクへ帰京するが、ヴロンスキーはアンナを追う。二人の関係は急速に深まるが、それを知ったカレーニンは世間体を気にして離婚に応じない。, アンナはヴロンスキーの子供を出産後、重態となる。そこへ駆けつけたカレーニンは寛大な態度でアンナを許す。その一連を目の当たりにしたヴロンスキーはアンナを失うことに絶望しピストル自殺を図るが、未遂に終わる。その後ヴロンスキーは退役して、回復したアンナを連れて外国に出奔する。, リョーヴィンは病気の癒えたキティと結婚し、領地の農村で新婚生活を始める。そして兄を看取ったことをきっかけに人生の意義に悩むようになる。, 帰国したアンナとヴロンスキーの二人は、不品行が知れ渡り社交界から締め出され、やむなくヴロンスキーの領地に居を定めることになる。離婚の話は、狂信的な知人のカレーニンへの入れ知恵や、一人息子を奪われるというアンナの恐れなどの事情でなかなか進まない。, 自らの境遇に不満なアンナと領地の経営に熱中するようになったヴロンスキーとは次第に気持ちがすれ違い始め、アンナはヴロンスキーの愛情が他の女性に移ったのではないかとまで疑うようになる。ついに絶望したアンナは列車に身を投げる。, 生きる目的を見失ったヴロンスキーは、私費を投じて義勇軍を編成し、トルコとの戦争(露土戦争)に赴く。カレーニンはアンナとヴロンスキーの間の娘である幼子のアニーを引き取る。なお、カレーニンとヴロンスキーの名前は、どちらもアレクセイである。, 一方、リョーヴィンは、キティとの間に子供をもうけ、領地で幸せな家庭を築き、人は他人や神のために生きるべきものだという思いに至る。, ドストエフスキー「芸術上の完璧であって、現代、ヨーロッパの文学中、なに一つこれに比肩することのできないような作品である」, トーマス・マン「このような見事な小説、少しの無駄もなく一気に読ませる書物、全体の構造も細部の仕上げも一点非の打ちどころのない作品」, 平成生まれ。ライター、ブロガー、文筆家志望、Twitterで書評を書いている人。読んだ本が1万冊を超えたことを機に2017年からブログ再開、2020年は戦後思想史を勉強しつつ小説を書いています。好きな作家はカフカ、ガルシア=マルケス、村上春樹、大江健三郎、庄司薫、佐藤泰志など。そのほか、ラテンアメリカ文学、英ロック、欅坂46、囲碁、宮下草薙も好きです。読んだ本を登録している読書メーター. /. 19世紀末のロシア、主人公のアンナは政府高官カレーニンの妻で可愛い息子もいる、社交界の花として人々から注目される華やかな女性でした。しかし、彼女は夫からの愛に物足りなさを感じており、心に一つの空虚さを抱えていました。そんな彼女元に、兄夫婦が離婚の危機だと連絡が入ります。兄夫婦の仲裁のために、彼らのいるモスクワへと降り立ちます。そこで青年将校ヴロンスキーと出会います。彼は若く魅力的で情熱的に青年でした。彼はアンナに一目惚れをし、その日から猛烈にアタックして … アンナ・カレニナの紹介:若い士官と出会い恋に落ちた麗しきアンナは、夫も息子も捨て駆け落ちするのだが…。 All Rights Reserved. 今日は光文社古典新訳文庫『アンナ・カレーニナ4』を読みました。 ロシア文学を代表する長編小説4巻目。 アンナとリョーヴィンの物語、ついに完結! あらかじめ結末は知っていたのですが、そこへどうたどりつくのか?興味が尽きず、二日で一気に読みました。 All rights reserved. Copyright (C) 2020 Yahoo Japan Corporation. All rights reserved. 原作小説は19世紀後半のロシア帝国の貴族社会を舞台に、青年将校アレクセイ・ヴロンスキーと激しい恋に落ちた人妻アンナ・カレーニナの悲劇を描く物語ですが、映画は日露戦争の戦地でアンナの息子セルゲイと出会ったヴロンスキーによる回想という形式の作品になっています。 本作はロシア批評家協会賞2017では最優秀音楽賞を、ゴールデン・イーグル賞2018では最優秀美術賞を受賞しており、ストーリーだけでなく音楽や … 9月4日、イギリスの映画監督ジョー・ライトによる「アンナ・カレーニナ」が封切られた。これを機会に、ロシアnowは、このロシアの文豪トルストイのヒロインを演じた女優10人をご紹介する。 1935年のアメリカ映画。1927年にサイレント映画として製作した文豪トルストイの悲恋小説を、再びグレタ・ガルボ主演でリメイクした作品。その後も同じ題材で度々映画化されている。, アンナ・カレーニナ(グレタ・ガルボ)、ヴロンスキー(フレデリック・マーチ)、セルゲイ(フレディ・バーソロミュー)、キティ(モーリン・オサリバン)、ドリー(フィービー・フォスター)、ヤシュヴィン(レジナルド・デニー)、カレーニン(ベイジル・ラスボーン), DVD > 外国のドラマ映画ファーストトレーディングモーリン・オサリヴァン/フレディ・バーソロミュー/ベイジル・ラスボーン/フレデリック・マーチ/グレタ・ガルボ(出演),クラレ…, ロシア・ペテルブルグ。政府高官のカレーニンを夫に持つアンナは華やかな暮らしをしていますが、冷徹な夫に対して愛もなく、息子・セルゲイの存在だけが心の拠り所です。, ある時アンナは兄・スティーバとその妻・ドリーの論争を仲裁するため、2人が住むモスクワへ向かいます。列車の中でアンナは婦人と隣り合わせ、駅には婦人の息子で士官のヴロンスキーが迎えに来ました。列車から降りてきたアンナの美しさにヴロンスキーは目を奪われます。一方のアンナも若く勇ましいヴロンスキーに心揺れるものの、既婚者である自分を戒めました。, 列車が再び発車した際、鉄道の点検士が列車に轢かれてしまいます。アンナは「悪い前兆だわ」と恐れ、迎えに来たスティーバの肩に頬を埋めました。, アンナはスティーバの家族にも愛されていて、みな彼女の来訪を歓迎します。アンナを信頼しているドリーは、浮気をしたスティーバに代わって説得するアンナの話に耳を傾けました。ドリーはアンナに慰められ、夫婦の仲違いを収拾することにします。, ドリーを案じて屋敷にやって来た妹・キティは、慕っているアンナに恋の相談をしました。結婚を考えているレーヴィンではなく、ヴロンスキーに魅かれ始めていると。金曜の舞踏会にヴロンスキーも出席するためドリーは心待ちにしていますが、彼の名を聞きアンナの表情はくもりました。, 舞踏会の日。キティはヴロンスキーで胸いっぱいで、レーヴィンと踊っても心ここにあらずです。しかし次のダンスでヴロンスキーがアンナをエスコートするのを見たキティは、彼の気持ちを察し涙しました。, ヴロンスキーはアンナと踊りながら「駅で会ってからあなたを忘れられない」と想いを告げますが、夫と息子が待つ家に明日には戻ると、アンナは彼の気持ちに応えませんでした。, ハリウッド注目のイケメン俳優!アーロン・テイラー=ジョンソンのおすすめ出演映画12選!, 子役時代から高評価!注目の若手女優、ダコタ・ファニング出演映画おすすめランキングTOP15, ドウェイン・ジョンソンの出演映画おすすめ人気ランキングTOP25!パワフルな魅力を体感しよう!. Copyright (C) 2020 GYAO Corporation. 映画「アンナカレーニナ (2012年) 」ネタバレあらすじとラストまでの結末・動画やみんなの感想を掲載。起承転結でわかりやすく徹底解説しています。アンナカレーニナ (2012年) のストーリーの結末・感想や感想を含んでいるので、観ていない方はご注意ください。 photography by Eugenio Recuenco,Laurie Sparham. JAPANのサービスであり、ヤフー株式会社が株式会社GYAOと協力して運営しています。, (C)2012 Focus Features LLC. ちょっとクールな女の子ハルと、ろくでもない父親の、ひと夏のユウカイ旅行。私たちのための夏休み小説。... 「F」から始まり今ここに終結、そして拡散? アンナ・カレーニナ 物語の主人公。高慢で自尊心が強いが、美女です。 ヴロンスキー アンナと不倫関係となる青年。彼女を愛してはいるものの、しだいにその傲慢さを我慢することができなくなります。 アレクセイ・カレーニン アンナの夫。 映画「アンナ・カレーニナ」のあらすじと結末をネタバレ解説。動画やキャスト紹介、レビューや感想も掲載。ストーリーのラストまで簡単解説します。, アンナ・カレーニナの紹介:2012年イギリス映画。「アンナ・カレーニナ」はロシアの文豪トルストイの代表作を実写化した映画。19世紀のロシアが舞台となり、青年将校に惹かれたことをきっかけに、政府の高官だった夫との愛のない結婚生活や社交界から離れようと決心する女性に振りかかる試練を描く。 レオ・N・トルストイの傑作『アンナ・カレニナ』の第三回目の映画化(一九四八年)で、「神々の王国」のジュリアン・デュヴィヴィエが渡英して監督に当っている。製作者アレクサンダーア・コルダの性格を反映して、スタッフは著しく国際的、即ち脚色はフランス劇作家ジャン・アヌイ(「聖バンサン」)、イギリス・ライターのガイ・モーガン(「捕われた心」)及びデュヴィヴィエの協同、撮影は「海の牙」のアンリ・アルカン、音楽は英国でバレエ音楽を多く作曲するコンスタント・ランバート、装置はドイツ映画で活躍したアンドレ・アンドレイエフ、衣裳は英国のデザイナー/画家セシル・ビートンという顔触れである。アンナには「哀愁」のヴィヴィアン・リーが扮し、以下「女相続人」のサー・ラルフ・リチャードソン、アベイ劇場出身のキーロン・ムーア、ヒュウ・デソプスタア、メアリー・ケリッジ、マリー・ローア、サリー・アン・ハウズ、ナイアル・マクギニス、マーティタ・ハントらが共演する。, 俗物的官僚の代表者たるカレーニン(ラルフ・リチャードソン)と政略結婚させられた美貌のアンナ(ヴィヴィアン・リー)が愛なき生活の不満から、貴公子ウロンスキー(キーロン・ムーア)と恋におち、駆け落ちまでするが、男に対する嫉妬と罪の悔悟から、鉄道で自らの生命を絶つ。, やはり トルストイの傑作の映像化の 難しさを思うどうしても アンナ中心になり、彼女の勝手さばかりが クローズアップされてしまう(おまけに スカーレットの印象が 強烈な ヴィヴィアンである)恋の相手、ヴロンスキー(キーロン・ムーア)が やや、オッサンくさいのも 年上の女の不安に いまいち繋がらない(ときめきも伝わらない… 1948年頃のハンサムなのだろうか?)「息子と同じ瞳…」とか言わせているが、何処が? であるこの役に関しては、実績より 若々しさを選んだ方が(冒険した方が) おもしろかったのでは?ヴィヴィアンが 絶世の美女なのも、オペラの桟敷席での 恋のライバルへの嫉妬を 無意味なものに、変えてしまう(楽勝じゃないか)そして 周囲も彼女の前に ひれ伏してしまうのではないか?こんなんで アンナの葛藤が、母性愛以外は あまり伝わらず、最後の悲劇が ドラマチックに盛り上がらない彼女は「悲劇」を呼び寄せそうな美女なのだが、アンナ役には 少し違和感がある気がするただ、セシル・ビートンの衣装は 素晴らしい…二人のコラボも 楽しい彼女の美貌を 引き立てるエレガントなものばかりであるちなみに「マイ・フェア・レディ」でも衣装を担当していて、賢いオードリーは 採用されなかったイライザの衣装も着て、ちゃんと写真を撮っている写真家から 始まり、舞台装飾や衣装デザインまで 手がけてしまい、ナイトの称号まで授与された 彼の仕事の一端を確認でき、楽しかった, 物語の面白さ、とてつもなく考えされられる深みはもちろん言わずと知れた文豪トルストイの原作によるものしかし、ヴィヴィアン・リーの演技は物凄いものを見た気にさせる見応えだヴィヴィアン・リー撮影当時35歳まだまだ充分に美しい、が確かにピークは過ぎた感がでているそれでもなお男を狂わせかねない魅力を強力に持っているまだ女は終わっていないのだそれを主人公の役柄だけでなく、演じる彼女本人もそれを自覚しているのだ彼女がこの歳になるのを待って撮影されたかのようですらあるさらに彼女の持つ自分勝手で我が儘な気質、気の強さが役柄に見事にマッチしており、配役の確かさで本作の成功は半分勝負あったといえるが、彼女がその製作側の期待をさらに上回る演技をしてみせているのだ特に終盤のオペラ座での緊迫感は見事列車と途中停車駅での演出も監督の腕の冴えも素晴らしいこのシーンは同年4月公開の映画忘れじの面影の駅での別れのシーンの繰り返しと良く似ている駅の柵のセットまでそっくりだ本作は1月の公開だがオマージュされたのだろうか?セット、衣装、小道具もみな文句の付けようもない素晴らしい名作だ, 【2週間無料トライアル】メジャーからZ級まで世界中のホラー映画・ドラマが《見放題》, 北村匠海、満席の客入りにニッコリ 矢崎仁司監督は感極まる2020年11月14日 22:15, 綾野剛、熱く説く エンタメは「不急ではあっても不要ではない」2020年11月14日 19:30, 「キングダム」佐藤信介監督、Netflix映画「Water Margin」でメガホン2020年11月14日 11:30, 石岡瑛子さん世界初の大規模回顧展が開幕 コッポラ、ターセム・シンらとのコラボレーション2020年11月14日 11:00, マーベルドラマ「ワンダヴィジョン」、21年1月15日に日米同時配信2020年11月14日 08:30, 「鬼滅の刃」興行収入200億円突破! 歴代興収ランキング5位に2020年11月9日 12:12, 「劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン」邦画アニメ初のドルビーシネマ上映が決定2020年11月7日 08:00, 【コラム/細野真宏の試写室日記】劇場版「鬼滅の刃」のメガヒットで、どの会社に、いくら利益が出るのか?2020年11月12日 14:00, 【国内映画ランキング】「鬼滅の刃」が4週連続首位、歴代興収5位に 新作は「モンスト」「461個のおべんとう」「羅小黒戦記」が初登場2020年11月10日 13:00, ポルノまがい、女性嫌悪主義のレッテルを貼られた写真家ヘルムート・ニュートンのドキュメンタリー予告編2020年11月10日 06:00, 欲望という名の電車 オリジナル・ディレクターズカット スペシャル・エディション[DVD], 「キングダム」佐藤信介監督、Netflix映画「Water Margin」でメガホン, 石岡瑛子さん世界初の大規模回顧展が開幕 コッポラ、ターセム・シンらとのコラボレーション, 「劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン」邦画アニメ初のドルビーシネマ上映が決定, 【コラム/細野真宏の試写室日記】劇場版「鬼滅の刃」のメガヒットで、どの会社に、いくら利益が出るのか?, 【国内映画ランキング】「鬼滅の刃」が4週連続首位、歴代興収5位に 新作は「モンスト」「461個のおべんとう」「羅小黒戦記」が初登場, ポルノまがい、女性嫌悪主義のレッテルを貼られた写真家ヘルムート・ニュートンのドキュメンタリー予告編, 「ストックホルム・ケース」(C)2018 Bankdrama Film Ltd. & Chimney Group. ロシアの文豪L・N・トルストイの代表作を実写化した大作ドラマ。19世紀ロシアを舞台に、青年将校に惹(ひ)かれたのを機に政府高官である夫との愛のない結婚や社交界から離れようと決意した女性に振り掛かる試練を追う。メガホンを取るのは、『つぐない』『ハンナ』などの鬼才ジョー・ライト。『つぐない』でライト監督と組んだキーラ・ナイトレイが、許されぬ恋に身を焦がしながらも自分らしく生きようとするヒロインのアンナ・カレーニナを熱演。実力派スターが集結した豪華な共演陣、豪華絢爛(けんらん)な衣装や美術も見どころだ。, 19世紀末のロシア。政府高官カレーニン(ジュード・ロウ)の妻にして、社交界の花として人々から注目されるアンナ・カレーニナ(キーラ・ナイトレイ)。しかし、華やかな生活の裏で夫との愛なき結婚に空虚なものを抱いていた。そんな中、彼女は離婚の危機に陥った兄夫婦の関係を修復させようと、彼らのいるモスクワへ。駅に降り立ったアンナは、そこで青年将校ヴロンスキー(アーロン・テイラー=ジョンソン)と出会う。彼から強い思いをぶつけられて戸惑う彼女だが、自分にも彼を慕う気持ちで胸がいっぱいだった。, 大劇場で演じられる舞台劇がセット撮影のドラマに転じていく。ローレンス・オリビエの「ヘンリィ五世」(1944)に似た導入は、ロシア文学をシェイクスピア経由でイギリス映画に変貌させたような印象を抱かせる。劇場空間を19世紀ロシアの貴族社会になぞらえたジョー・ライト監督の演出は、バレエや人形劇の様式も取り込み、けれんみたっぷりだ。, が、その外見とは裏腹に、劇作家のトム・ストッパードが手がけた脚本は、トルストイの原作の魂を汲んだ正統派だ。最大の特徴は、トルストイの分身である地方の地主リョーヴィン(ドーナル・グリーソン)のエピソードにボリュームを持たせ、ヒロインのアンナ(キーラ・ナイトレイ)とのコントラストを際立たせた点。, 恋の絶頂から悲劇に向かって突き進むアンナと、失恋のどん底からハッピーエンドに向かって穏やかに歩むリョーヴィン。2人の人生のベクトルは正反対の軌跡を描く。アンナが社交界を追われるとき、リョーヴィンは農民社会に受け入れられる。アンナが居場所と家族を失うのに対し、リョーヴィンは愛と心の平安を手に入れる。そんな2人の対比を、ストッパードは的確に採録。さらに、監督のライトが、アンナの世界を舞台劇調のセット、リョーヴィンの世界を牧歌的なロケーションを使い、鮮やかに描き分けた。, そういえば、と思いだしたのが、ストッパードの壮大な3部作の戯曲「コースト・オブ・ユートピア」。「アンナ・カレーニナ」より少し前のロシアを背景に、理想の社会を実現させようと葛藤する知識人の肖像を描く群像劇だが、この登場人物たちとリョーヴィンは同じ地平でつながっていたのだと、映画を見て気づかされた。(矢崎由紀子), 「Yahoo!映画」はYahoo! 『アンナ・カレニナ』(原題:Anna Karenina)は、1948年に製作・公開されたイギリス映画である。撮影は1947年5月から8月 。 レフ・トルストイの小説『アンナ・カレーニナ』の映画化作品であり、ジュリアン・デュヴィヴィエが監督、ヴィヴィアン・リーが主演した。 「アンナ・カレーニナ」けれんの演出と正統派の脚本でつづる文芸ドラマ 大劇場で演じられる舞台劇がセット撮影のドラマに転じていく。 ローレンス・オリビエの「ヘンリィ五世」(1944)に似た導入は、ロシア文学をシェイクスピア経由でイギリス映画に変貌させたような印象を抱かせる。 俗物的官僚の代表者たるカレーニン(ラルフ・リチャードソン)と政略結婚させられた美貌のアンナ(ヴィヴィアン・リー)が愛なき生活の不満から、貴公子ウロンスキー(キーロン・ムーア)と恋におち、駆け落ちまでするが、男に対する嫉妬と罪の悔悟から、鉄道で自らの生命を絶つ。